インタビュー
DopeOnigiriがDJ Jazzy Jeffのワークショップに参加して思ったこと Pt.1

先日台湾の台北市で行われたRed Bull Music 3Style、大会期間中に行われていたワークショップにて、ホストを務めているDJcityのStyles Davis、また会場やLive配信の視聴者を中心に、DJ Jazzy JeffにQ&A形式のトークショーが行われました。
そこで私、DJcity JapanのDopeOnigiriがJazzy Jeffの話で特に興味を持った内容を翻訳、そして自身のDJとしての観点でどう思ったのかを考察して意見を述べさせていただきます。
Styles Davis: DJとしてのキャリアをスタートさせて、かなり若い時から成功していると思いますが、若い段階で成功したからこその失敗やネガティブな経験はありますか?またそこから学んだ教訓があれば教えてください。
Jazzy Jeff: 当時は何もかも分からなかったんだ。Hip-Hopの音楽グループが20組程しかおらず、自分もその1人だったよ。皆すごく若かった。大学に通わず、成功例や明確な目標が分からない中、全員本気で音楽活動に取り組んでいたやつばかりだったね。だから大人にも自分達のやっていることを話しても理解してもらえなかったよ。でもその状況を楽しんでいたと思う。相方のWill Smithも奨学金を貰いながら大学に通っていたけど行かなくなった。ラッパーとしてのキャリアを本気で始めるために彼はお母さんと話をしたけど、お母さんはかなり怒っていたよ。
当時、初めて作ったレコードを公開した時はいつか自分に子供ができたら、”お父さんは昔、曲を作ったことがあったんだよ”と伝えることができたらイイなという感覚だった、でも6週間後にはロンドンでBBCの音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」の収録にいたんだぜ。当時、フロリダにも行った事のない俺がまさかロンドンにいるなんて思わなかったよ。当時はパフォーマンス用の曲がなかったから番組に出て手を降っただけだったけどね。でも本当に全てが新しく、物事が進むスピードもすごく速かった。大きいレーベルに所属してミュージックビデオも撮ってアルバムを収録して、1年半後には「アメリカン・ミュージック・アワード」のステージに立ってたんだ。ステージからMichael Jacksonが座る席が見えた時は本当にテンションが上がったよ。
当時は本当に全てにおいて(物事の進むスピードが)速かったけど、その分ミスは多かったよ。自分達は早い段階で売れたからこそ、ミスは多かったけど、ミスを起こすのは当たり前のことさ、それをどのように良く修正していくのか、というのが大事だと思う。残念ながら自分たちと同じくらいの年齢でキャリアをスタートして、注目されてもそこからミスが起きるとリカバーができないがために消えて行った人もたくさんいるよ。でも自分たちはミスをたくさん起こす度にそれ以上のリカバーをしていた。俺は相方のWillの為に、Willは俺のために動いていたと思うよ。これはエゴとかじゃなくて単純に1人より2人で動いた方がよかったからね。我を失わず、道を外れないでおこうと思っていたよ。なぜなら揉めて喧嘩をする人も見てきてるし、そしてお金も絡んでくる可能性もあるからね。お金なんか一生あるものと思ってしまう時期もあったよ。4000ドルのスーツを買った時にお金がなくなってしまった経験があるんだ笑、4000ドルのスーツにさらに税金を払う必要があって・・・でも誰が払うかって当時思ったよ。若くして売れたら本当に何も考えずに行動する時はあるんだよ。
この話を聴いて、自分は「レジェンドな彼もやっぱり人間なんだね」と思いました(笑)。自分自身も学生時代にDJを本気で取り組んでいたのですが、最初は親に理解してもらうことが難しく、悩んだ経験があるので彼の話は少し共感できる部分があったと思います。しかし、彼が若い頃と比べて今はたくさんの成功例があるので、より良い時代になったのではないか?と少し思いました。個人的にはナイトクラブDJは目に見える評価や数字としての結果を表し難い仕事だと思います、また特に日本では一般的にDJがどのような仕事なのか理解している人も多くはありません。自分も学生時代その部分で(今でも)悩んでいる時がありました、そこで自分は学生時代にDJコンペティションに出場し、優勝してから両親もDJに対する考え方や印象が変わり自分を応援してくれるようになりました。身近な人からサポートを受けるには明確な結果を出した方が良いのかな?と思いました。
若い頃から成功して、お金をたくさん持つ経験は実際に経験者しかわからない事だと思います。ただお金を持つ持たない関係なく、失敗しても修正を繰り返す行動は大事だなと思いました。それはDJにおいても、もちろんそうですが他の分野でも言えるのではないでしょうか?
DJ BRAIZEとDJ 4RESTがそれぞれのDJ感について語る

DJ Braize & DJ 4Rest at DJcity Japan Takeover at Giraffe, on November 10, 2018.
六本木/西麻布にあるa-lifeにてレジデントDJそしてミュージックプロデュースを担うDJ Braizeと大阪はBeePM Managementに所属するDJ/プロデューサーのDJ 4RESTが、それぞれのDJ感についてDJcityのインタービューに答えてくれました。
お二人ともレジデントDJですが、新譜が毎日リリースされる中で、お客さんが聴きたい曲と、DJとしてプレイすべき曲にギャップって生まれてくると思いますが、そこの調整ってどうしているんですか?
DJ 4REST : 難しいですね。僕は結構自分でリミックスとかブートレグ作りますけど、まずは、どう上手く差し込めるのか?っていう視点がありますね。新譜に対して、原曲だと自分の現場ではかけずらいな、もうちょっとパワー欲しいなって感じたら、リミックス作ったり、みんなの知ってるようなアカペラ挟みながら、徐々に浸透させるみたいな感じでアプローチして、最終的にオリジナルに持っていくような流れですかね。
DJ Braize : かける時のタイミングとか、僕も結構気にしますね。リリースされていきなりBillboardチャートの1位に君臨する曲とかあるじゃないですか?そういうのは困らないんですけどね。例えば、日本で全くかからないけど、外国でめちゃめちゃかかってる曲みたいなのって多いじゃないですか?ちょっと濃いめのHip Hopとか。アメリカだとどこのクラブでもかかってるみたいな。そういう新譜の入れ方は結構気にしてますね。お客さんに「この曲は知ってないといけないんだな」って思わせるようなプレイで差し込むように努力しますね。わかりやすい曲とわかりやすい曲の間に綺麗に挟んでいくとか。そうすると「あれ?なんで今の曲知らないんだろう?流行ってるの?」って感じる可能性は高くなるじゃないですか?極論ですけど、誰もが知っている10曲の中に1曲だけ知らない曲があると「なんだろう?」っていう感覚は生まれやすいですよね。もしくは、ブートレグとか強めの音で流行らせて、オリジナルに差し替えていくとかもありますし。新しい曲がReggaeなのかHip HopなのかEDMなのかによって、多少はやり方は変わってきますけどね。
DJ 4REST : 流行ってる曲を1曲かけた後で、今はこういう曲だからこう聴いて欲しいっていうのを、温度感を持って伝えたいですよね。敢えて5秒くらい無音にしてからバンってかけて、その曲で一斉に全員が盛り上がるみたいな、そういう瞬間をみんなに共有して貰えるような差し込み方ですね。
具体例として最近そういう曲ありましたか?
DJ Braize : 曲によりますけど、静かなコードから入っちゃう曲とか、流石に頭からかけるのは難しいなって思うんですけど。でもDrakeのGod’s Planは最初のところから入れましたね。ボーカル始まるところで綺麗に繋いじゃうと、流れで聴いちゃってると思うんで。幸い、a-lifeの場合はMCがいるんで、MCに「この曲頭からかけるから頼むわ」みたいな感じでやったりしますね。1回お客さんを煽って、テンションをDJブースに向けるみたいな。DJってそういうの大事じゃないですか。ずっと綺麗に30分繋いだ後にいきなりスクラッチが入ると、やっぱり1回お客さんの注目を引き寄せますよね。「あれDJ変わったのかな?」みたいな感じで。そうやって新譜を入れたりしますね。

DJ 4Rest at DJcity Japan Takeover at Giraffe, on November 10, 2018.
クラウドコントロールするために上げたり、下げたり、波を作ると思いますけど、中には上げっぱなしのDJもいますけど、そういう上げ下げの部分って気にしてますか?
DJ Braize : そうですね、上げっぱなしにしちゃうと、今度はお客さんが上げっぱなしの状態に慣れてきちゃうんですよね。ずっと上がってる状態なんで、次どこで上がっていいのか、わからなくなっちゃう。上がってる状態の更に上ってないですし、次は落ちるしかないんで。だから、落ちてもいい時に落として、上がりたい時に上げられれば、波って作れるんですけどね。
DJ 4REST : フェスだと3,2,1でみんなジャンプして盛り上げるとか、お立ち台に女の子がいて盛り上がるとか、飛び跳ねるのも、手を上げてるのも盛り上がってる状態だと思いますし、逆に一旦足を止めてお客さんを一斉に歌わせるような、一体感のある瞬間も盛り上がってると言えるし、色々な要素を入れながら波を作る感じですよね。
DJ Braize : なんでフェスのあれが成り立つかって言うと、やっぱりEDMって1曲の中でブレイクダウンがあって、ビルドアップしてドロップ行くっていう流れが1曲の中で成り立つじゃないですか。クラブの1晩もあれでいいと思うんですよ。盛り上がる所があって、落ち着かせるところがあって、ちょっとなんかお酒を買いに行く間を与えるじゃないですけど、そういう雰囲気を作ったり、エロい感じにしてみたり、色んなシチュエーションで曲を変えて1晩を作るみたいな。やっぱりそれってクラブに必要ですよね。
お互いをどういうDJだって思ってますか?昨夜のプレイを見て(DJcity Takeover Osaka)、どんな感想を持ったのか教えて下さい。
DJ Braize : 僕は大阪に来て、DJがみんなフロアを見てるなって印象を受けましたね。それって凄く大事なことじゃないですか。僕もクイックだったりとか、忙しい作業に入ると、どうしてもパソコン見たり、触りっぱなしになりがちなんですけど、結構そこは気をつけるようにしていて。だから、DJを見る時に、当然ミックスとか、かけてる音楽は聴きますけど、どういう表情でやってるのかっていうのは大事だと思ってます。やっぱり楽しそうにやっていれば笑顔になりますし。自分はそうなんですけど、上手くいかない時って笑いたくても笑えなくなっちゃうんですよ。「あー全然上手くいかないな」って思ってる時は、ニコニコしたいんですけど、焦りが顔に出ちゃって(笑)。4REST君も含め、他のDJもそうでしたけど、凄くみんなフロアを見てるなって思いましたね。パソコンを見たり、CDJを見ている時間が少ないなって感じたんで、それが出来るってことは、フロアを良く見てるって事なんで、お客さんのコントロールが出来てるんですよね。
DJ 4REST : 僕はもう、Braize君は東京で一番会いたいDJで、DJcityの前回のインタビュー記事を読んで共感して、ずっとこの人に会いたいって思ってました。やっぱりゲストDJとして呼ばれると、自分の爪痕と言うか、自分の色を全開に出す人が多い中で、Braize君は早い時間からクラブを肌で感じて分析して、実際のプレイも本当に良いバランスで自分のスパイスを入れてるんで、やっぱり東京でレジデントDJとして、お客さんの事を考えてDJしてる人だなと。自分が思った通りの人だなっていうイメージですね。

DJ Braize at DJcity Japan Takeover at Giraffe, on November 10, 2018.
昨日は本当にいいDJでしたね。驚いたのは、お客さんのほとんどが20代前半の中で、彼らが聴いた事もない90sとか80sをかけて盛り上げてましたけど、あれはどんな感覚なんですか?
DJ Braize : 昔の曲のプレイに関しては、その「そもそも知らなきゃいけないのか?」っていうのがありますよね。食事に例えちゃいますけど「和菓子がめちゃくちゃ美味いと。だからお前これだけは絶対に食わなきゃダメだよ。でも嫌いなんだもん、食べたくないもん。いいの私は和菓子じゃなくカップラーメンでも。」っていうのが、間違いなんですか?って話なんですよ。正直、別にどうでもいいですよね?ってなると、古い曲を知っていなくちゃいけないっていう考えが、そもそも違ってるんじゃないかなと。あんまりそういうのをやり過ぎると、DJとお客さんの距離が離れていくと思うんですよ。なので、古い曲をかけます。それでお客さんが何か分からないけど楽しいって感じで踊っていれば、僕はもうクリアだと思ってます。でも「あ~このDJさっきから古い曲ばっかりかけてるよ~。」ってなった時はもう、お客さんの耳にその曲は入ってないと思うんで、無意味なプレイなんですよ。それはクールじゃないって僕は思いますね。音楽を聴く時間を持てないほど忙しいサラリーマン捕まえて「Spotify開いてもっとカッコいいインディーズあるんだから聴けよ!」っていうのおかしいですよね?それと同じで、DJがお客さんに対して新しい曲だったり、コアな曲を勧めた結果、お客さんの耳が閉じちゃったら、そこからは本当に無意味な時間が流れるんで。アメリカと日本でクラブカルチャーは違うんで、古い曲に関しては難しい話なのかもしれないですけどね。古い曲を差し込めるDJの良し悪しは、お客さんが「今日は楽しかった」って思えるレベルだと僕は思いますね。
DJ 4REST : 僕は新譜と一緒で、かければ良いと思います。よくありがちなのが「誰々君、何々かけてるやん、やばい、やばい」みたいな。でも実際フロアで棒立ちになってしまうような曲だったら、別にスタートボタン押したら誰でもかけれるじゃないですか。それでお客さんが踊れば正解だと思うんですけど、物知り風な奴が「お前これ知らんやろう」ってドヤ顔でかけて滑ってるんだったら、正解じゃないですし。おっさんが喜ぶような曲でも、20歳くらいの若い子が踊ることもありますし、古い曲も、新しい曲も、みんなが知らないであろう曲も、やり方は一緒というか。よく言われるチャラい曲って、チャラくかけたからチャラいイメージがあるのであって、古い曲が、全て古臭いわけではなく、新しい曲が、全てカッコいいわけでもないので、曲の良い部分をDJがどうコントロールしてお客さんに届けるのか?っていうのが大事だと思いますね。
DJ Braize : エンターテインメントっていう枠で見ると、最終的にはDJだけじゃなくクラブが作り出す雰囲気とか、環境も大きく関わってくると思うんですよね。全く知らない新譜かけた瞬間に、いきなり火がついたシャンパンがバーっと出てきて「超盛り上がってるぜ!」って感じさせたら、その曲はもう「アリ」になっちゃうんで。でも、滅茶苦茶シラけてるところで、新譜かけて誰も知らなくて更にどんよりしたら、もうダメですよね。また料理の話になっちゃいますけど(一同笑)、料理に例えるの好きなんで(笑)。ブロッコリー嫌いな人に、いきなりブロッコリー食べてって言ったら、100%食べるわけないじゃないですか。でも、雰囲気の良い和食料理に連れて行って「このブロッコリーどこどこで採れた希少種だから、今日だけでも食べてみない?」っていう前置きがあったら、全然違ってくると思うんですよね。DJも同じで、綺麗な前置きがしっかり組んであれば、どんな曲であってもすんなり入っていけると思うんですよね。DJも大事なんですけど、クラブの雰囲気とか環境とか、そこで繰り広げられるエンターテインメントっていうものを見据えて、もう少し力を入れるべきですよね。
Red Bull Music 3Style Japan Final 優勝 DJ Fummy

FUMMY performs during the Red Bull Music 3Style National Final at evoL by GRANDMIRAGE in Fukuoka, Japan on November 24, 2018. // Suguru Saito / Red Bull Content Pool
Red Bull Music 3Style Japan Finalが先日開催されました。6名のファイナリストが素晴らしいルーティンを披露してくれました。3位にYB、2位にYUTOがランクインという、とてもハイレベルなコンペティションの末、DJ Fummyが優勝に輝きました。DJ Fummyの名前はDMC Japan優勝者のターンテーブリストとしてもその名前が有名ですが、その彼が同じくDJ界の大会としてその地位を確実なものとしているRed Bull Music 3Styleでもタイトルを獲ったことは大きなニュースではないでしょうか。その彼に優勝に至るまでの経緯やDMCとの比較のお話を聞くことができました。

FUMMY poses for a winners portrait during the Red Bull Music 3Style National Final at evoL by GRANDMIRAGE in Fukuoka, Japan on November 24, 2018 // Suguru Saito / Red Bull Content Pool
おめでとうございます。今大会、優勝する自信を持って臨みましたか?。
DJ Fummy : そうですね、正直ありました(笑)。でも、3日くらい前にようやく自信が出てきたというか、それまで全然ルーティンが出来てなくて。2ヶ月くらい前から作り始めたんですけど、全然進まなくて。多分、考え過ぎていたんですよ。DMCの大会の後に作り始めたんで、内容に凝りすぎて進まなかったんだと思います。
Fummyと言えばDMCのタイトルホルダーでもあり、今回で3Styleのタイトルも持つことになりましたが、今何を感じていますか?
DJ Fummy : DMCに関しては本当に自分が好きな事で、自分がほんまにカッコいいと思うことをやるんで、凄くマニアックで、誰にも伝わらないようなDJですよね。同じ側にいるDJ(バトルDJ)にしか伝わらない技とかが好きで、でもそんなのは今日のクラウドには全く伝わるようなものじゃなくて。3Styleに関しては、タイミング、出し方、見せ方を工夫していかないと、全く響かないどころか、むしろマイナスに働くことは理解してたんで。その「え、何してんのこの人?」みたいな(笑)、技の使い方を間違えると結構寒いことになるって言うか。本来Beat Jugglingって素晴らしいものなんですよ、でも出し方が大事で。お笑いとかもそうじゃないですか?めっちゃいいギャグでも、そこじゃないやんとか。僕、マニアックなことは大好きやけど、それがいつも伝わるわけじゃないってこともわかってるんで、言い方が難しいですけど、3Styleで手を抜くとかではないですけど、DMCと比べるとシンプルにしたっていうのが適切なんですかね?とにかく、わかりやすさを重視しました。
わかりやすさを追求する過程で本来自分が持つスキルを削ぎ落とす行為は、不安に感じませんでしたか?
DJ Fummy : 怖いですよ、めちゃくちゃ怖い。「これで大丈夫か?」ってなりますよね。DMCの大会の中でも、僕自身はかなりスキルに特化した部門にエントリーしていて、そこにいるようなDJの中でも、結構マニアックな部類なんで(笑)。にも関わらず、この内容で本当に大丈夫か?っていうところはありましたし、とにかく僕はスクラッチとかBeat Jugglingとかがめちゃくちゃ好きで、やっぱりそこを見て欲しいと感じますよね。もっと色々なDJに見てもらって、みんなにもトライして欲しいって感じる部分はありますんで。

FUMMY poses for a winners portrait during the Red Bull Music 3Style National Final at evoL by GRANDMIRAGE in Fukuoka, Japan on November 24, 2018 // Suguru Saito / Red Bull Content Pool
そもそも今回、Red Bull Music 3Styleに出場しようと思ったきっかけは何だったんですか?
DJ Fummy : そこはノリですね(笑)。本当にノリです。
ノリで出場して優勝って、凄いことですよ?
DJ Fummy : DMC終わって、今日までの期間があったんで、本当にノリで出ようと思って(笑)。それと正直な所、DMCをずっとやってきて、飽きたって言うか、気分転換が必要かなとは思ってました。でも、自分にとってDMCは意地で挑戦し続けるもので、世界一を獲るまでは絶対にやめないって決めてるんで。3Styleに関しては、それこそBさん(DJ B=BALL)が出てるの見ていて、めっちゃ楽しそうだなって思ってたんです。尺も15分で長いですし、削ぎ落とすのが怖いっていうのとは別に、正直この尺の長さだと技を失敗するリスクも減りますし、僕としてはめちゃくちゃ気持ち的に楽ですね。
なるほど。一方で3Styleはナイトクラブ的なバイブスを求められる傾向がありますけど、そこはどう向き合いましたか?
DJ Fummy : 曲を聴くのは好きなんで、パーティー系でこれは苦手っていうジャンルもありますけど、基本的に今日かけた曲はめちゃくちゃ好きなんで。DMCとの比較になっちゃいますけど、実際今日かけたような曲は絶対にDMCでは使えないですよね。だからナイトクラブで聴くような曲を使わないDJだと思われがちですけど、元来音楽が好きなんで、僕としてはいつもと違う曲を使ってルーティンを作れたのは、本当に楽しかったですね。
自分で作ったEditをルーティンに入れるという部分はどう考えてますか?
DJ Fummy : そこは意外と僕はこだわりないです。DMCの裏話みたいなものですけど、流行りの楽曲を編集して使うことってよくありますよ。Ableton Liveみたいなソフトで、原曲に対してキックを足したり、スネアの数を変えたり、普通に聴いたらワケがわからない構成にして、それをルーティンに盛り込んで別な曲にしたりとか、そういうやり方は、邪道と言われればそうかもしれないですけどね。やっぱり昔ながらの、レコードの時代から見てる人達にとっては、Editを使うのは邪道に映ると思います。僕もレコードを使って大会に出てた時代もあるんで「Edit使って何してるんやろ俺?」みたいな、そういう変な感覚に陥ったことはありますけど、僕はこの手法を使い始めるのが割と早かったんで、今は何も違和感はないですね。「こっちのがやり易いやん」みたいな。3Styleっていう大会が出てきて、Editを使ったプレイは結構進化した気がしますね。時代の流れにゴリゴリ慣れていくしかないですし、自分が見せたいものを見せるために抵抗はないんで、場合によっては自分にとって都合良く曲の構成を変えることも必要だと思います。
World Finalに向けてですが、国内大会とはルーティンを変えた方がいいみたいな噂があると思うんですが、どうしますか?
DJ Fummy : そうですよね(笑)。じゃあ、作り直します(笑)。全部違うやつにします。今日から作り直し始めます!全部ですよ、今日やったEditとかも全部変えます。あと、今日は本当にミスが多かった。自分で自分が許せないくらいミスりました。1箇所や2箇所とかいうレベルじゃなくて、全箇所ミスったくらいの感じです。緊張もありましたけど、とにかく準備不足でしたね。15分のルーティンを通しで出来るようになったのが、今日の朝とかなんで、本当に今日ようやく大会に臨めるようになったばっかりだったんですよ(笑)。

FUMMY poses for a winners portrait during the Red Bull Music 3Style National Final at evoL by GRANDMIRAGE in Fukuoka, Japan on November 24, 2018 // Suguru Saito / Red Bull Content Pool
World Finalも大会ウィークの中で予選と決勝があるので、15分のルーティンを2つ用意するのが理想だと言われてますが。
DJ Fummy : やります。いけます。今回、大会の1週間くらい前にBさん(DJ B=BALL)のところに行ったんですよ。その段階で、ほんまにゼロの状態っていうか、色々考えてはいるんですけど、何も形になっていなくて。大会1週間前で実質ゼロの状態って結構ヤバイと思うんですよ。それをDMCとかでも結構やっちゃうタイプなんで、自分で言うのも難ですけど、ちょっと色々やり方とか、準備がおかしいんですよ。でも、そういう危機的な状況で出る「謎のパワー」とかもあるんですけどね(笑)。今回はBさん(DJ B=BALL)の家に行って話をしたら、もうすぐに出来たんですよ。何と言うか、ネタを授けてくれたみたいな。元々こういうのをやりたいっていうのは漠然とありましたけど、僕の中で固まってなくて。ずっと3Styleに出てたBさん(DJ B=BALL)の所に行って、やっぱり得意な人間に意見を聞くっていうのは早いですよね。こんなんもっと早く行けば良かったと思いましたよ。ほんまは2週間くらい前に行く予定だったんですけど、あまりに何も固まっていなくて先延ばしになって。で、行ってみたら2個くらいひらめきを授けてくれて、その後、頭の中にあるものが全部繋がっていくのがわかりましたね。正直なところ、Bさん(DJ B=BALL)の家に行く時点でさえ、何も見せるようなものが無くて(笑)、内心で「やっべぇ・・」って思ってましたけど、あそこに行けば何とかなるっていう根拠の無い自信はありました(笑)。
つまり、World Finalでも今回同様に追い詰められてからルーティンを生み出すということですか・・?
DJ Fummy : いやいや、Finalはちゃんと準備したいと思います(笑)。明日からコツコツ作って、何回も練習して本番に臨みます。それと、これまでの日本のチャンピオンに色々聞いてみようとおもいます。Bさん(DJ B=BALL)もそうですし、DJ YOU-KIさんにも話を聞いて。とにかく先駆者の話を聞かないと始まらないと思います。あと、3Styleであれば、過去のプレイヤーのパクリじゃなくて、あえてのオマージュだったり、ビルドアップした音源を使ったりとか、DMCのカルチャーの中だと絶対に出来ないようなプレイも3Styleの中では評価されるんで、自分も楽しめるルーティンを作りたいですね。今まで僕が歩んだ大会を振り返ると、3秒のちょっとした技のために何ヶ月も繰り返し練習したりとか、正気の沙汰じゃないですし、表現と重圧の間で苦しんでルーティンを作っていましたけど、3Styleに関しては楽しんで作りたいと思います。
最後にWorld Finalへの意気込みをお願いします。
DJ Fummy : 優勝目指して頑張ります。今日のJapan Finalも優勝する自信を持って挑戦しましたけど、その先を全く考えてなかったんで、とにかく頑張ります。今日は自分との戦いと言うか「あそこで間違えるなよ」とか、そんな感覚でしたから、やっぱり準備が大事ですよね。明日からしっかり準備します。それと、台湾は日本から近いんで、応援に来てくれたら嬉しいです。
次回の ‘MikiDz Show’ ライブストリーミングにMiles Medinaが出演決定

ベイエリア出身のDJであるMiles Medinaが次回放送されるDJcityのMikiDz Showに出演することが決まりました。日本時間では23日の午前11時からライブストリーミングで放送されます。
Miles Medinaは西海岸でもスキルフルなDJとして評価されており、昨年にはA-Trakが主催しているDJバトルの大会、Goldie Awardsで優勝しています。また全米の様々なナイトクラブでもDJしています。
MikiDz ShowはMikiWarとDJ Dainjazoneがホストを務めており、オープニングセットはDJ Rellが行います。放送は日本時間23日、午前11時からDJcityのFacebook、YouTube、またはホームページから視聴できます。
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DJ KOYAがSeratoについて語る

DVSの主要メーカーの一つでもあるSerato。DJcityユーザーの中でも多くのDJが使っています。近年様々なDVSが台頭している中、業界の重鎮で早くからSeratoを取り入れていたDJ KOYAの観点からこの現状をどの様にとらえているか等を語ってもらいました。今後のDVSやバージョンアップの参考になるのではないでしょうか。
レコードからSerato Scratch LIVEに移行したきっかけは何ですか?
DJ KOYA : Serato Scratch LIVEが出た当時ってよくNYに行ってて、Stretch Armstrongのところに遊びに行ってたんだけど、よく見たらレコードを使ってなくて「何使ってんの?Serato?何それ?」っていうのが最初で。俺らって感覚的なところで、あっち側(米国)に右へ倣えみたいな習慣ってあるじゃん?そういうのがあるから、何の疑いもなくSerato Scratch LIVE移行に踏み切った部分はあるね。
当時の日本ではまだ、Serato Scratch LIVE を使っている人が少なかったですし、それに関連する情報も少なかったと思いますが、どのように情報のアップデートをしていたんですか?
DJ KOYA : そこは他の使っているDJに直接聞くとか、取り扱ってたHIBINOに電話したこともあるし。独学じゃ無いけど、英語の情報しかない中で、自分でなんとか頑張って調べたり。後はもう、DJブースで実際に自分の目で見ながら、色々情報収集したよね。

Monster at Harlem
今現在はSerato DJ Proを使っていますが、Pioneer DJ rekordboxへの移行を考えることはありますか?ラスベガスのDJ達の中でも移行する流れがあるようですが。
DJ KOYA : 今後、DJシーンがどうなるのかわからないけど、今のところ変えようと考えたことはないね。俺、不器用なところもあるから、1度に何個も使い分けられないって言うか(笑)。今Serato DJ Proを使っていて不便も無いし、日本は環境に恵まれてるって言うか、どこの現場に行っても一定レベルの環境があるから、他のソフトに移行しなきゃいけない必要性って無いよね。今ので満足してるなら、変える予定は無いよ。
つい最近までは、以前のSerato Scratch LIVEのバージョンにこだわっていたと思いますが、Serato DJ Proに変えなかった理由も同じですか?
DJ KOYA : そうだね、特に何の不自由も無かったからな。1番チェックしてるDJ達が誰も変えてないっていうのも、俺が変えない理由の50%としてはあったけど、やっぱり何も不自由が無くて、特に問題も無ければ、変える必要って無いしね。でも、今回はいよいよシステムの不具合とか限界もあって、変えざるを得ない部分があったんだけどね(笑)。
Seratoというブランドに対してのこだわりもありますか?
DJ KOYA : そういうブランドに対する特別なこだわりは無いけど、でもSeratoってスタンダードだよね。ほぼほぼどこの現場にも浸透してるし、どのDJもみんな使ってるものだし、安定した信頼があるよね。大きな不具合も特にあったわけじゃないし。安定してると思う。
今後、ラスベガスのOpenformat DJ達が新しいソフトウェアに移行していったらどうしますか?
DJ KOYA : 確実に興味は増すね。でも、最終的な判断は自分でするし、やっぱりどういうものなのか、自分なりに突き詰めるだろうけど。でもより興味を持って新しいのを見るようにはなるね。
有り得ないことかもしれませんが、今後米国の主流がCDJもターンテーブルも使わない、PCの画面だけでやるスタイルになった場合、その流れをフォローしますか?
DJ KOYA : 全然フォローするね。

以前、B=BALLがPioneer DJはカスタマーサポートがわかりやすく、導入が簡単と話していましたが、そういう部分も重要だと思いますか?
DJ KOYA : そこは、俺にとっては関係ないかな。面倒でも、俺は基本は自分で調べるし。でも、自分が影響を受けるDJ達が良いって言って使うんだったら、情報は追うよね。カスタマーサポートの質でどうとか、そういう話ではないと思うね(笑)。
今回、Serato DJ Proに移行して、順調という話を聞きましたが、具体的にどういう部分が順調ですか?
DJ KOYA : 最初の設定は手こずったけど、Serato DJ Proの内容は以前のバージョンと比べても全然良いと思うね。不具合も無いし。先に変えてた周りのDJからは、色々不具合とか聞いてたけど、取り敢えずやってみなきゃわからないって言うのが率直な感想かな。実際に変えてみたら、なんてことないし、使ってみて思うのは、もうScratch LIVEには戻れないよね(笑)。やっぱり何でも「慣れ」って大事だよね。日本人だから、細かいことを気にし過ぎちゃうっていう部分もあるじゃん?変えた直後の不具合の話ばかり先行して聞いちゃうと、実際自分にもそれが起こると「あーやっぱり出たよ!」とかマイナスの部分ばかり見えちゃうものだからね。俺も変えた直後はセッティングの部分が大変で、ちょっとストレスは感じたけど、今は全然問題ない。今まで通り、不具合も無くて、本当に安定して使えてるね。飛行機みたいなもので、離陸までちょっと緊張するけど、飛んでしまったら、安定してるし、寝ちゃっても大丈夫、安心みたいなね(笑)。
SEROがEdit/Bootleg制作について語る

at Alife Nishiazabu
DJcityレコードプールユーザーならSEROという名前を見たことがある方も多いと思います。彼は東京西麻布のナイトクラブAlifeでレジデントDJとして活躍しながらもDJcityにクラブフレンドリーなEditを提供してくれています。また、arigatosushiboysとしてフードインスタグラムもアップデートしていて、海外のDJからもフォローされています。その彼がDJcity JapanのエクスクルーシブインタビューにてEditやBootleg制作について語ってくれました。
SEROのEdit/Bootlegはこちらから。
DJcityにEdit/Bootlegを送るようになった経緯を教えてください。
SERO : アメリカにいた時はオープンフォーマット中心のDJだったのでBootlegやEditを作ったこともなかったのですが、日本に帰国して本格的に世界でEDMが流行りだした時期があった時に自分で使うためにアカペラなどいろんな素材を使ってBootlegやMashupを作り始めたんですよ。AlifeでDJをするようになってからは、フォーマットもHip HopやTrapなどといった曲をかけることが増えてそれまで自分用に作っていたBootlegを、そろそろ他の人にも聴いて貰いたいって考え始めた矢先にDJcityのスタッフと知り合って「とりあえず送って下さい」って言われたのが最初ですかね。
日本人のEditorとしては一番多くの楽曲がDJcityに掲載されていますが、その理由は何だと思いますか?
SERO : 実際のところ、僕が送った曲の半分以上は掲載されてないんですよ(笑)。そもそも、初めの頃は殆どのエデイットがボツだったんじゃないですかね。そこからDJcityっていうレコードプールに求められているニーズだったり、サウンドを意識したり、手法を模索する中で気が付いたのが「自分だけが使いやすいもの」だと他のDJにとっては使用価値が無い可能性があるってことですよね。勿論、自分の色だったり、やりたいことはあるんですけど、そこの部分と、レコードプールのニーズみたいなのを擦り合わせしながら作り続けた結果が、現状に繋がっているのかな?って思いますね。
渾身の作品が掲載されない場合は、精神的にショックを受けることもありましたか?
SERO : 正直、心が折れた事は何度もありましたね(笑)。自分の中で、これは絶対にイケてるっていうエディットがボツになった時は、何度もトライ&エラーで送り続けて、10回送った後に掲載されるとかもありましたし(笑)。逆に、さっきも言ったようにダメだったケースも結構ありますし。
SEROのBootlegはエナジーコントロールがクラブに適していると感じますが、何か工夫はあるんですか?
SERO : やっぱり自分がやっている現場でのテストみたいなのはちゃんとやってますね。エネルギーのギャップがないと、お客さんには伝わらないと言うか、特に僕の場合だとHip Hopのエディットが多いので、ギャップを上手く作る事で、その曲を知らないお客さんでも、フロアでスムーズにノレるようになったりもするんで。場面場面を想定して、エネルギッシュになるように作るのは重要だと考えてますね。DJcityに送る前に現場でかけてみて、反応が良ければ送ってみるっていうパターンも結構あります。時々、DJcityから細かい修正をお願いされる時もあって、そういう時は必ず現場で試してみて、反応を研究してますね(笑)。
DJcityに掲載されるようになってから影響はありますか?
SERO : それはやっぱり認知度が上がった事ですかね。国内外に向けて、自分のDJとしての信用度が上がったと感じるのが一番大きい部分ですかね。特に海外のDJからSNSを通じて連絡が来たり、日本に来てる海外のDJに自己紹介すると「DJcityにエディット上がってるよね?」っていう反応から話もスムーズに進みますし。あと、BBC Radio の Diplo & Friendsでも僕のエディットが紹介されたんで、あれは日本の人にも色々声かけて貰えますね。

Bootlegを作る時に選ぶ楽曲はどんなところをベースにしていますか?
SERO : まずは新曲や往年のクラシックなどのクラブでプレイされるべき曲をピックするということです。それにTrapとかTwerkのエッセンスを入れて、DJがプレイしやすいBootlegを作りにすることで、その曲の認知度が上がるということを一番意識して楽曲をピックしています。DJの役目はオーディエンスを楽しませることも大事ですけど、それと同時にオーディエンスに新しい曲や往年のクラシックを紹介することだと思うんですよ。そうすることでお客さんの音楽を楽しめる幅も広がるし、世界のどこにいっても音楽を楽しめるようになると思います。それでも最近Billboardで流行っている曲はどうしてもEDMに比べてエナジーレベルが低いのでアジア人だけじゃなくアメリカでも受け入れられにくい曲が多いです。プレイしやすく編曲することで、より多くのDJさんにプレイしてもらえることが最終的なクラブミュージックのクオリティの向上に繋がっていくと思うんで、そういう基準で楽曲を選んでますね。あとRockだったり、昔本当に流行ったHip HopやR&Bも、自分のDJセットには盛り込むために自分でEditを作っています。完成度の高いものが生まれれば、いろんなDJさんにプレイしてもらえる、その度にお客さんにとっても好きな曲が増えていくと思うんで、EDM以外の楽しみ方も提供できるのではないかと思っています。アジア圏に多いと思いますけど、EDMじゃないと楽しめないお客さんって勿体無いじゃないですか(笑)でもいろんな音楽の良さを伝えられるのは今も昔もDJにしかできない仕事なんじゃないかと思います。
今後はどんな活動を考えてますか?
SERO : 個人的には色んなスタイルのクラブがあって良いと思いますけど、やっぱりプレイされた方が面白くなる楽曲っていうのはあって、多くのDJが「かけたくても、かけられない」みたいな状況って、日本だけじゃなく、アジア、アメリカも当然そういうのがあると思います。今後もEditorとして、DJとしてトレンドやカルチャーやクラブの楽しみかたっだたり色々なものを提案していければと思っています。
DJ Snakeがスーパースターになるまで

DJ Snake at Echostage in Washington, DC on March 3, 2018. (Source: Facebook)
2013年にリリースした楽曲”Bird Machine“以降、Dance Musicのシーンでは欠かせない存在となったDJ Snake。これまでBillboardチャートにトップ10入りする作品が3つあり、数々の有名な音楽フェスティバルにも出演。そして自身のレーベル、Premire Classeを発足させました。
今回はBillboardで行われた彼のインタビューを少しまとめて掲載します。
フランス、パリでの貧困地域での生活
「Ermontという地域で育ったんだ。世界中のどこにでもあるゲットーな地域だったよ。ドラッグや犯罪なんて日常茶飯事で希望なんて持てないような街なんだ。誰も他人のことなんか気にしない。唯一あるとすればサッカー場がいくつかあるだけだよ。他は何もない、サッカーをするだけで、他にすることがないんだ。」
Hip-Hop DJからオープンフォーマットDJ/プロデューサーにシフトチェンジした経緯
「初めてHouseの楽曲をプレイした時を覚えているよ。誰かにAir Force Oneを投げられたね。でもその時自分は”色々な音楽をプレイしたい。”と思っていたんだ。でも人々には”お前はクレイジーだ、今までの信頼やファンを失う事になるぞ。”と思われていたんだ。それでも自分は新しい挑戦や自分の楽曲を作りたかったからプロデューサーになったんだ。」
他人の楽曲をプロデュースすることから自身の音源をプロデュースするまで
「これまで色々な人の意見や話を聞いてきたよ。プロデューサーからライターまで、本当にたくさんの人のね。けどある日、”もうどうでもいい!自分のビジョンで行う!”って決めたんだ。もう誰の意見も聞かない、A&Rの意見さえもういい。これで良かったんだ。自分で最高の音を作れるからね」
DJとのネットワーキング
「バックステージとかでRL Grime、Flosstradamus、Baauerなどと出会い全員の連絡先をゲットしたよ。嬉しすぎて次の日には全員に10通ずつぐらい自分の音源などを添付したメールを送っていたよ。」
世界中のスタイルを取り入れる
「最初はパリの街が自分に影響を与えて作品を作っていたけれど今は世界中の街が影響を与えてくれているよ。」
ロールモデルとして
「クリエイティブになるためにはお金は必要な買ったね。ゲットーな場所でよりクリエイティブになれる生活をしていたと思う。そのような地域で暮らしている子供達には、ゲットーからでも最高な音楽を作れて、世界を変えることができるんだと伝えたいね。」
DJ B=BALLがキャリアや機材について語る

Novel at CLUB PICCADILLY UMEDA OSAKA. (Source: Facebook)
Red Bull Music 3StyleのJapanチャンピオンのホルダーであり、大阪のクラブCLUB PICCADILLY UMEDA OSAKA、GHOST ultra lounge、そしてPURE OSAKAでレジデントDJとして活躍するDJ B=BALLが自身のDJ観、キャリア、プロデュースワーク、そして使用機材について語ってくれました。
DJとして「これだけはゆずれないモノ」ってありますか?
DJ B=BALL : ゆずれないモノ(笑)?ゆずれないモノっていうのはあまり無いですけど、ゆずれないモノと言うよりは、自分の中のこだわりとして、いわゆるクラシックだったり、知名度の高い曲をベタに聴かせないっていうこだわりはありますね。でもそれぐらいですかね。

Novel at CLUB PICCADILLY UMEDA OSAKA. (Source: Facebook)
CLUB PICCADILLY UMEDA OSAKAのレジデントDJをされていますが、レジデントDJとゲストDJの違いをどう捉えていますか?
DJ B=BALL : 僕の軸としては、レジデント=ローカルのDJとして、まずはローカルのお客さんに好かれるプレイをするべきだと思ってます。レジデントDJはローカルで愛されていなければならないっていうのが大前提ですね。それと、ゲストDJを迎える時は、自分は前に出過ぎずっていうのが僕の中での美学としてはありますね。勿論、エゴもゼロではないですよ(笑)。でも、そこは100あったら、1くらいでいいんですよ。「うわっ、こんなのもかけるのかー」みたいなのがほんの少しあればいいかなと。ゲストDJがいない日は、思いっきり目立っていくと言うか、120%盛り上げるという気持ちを大事にしていますね。
現場で使う機材面でのこだわりはありますか?rekordbox djを使っていると聞きましたが、新しいソフトウェアを試す基準はどこですか?
DJ B=BALL : そうですね、半年くらい前からrekordbox djを試しに使い始めましたね。使い始めた一番の理由は、やっぱり日本国内メーカーっていう部分ですね。ハード面でミキサーなんかもどのお店でもPioneer DJ製品だし、トラブルの際も日本語で対応してくれるし、電話でサポートも受けられるし。正直、そこが一番大きな理由ですね。以前から使ってたソフトウェアでトラブルが多い時期があって、何か解決策が必要だと思って、rekordbox djを使ってみようと思いました。今現場では、ケースバイケースで両方のソフトウェアを使い分けている感じです。互換性のあるCDJ-2000NXS2に、ミキサーがDJM-900NXS2っていう環境ではrekordbox djを使って、それ以外のセットアップの現場では以前からのソフトを使う感じですね。
ステレオタイプな意見かもしれませんが、rekordbox djを使うDJは割とElectric系のDJが多い印象がありますが、使ってみてどうですか?
DJ B=BALL : まず、さっきも言いましたけど、トラブルが少ないっていう部分が大きいのと、ソフトウェア自体も従来のものと比べて遜色ないと感じてますね。そこにプラスアルファでrekordbox djならではの特色もあるので。もともとrekordbox djに持っていたイメージよりも、自分が今、何を必要としているか?そういう部分で使う機材を決めてますね。確かに僕がDJをやる界隈では、rekordbox djを使っているDJはあまり見たことがないですけど(笑)。半年使ってみて感じてるのは、やっぱり音質が良いっていうところですね。そこに伴う安定感もありますし。この先、USB1本でDJをやらなければいけないような状況が訪れても、rekordbox djを使っていれば、エクスポート機能を介して通常通りCDJでプレイ出来るあたりも便利ですよね。
使い慣れたものから新しいものにスイッチするのは、当然新しい知識を学ぶ必要がありますし、エネルギーを消費するので億劫に感じることはないですか?
DJ B=BALL : なんて言うんですかね、リフレッシュみたいな(笑)。ずっと同じ機材を使い続けて、ずっと同じ事をしていると、飽き性なんで飽きちゃうんですよね。何か違う事をやってみたいなって。そういう時に、違うソフトウェアを使ってみるのは、1つの楽しみでもあるんです。新しい事を覚えるのは全く苦痛ではなくて、むしろ、こんな機能があるんだー!?っていう発見の方が楽しくて。今後、自分が関わるクラブのハード環境さえ整ってくれば、他のDJが従来のソフトウェアを使っていても、同じハードを使ってrekordbox djでDJ出来ますしね。
話が戻っちゃいますけど、rekordbox djを試す前に、まずCDJにハマったっていう経緯もあって、ターンテーブルの針交換が面倒臭いっていうのが発端なんですけど(笑)、バイナル&ターンテーブルを使わずにCDJを使ってDVSでプレイするっていうのが日常になりました。
レコードの時代からDJを始めた人にとって、針とバイナルの部分は残しておきたい部分なのではないですか?
DJ B=BALL : 確かにその感覚も大事なんですけど、使い始めると、意外とCDJで出来る事も一杯あるっていう発見もあって。それと同時に、現場のセットアップもCDJにシフトする流れがあって、あとは当然の話ですが、海外に行けばブースに用意されているのはCDJですし。先の事を考えたら、慣れておきたいってのもありました。使い込んでいくうちにrekordbox djのHIDモードを使ってみたら、以前のソフトウェアの時よりも波形が綺麗に見えたり、キューポイントもCDJ上で操作できて使いやすいし、色んなポイントが重なっていく中で、今後これをベースで使おうっていう1つの結論ですね。
CDJまでを含めると、決して安い投資ではないですよね?
DJ B=BALL : そうですね、本当に投資ですね。でも、機材を買うのって、それを使ってお金を貰うことになるんで、先行して新しい技術にお金をかけることはDJとして当然かなと思ってます。自分にとっても新しい発見があったり、新しいパフォーマンスに繋がることも、経験上理解しているんで。
DJキャリアに対する投資とアップデートに非常に前向きなんですね?
DJ B=BALL : まぁ、新しいものが出たら、気になっちゃうタイプなんで(笑)。「あれどうなんだろう?」って思ったらちょっと触らせてもらって、良いって思ったら買っちゃうパターンが多いですよね。ラップトップを新調するペースも、他の人と比べると少し早いと思います。アップデートは常にしておきたいし、常に万全の体制を整えておきたいですね。
今後の活動に関するアップデートはどのように考えていますか?
DJ B=BALL : 古い言い方になりますけど、プロデューサーDJみたいな呼称があるじゃないですか。僕が今現在やっていることはクラブDJですが、この先を見据えて取り組んでいるのはプロデュースに関することの割合が高くなってきていますね。プロデュース業を成功させるために、正直、今は修行みたいなところなんですけど。将来的に自分名義でプロデューサーとしての楽曲をリリースして、それをヒットさせたいですね。クラブDJという現在用意されている枠の中では出来なかった事をやりたいと思ってます。プロデューサーDJなのに、めっちゃクラブDJもうまく出来るじゃんみたいな。そこに自分をもって行けたらいいかなと。自分のプロデュース曲をかけて、めちゃくちゃ盛り上げる風景をDJブースから見てみたいっていうのはありますよね。順序的に、プロデュースした曲がヒットして、DJの世界に入って行くっていうプロデューサーDJのパターンは今までも結構ありますよね。逆に、クラブDJのキャリアで歩んで来て、がっつりとプロデューサーのキャリアに持って行くってのは、両立がかなり難しいことだと思ってて。あえて僕が狙っているのはそこですね。
Tropkillaz: ブラジルの音楽を世界へ

Tropkillaz at Bar Secreto in São Paulo, Brazil. (Credit: Lau Bacanal)
ここ最近、世界中ではLatinミュージックが流行している中、ブラジル出身のTropkillazはその現状を少し変えようとしています。母国のブラジルのみならず、世界中のOpen Format DJとしてシーンで活躍しているTropkillazはHip-Hop、Dance Music、などをブラジルの音楽とブレンドさせるなどを意識して行っています。
TropkillazはベテランのHip-Hopプロデューサー/ターンテーブリストのZegonと若くて才能のあるLaudzによる世代的にバランスのとれたユニットとなっています。彼らはTrap、Hip-Hop、Dancehallなどのスタイルを取り入れつつ、それをBaile Funkなどのブラジルの音楽と組み合わせています。
2012年にTropkillazはブラジル国内からグローバルにOpen-Format DJのコミュニティで人気を広げ、またDJ Jazzy Jeff、Yellow Clawからもサポートを受けていました。そして彼らのエディットやリミックスなどがDiplo、A-Trak、Z-Trip、TWRKなどの著名DJたちも現場で使用し話題になりました。
ユニットとして活動して5年が経過した彼らは現在Universal Music Groupからデビューアルバムをリリースする予定です。今回は新しい方向性のアルバム制作を予定しており、クラブやフェス向けの楽曲だけではなく、伝統的な楽曲の要素を取り入れた作品なども収録されるとのことです。Latinミュージックが世界的に流行っている中でいいタイミングなのではないでしょうか。
今回DJcityではTropikillazをインタビュー。彼らが先日リリースした”Milk & Honey“公開前に行いました。
ブラジルではそこまでベースミュージックに対して馴染みがないイメージなのですが、どのようにしてそのようなスタイルになったのですか?
Zegon: 自分たちはEDM-Trapが有名になる前からBass Musicを作っていたよ。Hip-Hopのビートを作るときみたいに808のサブやサンプルを使ってインストルメンタルを制作し、ビルドアップやドロップを強化したんだ。ブラジルには大きなドラムとベースのシーンが90年代から2000年代始めにかけて存在し、大御所のDJであるMarky、XRS、Patifyがシーンを率先していたよ。そしてブラジルの伝統的なBali FunkやLatinミュージックの兄弟的な存在であるMiami Booty Bassなども存在するんだ。これはベースミュージックと言えるのか?と思われるけど僕たちはそう思っているよ。
最初多くのDJからサポートを受けていましたが、それはなぜですか?
Zegon: 自分自身DJ/ターンテーブリストのキャリアが長いからね。90年代当時、僕にとってのDJのヒーローやアイドルは皆良い友達なんだ。一緒にブラジルの多くの場所でDJもしたしね、その中にはQ-Bert、Z-Trip、Mix Master Mike、Shortkut、Craze、A-Trak、Jazzy Jeff、Cut Chemist、Nu-Markなど他にもたくさんいるね。何故皆がサポートしてくれたかというと皆が新しいツールやエディットを求めていたタイミングで自分達がクラブ向けのエディットや楽曲を作っていたからなんだ。だから自然と皆が自分達の作品を使ってくれたんだと思う、またRed Bull 3Styleの出場者達からもかなり大きなサポートを受けたね。
今多くのダンスミュージックシーンではCDJを使用するアーティストが多い中何故ターンテーブルを使用しているのですか?
それはすごくシンプルなことだよ(笑)ターンテーブルを使うときの感触が比べ物にならないくらい良いんだ。スクラッチや2枚使いをするときなんて特にね。新しいテクノロジーに頼るつもりは全くないよ。ただし、特にブラジルやヨーロッパの現場では使い物にならないターンテーブルを置いている場所があるんだ、そういう場合はAbelton LiveとAKAIのMPCを使用してパフォーマンスを行うよ。僕らのパフォーマンスは新旧両方を取り入れたものだと思う。
ブラジルの音楽は他のラテンアメリカの音楽とはスタイルが違うのは何故ですか?
ブラジルの音楽には独自のメロディーとハーモニーがあるからなんだ。またリズムの取り方もユニークなんだ。それとブラジルにはポルトガル語を言語とする国が少ないからね、スペイン語の国がほとんどなんだ。もっとAfroミュージックの影響を多く受けていて、JazzとBossa Novaの独自なスタイルも持ち合わせているよ。
数年前からブラジリアンサウンドを楽曲に取り入れていますが、そのルーツは何から影響を受けたものですか?
自分たちはこの方法が唯一の特徴的なサウンドを出す方法だと感じたんだ。他のプロデューサーと同様な音楽を作っていたが、当時あまり誰もHip-Hopをサンプリングしていなかったのでそこの違いはあったと思うよ。数曲をリリースして勢いが増した後にブラジルの音とテクスチュアを取り入れました。
新しいブラジルのアーティストで現在旬で知るべきアーティストはいますか?
Luccas Carlos、Omulu、Heavy Baile、JLZ、またBaile Funkのプロデューサーで言うとDJ RD Da NH、DJ Tezinho、Douglinhas、Henrique de Ferraz、そしてDJ Yuri Martinsだね。
Aloe Blaccと仕事をしたきっかけはなんですか?
Zegon: Aloeの事はStones Throw Recordsが始まった2006年から始まっています。The Do-Overで何度か彼とセットを披露した時に息がピッタリ合ったんだ。けど本題は自分たちがDJ向けの楽曲よりも影響力のある大ヒットソングを作りたかったんだ。Aloeは自分たちのパーソナリティやスタイルを崩さず一緒に曲を作れるパートナーになれると思ったんだ。
他にどのようなアーティストがアルバムに参加していますか?
次のシングルはMajor Lazer、Mc Kevinho、Busy Signalとの作品だよ。まだ名前は言えないけど他にもたくさんのアーティストとコラボしたのでお楽しみに!
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西麻布a-lifeのレジデントDJ/ミュージックプロデューサーDJ Braizeがクラブプロデュースを語る

六本木/西麻布にあるa-lifeにてレジデントDJそしてミュージックプロデュースを担うDJ BraizeがDJcity Japanのインタビューにて、ナイトクラブにおけるミュージックプロデュースをDJとしての観点で語ってくれました。
DJcity : a-lifeのレジデントDJという立場で活動しているけど、実際の立ち位置っていうか、どんな契約で動いているんですか?
DJ Braize : 特にこれといった契約は無いんですけど、DJを含め、音楽的な側面の総括をするポジションですね。音楽の方向性だったり、DJのプレイする時間帯を決めたり。それと、このプロジェクトが始まった当初からチームとして動いていくと決めたんで、基本的には僕の独断で何かを勝手に決めるようなことは無いです。必ずみんなと相談しつつという感じですね。
DJcity : チームにはどんなメンバーがいるんですか?
DJ Braize : 僕と、Seiro、George、Ryohey、あとBrunoですね。
DJcity : 色々と相談をして決めていくという話だったけど、具体的にどんな内容の相談があるの?例えば音楽の話だと、どんな話ですか?
DJ Braize : 立ち上げた当初は、かなり頻繁に意見交換はしていましたね。今後、どんなクラブになっていくのか?他との差別化をしっかり図るために、音楽性の部分でも話し合いましたけど、そこで決めたことを各DJに押し付けるっていうことじゃなくて、そういう考えに至ったプロセスをみんなで共有するというか、「感覚」を共有していく感じですね。「この音楽をかけなければダメ」みたいな、そういうことはDJとして言いたくなかったので、これまでもそういう話をしたことはないですね。
DJcity : 「感覚の共有」というのは、具体的にどんな流れの中で生まれるものなんですか?
DJ Braize : そもそもの話になりますけど、集めたメンバーに関しては、音楽的な部分から、その他の多くの事までを共有出来る人材という判断で集めた前提があるんで、そんなに難しい話をしなくても、肌で感じてくれるというか、いちいち細かい事を確認しなくちゃ上手くいかないようなメンバーじゃないんで。そういう共有していくプロセスは、僕にとって大事な部分なので、人選の段階から考えてましたね。
DJcity : a-life が目指すナイトクラブの方向性とはどんなものですか?
DJ Braize : 大まかに言うと、ラスベガスみたいな、まず自分も含め、ラスベガスとかのナイトクラブがやっているOpenformatが結構好きで、しかも、それが日本のマーケットにもマッチするっていうのはわかっていたんで、ちょっと前まではそういう方向性を体現しているナイトクラブは無かったですし。色々な国の人が遊びに来て、勿論、日本人もいるけど、東京には色んな人が集まっている、お金持ちも、普通の人も、一杯だけ飲みたい人も、ゴチャゴチャにさせたかったっていうのはありますかね。偏らせたくなかったんですよ。日本人だけとか、外国人だけ、お金持ちだけ、そういう偏った色を付けずに、とにかくゴチャゴチャしていて、いつも楽しそうっていうイメージですね。
DJcity : なるほど、ラスベガスのナイトクラブというと、テーブルボトルサービスの料金の部分が話題になりがちで、お金持ちがどれだけ一晩でお金を使っているかという例が挙がることが多いですけど、それだけがラスベガスのナイトクラブの全てではないですからね。観光地なので、本当に色々な人が楽しんでいるのが実情ですからね。
DJ Braize : そうなんですよ。勿論、そういうボトルサービスがメインになるナイトクラブもありますけど、客層をよく見ると、めちゃくちゃ観光客がいるんですよ実際のところ。単純にホテルに泊まっていて、ちょっとだけナイトアウトしようかな?みたいな観光客の人が一杯いるじゃないですか。テーブルの売り上げだけで1000万円以上っていう話も聞いてはいましたけど、僕らみたいな普通の観光客が、3~4杯飲んで、いい感じに酔っ払って、踊って帰るみたいなケースも多いわけで、そういう混沌としたところが面白い部分だと思うんです。1000万円使って遊ぶお客さんと、1万円使って遊ぶお客さんが同じ場所にいるっていうのが、そこに大きな魅力を感じました。だから、偏らせたくなかったんですよ。純粋に楽しみに来ている色んなお客さんに受ける音楽を提供するのが、僕達チームの役割ですよね。
DJcity : a-life がオープンして1年半が経ちましたが、目標に向かって進む中で、これまで一番チャレンジなことは何でしたか?
DJ Braize : まず、単純にスタートした当初はお客さんがいなかったです。どうしても客の入りが良くないと、音楽にも口を出されるっていう(笑)。スタッフにもそれとなく「もっとEDMかけた方がいいんじゃない?」とか、ちょこちょこと言われましたね。それでも救われたのは、スタッフがみんな良い人なんで「絶対に音楽を変えた方がいい」とまで言われることは無かったです。「お客さんがもっとEDMを聴きたいって言ってるよ」とか「ジャンルが全然違う曲を望んでるよ」とか、お客さんの反応に関してはコメントをくれて。でも、今やっていることは必ず上手くいくっていうのはわかっていたんで、そこに関しては譲れないというか、死守しましたね(笑)。あそこで方向転換すると、一瞬お客さんが入るようになっても、長い目で見たときに行き詰まるのがわかっていたんで。僕らがやっていることがマーケットに求められる時期が必ずやってくるっていうのはありました。
DJcity : チーム内で、状況に左右されて、ブレてしまう瞬間は無かったんですか?
DJ Braize : そこに関しては全然ブレなかったですね。完璧に全員が同じ選曲をするわけじゃないですけど、目指している先は一緒だったんで。同じ船を漕いでるんです。それでもみんなに個性はあるわけで、個性まで同一にしちゃおうって言うのは、それは違いますよね。
DJcity : メンバー間でプレイリストについての意見交換はするんですか?
DJ Braize : することはありますけど、僕が結構こだわっているのは、その人の個性を大切にしたいっていうのがありますね。DJって、どこか自分の心地良い感覚、好きな方向性に揃えて近づけたがるものだと思うんですよ。でも、僕は人と自分が違う事を大切にしたいんで。勿論、自分の中では「これはあんまりカッコ良くないな」とか、そういう感覚はありますけど「カッコ良くない」って思えることも大事なんで。これに関しては自分で音楽を作るようになってから考えるようになったんですけど、全部を揃えて一緒にしちゃうと、最終的に平坦なものになっちゃうんですよね。それこそ一番つまらない状態ですよね。それに、客観性を持って見ることも大事で、否定する考えが自分の中にあっても、まずはそれを聞き入れてみる。そこから何かを理解する。音楽を作るようになって、そういう物事の考え方がようやくわかって、それは、個性の大切さだったり、自分と違う事を理解するっていうことですよね。それをDJでも実行していきたいっていうのがありますね。
DJcity : オープンから1年半が経過して、毎週、長蛇の列が出来るナイトクラブになった現在ですが、今後も状況は変わっていくのだと思いますが、ここから先の展開はどういうことを考えていますか?
DJ Braize : 1つ言えるのは、僕らがBillboardチャートをいじることは出来ないんで、それはつまり、お客さんが聴きたい曲を変えることは難しいということですよね。「これがいいから、これを聴け!」っていうスタイルは難しいと思うんですよ。欧米の外国人はBillboardチャートにランクインしている曲を聴いている人もいるし、アジア圏のお客さんはEDMをメインに聴いている人もいる。それらの好みを変えることは難しい。だから、音楽の部分は、現状のスタイルからそこまで変えることはせず、エンターテインメントの部分を切り替えていくことに集中したいなと。本当はもっと早い段階でそこに着手したかったんですけどね。今ようやく、そこの部分を考えています。
DJcity : エンターテインメント?
DJ Braize : 今までやってきたことは、音楽があって、お酒があって、ホスピタリティーがある。それらの質を強化していくのは当たり前のことなんですけど、ここ5年、10年先は、そこに対してのアプローチにもうひと工夫が必要だと。単にダンサーを入れるとか、そういう話でも「ダンサーをどんな感じで入れるの?」という具合に、もっと細かい部分に入っていく。CO2のガスもそうですよね。一昔前には存在しないものですし、特効(特殊効果)なんて無かったですし。10年以上前に海外に行った時に、シャンパンボトルに花火を付けていたのが衝撃で。今だとそんなのどこのクラブでも当たり前の風景ですけど、当時、日本のナイトクラブはどこもそんな装飾はしていなかったと思いますね。僕はそういう細かい部分のエンターテインメントを強く推奨していて、やっぱり盛り上がってる風に見えたりとか、エンターテインメントの一部として、見え方も大事なことだと思います。音楽とお酒があって、ちょっとナイトクラブに遊びに来た人にはそれで充分なのかもしれないですが、視覚的にも何かを与えたいなって。それがLEDだったり、色んなパターンがあるとは思いますが、今あるものよりも、もうちょっと、幅が広い視野で考えてみるのもいいなと思ってます。
DJcity : 音楽的な総括を超えて、新しいことに動き始めている感じですね。
DJ Braize : いや、やりたいんですけど、実際は、こういうアイデアって、なかなか受け入れられてない状態です。でも、そこもしっかりやることが出来れば、かなり良いクラブになるっていう自信がありますね。
DJcity : a-lifeの今後の展望を教えて下さい。
DJ Braize : 欧米やアジア圏の人々に、東京のa-lifeをもっと知ってもらうという目標もありますけど、それ以上に日本の中でもっと知ってもらいたいと思います。お客さんが入っている状況ですけど、毎週僕が見ていると、狭いマーケットの中で、決まった人達が遊びに来ている印象もあって。例えば、a-lifeを知っている人が1万人いるとしたら、1万人の中でグルグル回っている。今はこれでいいんですけど、長い目で見ると、後々厳しいことになってくると思うので、単純にもっと沢山の人に知ってもらいたいっていうのがあります。Instagramのフォロワーも少ないですし、それって現状に対する結果だと思うんですよ。フォロワー少ないけど、お客さん入ってるし、いいじゃんっていう声もありますけど、さっきも言った、狭いマーケットの中で、皆さんに来てもらってる状態なんで、もっと広がっていく必要はあると思いますね。ナイトクラブとしてのクオリティを評価されて、今のお客さんに利用してもらっていることは紛れもない事実ですけど、それでも、もっと多くの人に知ってもらうことは重要だと思うので。
DJcity : 確かに多くの人に知れ渡ることは、ポジティブなことだと思いますけど、でも意地悪な意見になっちゃうけど、メジャーになると、それまでのフォロワーを失う可能性もあるっていうのは、どう思いますか?
DJ Braize : 全然それでもいいと思っています。批判はどんな時もあると思うんで。逆に批判を怖がっていると、前には進まないんで。幸いな事に、これまで沢山の人の支持を取り込めたけど、この中から1人も帰したくない。そういう心境は理解しますけど「1人も帰したくない」は難しい話ですよね。醤油ラーメンの味に評価があるラーメン屋で、人気の醤油ラーメンの味を変えないっていうのに似ていて、人気の本質は変えずに、話題になるにつれ、より多くのお客さんに来てもらって、100人中、2人にとって辞められない美味しさなるのであれば、その1/50を溜め込んでいく感覚ですよね。
DJcity : なるほど、次のステージに到達するための犠牲は必要ということですね。実際に日本国内での知名度を確かなものにする施策というのは何か考えていますか?
DJ Braize : 単純にソーシャルネットワークが大切だと思ってます。そこに対するアプローチの方法は色々あって。ゲストDJを呼んだり、外に対して見える部分ですよね。写真1つにもこだわって、より多くの人の目を引くようなことをソーシャルネットワークで展開していかないとダメだと思ってます。僕の周りでも、a-lifeで今どんな音楽がかかっているのかを知らない人だっていますし。良い意味でも悪い意味でも、ソーシャルネットワークに頼りっきりの時代なので、僕らのやっていることを伝えるのにも、画面で見るフライヤーでしか伝えられない。地方もそうですし、海外に対してもそうですし、今のa-lifeで何のジャンルの音楽がかかっているのか、業界の人から一般のお客さんまで、上手く伝わってない部分はあると思うんです。例えば、ラッパーを呼んだらHip Hopがかかる。それだけでわかりますよね?ラッパー呼んでるのにEDMのパーティーってありえないじゃないですか。なので、一発で「このジャンルで、こういうパーティーをやっているな」っていうのが伝わる、どんなゲストを呼ぶかっていうところですね。

DJcity : 確かに私達はa-lifeに行っているんで、どんな音楽で、どんなクラウドなのか理解しているけど、行った事がない人々にとっては、全く想像出来ないですね。
DJ Braize : 初めてニューヨークに行った時が、正にそんな感じでしたね。フライヤーを見ても、どんなパーティーか全くわからなくて。でも、最近はCalvin HarrisがDJとしてクレジットされているフライヤーがあれば、それだけでどんなパーティーかわかるじゃないですか。その情報で「これは遊びに行こう」「逆に、別なクラブに行こう」っていう判断が生まれると思うんで。
DJcity : でも、今言ったような、DJやラッパーというアーティスト主体のイメージ付けをすると、日ごとの特別なジャンルのイベントとしての印象が強く残ってしまうよね?
DJ Braize : それに関しては、ある一定のラインを設けたいと思ってます。「ラッパーも入るし、Diploも入る」っていうような絶妙な感じを作り出せれば、バランスが取れてきますし、バランス感覚の良さがa-lifeのイメージとして看板になってくると思うんです。これもラスベガスに行ったときに感じたんですけど、Hip Hopを聴く人も、EDMを聴く人も、Billboardに入ってくる曲は、どちらも聴いているんですよね。ある程度流行っている曲だったら、誰でも知ってるんですよ。そもそも、至る所でジャンルの話をするのは日本人だけですよね。極論ですけど、僕ら「Mr.ChildrenはRockだよね」とか言ったりしないじゃないですか。そんな話が会話の中で出てこないですし。バランスは重要ですけど、ジャンルのイメージに関しては、僕はあまり気にしないですね。
DJcity : とは言っても、パーティーの設計図と、店舗の売上という、採算っていう部分の調整は付いてまわりますよね。
DJ Braize : そうですね、ナイトクラブ業界の難しいところは、目に見えない部分への投資をどう捉えるかっていう所ですよね。例えば外国人アーティストをブッキングしようとなった時に、必ず言われる一言目は「採算は取れるのか?」っていうところですよね。「200万円の経費をかけてゲストを呼んで、その晩の売上にプラス200万円以上を見込めるのか?」っていう考え方があって、こればっかりは蓋を開けてみないとわからないですし、厳しい面もあると思います。でも、その日の売上に跳ね返ってこなくても、その日、初めてa-lifeを知ったお客さんは普段より多いでしょうし、普段から来ているお客さんも、特別なゲストが来る日のパーティーには友人を誘ったりもするでしょうし、その際にソーシャルメディアが情報共有のツールになりますし。多くの人がソーシャルメディアでa-lifeを話題にすることで、フォロワーも増えて、a-lifeの発信力も強くなっていきますし。すぐ目には見えてこない効果ですけど、長いスパンでは支えになって来るものだと思います。とは言っても、なかなか汲み取ってはもらえない意見ですけどね。
DJcity : それは「業界あるある」ですね。数字とプロモーションという天秤。
DJ Braize : そうなんですけど、でも海外ではこういうビジネスのやり方って、もう既に確立されてるじゃないですか。
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