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DJ OUTLOWがCDJを駆使したパフォーマンス動画をDJcityTVにて公開


今回のDJcityTVは、イタリアを拠点に活動するDJ OUTLOWの登場です。CDJの様々な機能を駆使してダブステップの曲を巧みに操っています。

<ルーティン解説>

先ずはエレクトロサウンドのアーティストLiquid Strangerの”Hotbox(PEEKABOO remix)”から始まります。よく見るとミキサーPioneer DJM-750 Mk2中央部サウンドカラーFXのツマミ(銀色のやつ)を10時くらいに設定、CDJ-2000nxsのスリップモードはオンにした状態でスタートしていますね。さて、いきなり曲のエナジーポイント(一番盛り上がる所)からPlay。CDJのスタート/ストップボタンをタイミングよく押して音に変化をつけています。

CDJのスリップモードがオンになっているのでリズムは崩れません。同時にミキサー内蔵エフェクトDUB ECHOとFILTERのボタンもタイミングよく押して抑揚をつけています。動画0:15〜のところではCDJのNEEDLE SEARCH(タッチスライドバー)でRollをかけつつピッチスライダーも使って高低音を同時に出しています。続いて「It’s Party Time」のドロップ後に曲をストップさせます。この時既にCDJの上部VINYL SPEED ADJUSTのTOUCH/BREAKの設定は一番緩くしてあるので曲が徐々に停止していきます。曲が完全に停止する直前にもう片方のCDJでYojas “YBN”を再生します。ドラム音単体をCDJのHOT CUEで鳴らしていきます。素早くもう片方のCDJにも同曲をロードし、左右でドラム音をループさせ段々とテンポを手動であげていきます。同時にミキサー内蔵エフェクトのREVERBも徐々に強くかけていきます。動画01:00〜からはHOT CUEボタンとバックスピンを組み合わせてジャグリング。途中から楽曲オリジナルの早さに戻しCDJのリバーススイッチも使いながら4小節ジャグリング、ラストはリバースさせながらストップボタンを押して終了。

トラックリスト:

1. Liquid Stranger – Hotbox – PEEKABOO Remix
2. Yojas – YBN

いかがでしたでしょうか。CDJやミキサーの機能を複数同時に使うスキルは目を見張るものがありますね。私の感覚値ですが、CDJってスクラッチはターンテーブルとほぼ同じくらいの感覚で出来るけど、ビートジャグリングになると途端に簡単な事しかできない印象です。ですが今回のOUTLOWさんのルーティン動画を見るとCDJだからこそ可能なビートジャグリングがあることに気づかされます。因にMIX等の録音物はCDJで作業しています。なぜなら録音された波形が綺麗なので編集もし易いし音が安定(ノイズが少ない)しています。それぞれの機材の良さを見出だして使い分けていけたら良いですね。

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関連: 最年少DMC世界王者DJ RENAがスキルフルなルーティン動画をDJcityTVにて公開

Bedroom Sessions : DJ Sparkbox


今回のDJcityTV Bedroom Sessionsはアメリカ・サウスカロライナ州のDJ/プロデューサーDJ Sparkboxの登場です。オリジナリティ溢れる選曲で独特な世界観のルーティンを披露してくれています。

<ルーティン解説>

イントロはドラムンベースの代表的なアーティストであるNetskyAloe Blaccをフューチャリングに迎えた2019年リリースの”snitch(Instrumental)”からスタート。そこに2007年リリースのBirdman (ft. Lil Wayne) “Pop Bottles”のアカペラフレーズを「Poppin Champaign」→「 So I Scratch」の順に乗せていき定番フレーズ「Ahhh」で擦ります。次にフレーズ「Poppin Champaign」と2019年リリースのToryBoi”Papi Chulo”冒頭のフレーズ「Pa, Pa, Pa, Pa,」 を2枚使いで交互に聞かせます。

動画01:03〜「Papi Chulo」のフレーズ後はミキサーPioneerDJ M-S9のキューボタンを使って”Pop Bottles”のフレーズ「Pop」を小刻みに2小節乗せていき、次はスクラッチで同様の音を出し2小節。(おそらくワードプレイ的な事なのでしょう)その後は再び”Pop Bottles”のコーラスを乗せつつ”Papi Chulo”の冒頭「Pa, Pa, Pa, Pa」をループさせます。その上にSoulelyの”Act Right”を挿入。近年のガールズ・ラップの中心的存在City Girlsの2018年リリース”Act Up”のアカペラをスクラッチを織り交ぜながら短めにブレンドした後、”Act Right”のコーラス部分にさしかかった所でオーストラリア・シドニーのDJ・プロデューサーXNYWOLFの”XANDHI PT.Ⅱ”をMIXしていきます。”Act Right”のフレーズ「DJ」で簡単に擦り完全に曲をスイッチ。

次にBeatnutsの2004年リリース曲”Hot”のコーラス「This shit is so damn hot, hot」のアカペラを乗せます。途中で”XANDHI PT.Ⅱ”をミキサー内蔵エフェクトのReverbをかけてカットアウトしアカペラだけにします。ラストはYoung Thugの2019年ヒットチューン”Hot”を挿入し「Hot」のワードプレイでフィニッシュ。

Tracklist:

1. Netsky & Aloe Blacc – Snitch – Instrumental
2. Birdman ft. Lil Wayne – Pop Bottles – Acapella
3. Troyboi – Papi Chulo
4. Soulely – Act Right
5. XNYWOLF – XANDI PT. II
6. Nelly vs. DJ Katch & BrainDead – Hot In Herre – Deville Moombah Bootleg
7. Young Thug ft. Gunna & Travis Scott – Hot Remix

いかがでしたでしょうか。紫色の室内も相俟って独特な雰囲気からスタートしたのが良かったですね。こういったライティングや空間の雰囲気は動画撮影するうえでの参考にしたいところです。

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関連: Bedroom Sessions : DJ D.o.G

最年少DMC世界王者DJ RENAがスキルフルなルーティン動画をDJcityTVにて公開

その歴史は古く世界的に最も権威のあるDJバトル”DMC World DJ Championship“において12歳の若さで史上最年少優勝を果たした日本ターンテーブリスト界の至宝DJ RENAが新旧Hip Hopを織り交ぜたスキルフルなルーティンをDJcityTVにて公開。

現在15歳の彼は2018年にKame World Classic優勝。そして2019 IDA World Show CategoryにてK-Swizzとのタッグチーム、Superbeast DJsとして準優勝と素晴らしい経歴の持ち主です。

トラックリスト:

1. The Black Eyed Peas ft. Nas- BACK 2 HIPHOP
2. Nas – Nas Is Like
3. Kanye West – All Of The Lights
4. Shy FX – Carnival Culture
5. Dead Prez – Hip Hop
6. House Of Pain – Jump Around
7. RUN DMC – It’s Tricky

〈ルーティン解説〉
イントロはBlack Eyed PeasがフューチャリングにNasを迎えた2018年リリースの“Back 2 Hip Hop”を頭から流します。ドラムスが入ってきた所でジャグリング開始。最初のキックを1拍の短さまでループさせた後、2番目と3番目のスネアを軸にした崩しの展開。次にクロスフェーダーをオープンにしたまま半拍ずらしの状態を作り、背中を使ったボディートリックでフェーダーをスイッチしていきます。ミキサーTRAKTOR CONTORL Z2のフィルターノブで音を絞っていきキューボタンを使って再度イントロ部分へジャンプ。(動画00:53秒のところで縦フェーダーを両手で摘むよう細かく上げ下げして音を切っている技、意外と簡単なのでオススメ!) さて、次の展開はブレイクダウン。曲を進めながらの高度なブレイクダウンをいとも簡単にメイクしていますね。ラストは「Bring It Back」のフレーズをドロップしてブレイクダウン終了。続いてフレーズ「It’s a Resur-Re-Reaction Bring It Back」のアカペラに合わせたフィンガードラミング を2小節。次にNas繋がりで90’s HipHopの名曲“Nas Is Like”をドロップしつつ「It’s a Resur-Re-Reaction Bring It Back」のフレーズで3小節スクラッチしたところで“Nas Is Like”のサビに突入します。キューボタンでフレーズ「Before my number’s called, history’s made」にジャンプしてエコーアウト、これでルーティン第1部が終了。

ルーティン第2部は、2010年グラミー賞ベスト・ラップ・ソング部門にもノミネートされたKanye Westの名曲「All Of The Lights」のメロディーからスタート。その上にSHY FXの“Carnival Culture”のメロディーをスクラッチとフィルターを交えながら乗せていきます。ドラムスのフィルイン終わり(動画02:17秒〜) で”Carnival Culture”の印象的なメロディーフレーズでガッツリ擦ります。ターンテーブルのストップボタンを使いながら間を空けて擦るあたり、流石です。次にループ機能とフィルターを使って”Carnival Culture”の音でフィルインを作りながらフェードアウト。続いて、もう片方のターンテーブルでベース音を鳴らしていきます。ベース音はフィルターで遊びつつ、たまに”Carnival Culutre”の音を差込むところがお洒落。動画02:54秒のところでターンテーブルの電源をOFFにしDead Prezの2000年リリースの名曲”Hip Hop“から名フレーズ「It’s Bigger Than Hip Hop, Hip Hop…」をアカペラで挿入。と同時にベース音で”Hip Hop”のベースラインを再現します。まさに”ターンテーブル・リミックス”と言えるでしょう。

さて、ルーティンも第3部(動画03:38秒〜)にきました。いわずと知れた往年のパーティーアンセムHouse Of Painの“Jump Around”からスタート。(DJcityレコードプールではHouse Of PainをはじめTommy Boy Recordsの楽曲も取扱っているので是非チェックしてみて下さい!!) 誰もが1度は聞いたことがあるであろう有名なホーンのイントロから入り期待感を煽ります。先ずは同曲のフレーズ「Jump Up, Jump Up and Get Down」のアカペラでスクラッチ。ここはビートをクロスフェーダーで上手く消しつつ、縦フェーダーを巧みに使ってフォワードスクラッチを高速でメイク。8小節スクラッチし終わると一旦サビのコーラス部分にジャンプします。次は「Jump Up, Jump Up Get Down」のフレーズで高速ビートジャグリング。ターンテーブルを33回転から45回転にし「Jump」のフレーズを徐々に増やしていきます。最後はバックスピンをしつつサンプラーの効果音を鳴らしてこのパートは終了。ポイントとしては最後サンプラーで爆発音を鳴らした時のRENAのアクションです。DJブースに隠れるように一瞬しゃがんでいますね。こうする事でより派手なステージパフォーマンスに見えるので効果的です。(これはDJ松永が得意とするアクションでもあります) これでルーティン第3部が終了。

いよいよ最後の第4部。ここまでで既に内容盛り沢山ですが最後までお付き合い下さい。第4部はオールドスクールHipHopの代名詞的アーティストRUN-DMCの1986年リリース曲“It’s Tricky”から始まります。歌い出しからの「Here We Go」をキッカケにスクラッチ。最初のスクラッチネタ終わりにHIJACK “Airwave“のメロディーを一瞬流しているんですが、ターンテーブリストやターンテーブリズム好きだったら反応して欲しいです。2003年にリリースされたドキュメンタリー作品「SCRATCH」の本編は勿論トレイラー映像でも使われた名曲です。さて、ルーティン解説に戻ります。スクラッチを終えると再び曲の歌い出しに戻り今度は「It’s Tricky is the title」で高速ジャグリング。さながらDJ AKAKABE “King Kut ルーティン”のようです。次に「Here We Go」のフレーズをボディトリックで繰り返し、最後はサビのコーラスを聞かせて終了!

いかがでしたでしょうか? 今回のルーティンは大きく4つのパートに分けて説明しましたが、どのパートにも隙間無く技術が盛り込まれていて個人的にはお腹いっぱいです。ある程度のレベルのテクニックが身に付いてくると、音楽性を重視してあえて簡単にこなす部分やテクニックを出し惜しみするケースも出てきますがRENAの場合はその次元が高いです。そしてまだ15歳という若さ。今後のさらなる活躍も大いに期待されます。

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関連: DJ RENAがRANEの機材を使ったルーティン

DJ SEBYが様々な機材でスクラッチをする”Multiscratch”動画をDJcityTVにて公開


今回のDJcityTVは、イタリアのシチリア島で活躍するターンテーブリストDJ SEBYの登場です。
様々な機材のセットアップで卓越したスクラッチを披露してくれています。

< ルーティン解説 >

「ルーティン解説」と言いつつも機材の紹介になりそうな今回の動画。

最初に登場するのはNumark DJX × Rane TTM56の組み合わせ。2004年に発売されたNumark DJXはCDとMP3等の音楽ファイルを12inchのターンテーブルで操作が可能。その年はTechnicsもターテンテーブル仕様のCDJ”SL-DZ1200“を発売した年で、それまでターンテーブル一辺倒だったHipHop DJがCDJを意識しだした時期です。見た目も昨今話題になっているアーム不要のターンテーブル式コントローラー(PhaseRane Twelve)を予見していたかのようなデザインですね。DJミキサーはRane TTM56というデジタルミキサーでSERATOでお馴染みのRane社が2004年に発売したデジタルミキサーです。特徴としては内蔵エフェクターが装備されているのと、縦フェーダーの距離が短いのでバトルDJ向けのミキサーと言えるでしょう。フーレズ「What’s that cool」を使ったスクラッチの切れ味を見てもそれが伺えます。

次に登場するのはReloop Spin × Vestax PMC-07Pro ISP Modelです。Reloop Spinは2018年に発売されたポータブルターンテーブルで携帯端末やPC機器とのBluetooth接続が可能となっており、ビートとスクラッチ音を同時に内蔵スピーカーから鳴らせるようになりました。また、USBメモリースティックを直挿ししてLINE録音も可能になったので周囲の音を気にする事無く綺麗に録音が出来ます。DJミキサーは2014年に倒産したVestax社が製造したバトルDJ用のミキサーで、SEBYが使っている機種はスクラッチの神様といわれるDJ Q-BERT率いるターンテーブリスト集団Invisible Skratch Piklz(ISP)のシグネチャーモデルです。パネル左中央部に見えるヘッドシェルを模した虫のようなマークがISPのロゴです。とっくに廃番している機種なのでマニアの間では欲しい一品かもしれません。定番フレーズ「Ahhh」を使ったフェーダーの切れ味も抜群です。クロスフェーダー付近の塗装が剥げているのも練習量の証なので当時はヤスリで擦ったりして塗装を剥がしていました(笑)。

3番目のセットアップは、Vestax PDX-2000mk2 Pro × DENON DN-1500S。ターンテーブルは20004年発売のVestax PDX-2000mk2 Proはトーンアームがストレートになっているのが特徴。これは針飛びのしにくい構造(A.S.T.S)として施されておりハードなスクラッチや2枚使いに対応した設計。また通常のピッチコントローラー(可変幅±10)に加えウルトラピッチフェーダーというものがついており、その可変幅は驚愕の±50。おそらく楽曲制作時のソウルなどの早回しサンプリング(Kanye WestのThroug The Fireとか)等で役立ったはずです。 DJミキサーの方は2006年発売のDENON DN-1500Sで調べた所によるとかなりの優れもの。内蔵エフェクターにサンプリング機能、USB出力などなど当時のデジタルミキサーで考えると機能が盛り沢山です。スクラッチの切れ味をみても全く問題無さそうです。

4番目に登場するのはNative Instruments TRAKTOR Kontrol S4。見ての通りオールインワンタイプのDJコントローラーで、DVSソフトのTRAKTOR専用機種になります。発売された2010年といえばSERATOやTRAKTOR等のDVSソフトを使うDJが増え始めた年ですね。同時にこの手のコントローラーも各メーカーから色々リリースされていました。持ち運びが可能なので家と同じセットでDJできるというメリットがあり、DJ人口増加の後押しになったのではないかと思います。スクラッチに関して言えばジョグホイールのタッチ面積が狭いぶん難しそうですね。クロスフェーダーはキレキレなので問題無さそうです。

5番目はTechnics SL-1200 mk3 × Vestax PMC-07Pro ISP Model。いよいよターンテーブルの本命が登場。日本が生んだ名器ともいえるSL-1200は、1979年に現在もクラブ等で使われているSL-1200シリーズの原型とされるモデルSL-1200 Mk2が発売されて以降、世界中のDJに愛され続けカルチャーの発展を共に歩んできました。個人的には未だにTechnics SL-1200を超える安心感と操作性を持つターンテーブルは存在しない気がします。私も15年以上使っていますが1度も壊れた事が無く今日も元気に回転しています。その歴史を紹介したドキュメンタリー映像 「世界を変えた日本の音楽テクノロジー」が昨年RedBull Musicから公開されているので是非チェックしてみて下さい。

ラストはPioneer CDJ-2000 × DENON DN-1500S。Technicsがターンテーブルの本命なら、CDJの本命はPioneerDJといえるでしょう。そもそも「CDJ」という言葉はPioneerDJの製品名ですが、一般ではDJ用CDプレーヤー全般をCDJと呼んでいますよね。それぐらい世界中で使われている機種なのです。多才な機能と高い操作性を備えているのでDJ YAMATO並みに使いこなせばそれだけでオリジナリティのあるDJ Playが可能だと思います。

いかがでしたでしょうか。ポータブルタンテ、CDJ、コントローラー、それぞれの機材に合ったスクラッチの技があると思うので、それを見極めて安定したスキルを見せてくれたDJ SEBYに拍手です。また、これを機にメーカーや機材の歴史に触れてみると面白いかもしれません。日本の機材メーカーが世界の音楽シーンの発展に大きく貢献した事実を知る事になると思います。

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関連: Beast ModeがDJcity本社にてバトルルーティンをサプライズ披露

DJ CRAZEがRaneの新しいミキサーSEVENTYを使ったルーティン動画を公開


DMC World Championshipsにて前人未到の世界王者3連覇を成し遂げ、現在地球上で最もカリスマ性と技術を兼ね備えたターンテーブリストDJ CRAZEがRaneの新しいミキサー”Rane SEVENTY“を使ったルーティン動画を公開しました。ナイトクラブではありがちなリクエスタを皮肉った内容からスタートしています。

<ルーティン解説>

ルーティン本編は動画01:00〜から。先ずはTygaとDrakeの“Still Got It”のフレーズ、「You want that feeling back?」 から始まります。そこにサンプラーボタンで自らの名前を差込み「You want CRAZE back」にしてスタート。続いてYBN Cordae 2019年のアルバム「The Lost Boy」からAnderson. Paakを迎えた曲”RNP“を、「all y’all ain’t got nothin’ on me」のフレーズからカットインし、ドラム部分だけで4小節のビートジャグリングをします。ポイントとしては動画01:32秒のところで一瞬45回転にした音を1音だけ足しているところがオシャレ。再び「all y’all ain’t got nothin’ on me」のフレーズに戻るんだけど、その時にもフェーダーを使わない高度なテアースクラッチを使って次の展開へ。

(※テアースクラッチについてはコチラの動画で解説!)

次はミキサーのパッド(モードはHOT QUE)にアサインしてあるベース音 + ドラムス + フレーズ を叩いて手動ライブリミックス。ここのポイントはそれぞれの音にフィルター、スクラッチ、縦フェーダー等を使って変化をつけている点と、このパートの最後に入るボディトリックもさりげなくてクールです。8小節終わると”Strapped Ready For War“をドロップしてブレイクタイム。ちなみに同サンプルはバトルブレイクス(DJバトル用に作られた音源集レコード)にも使用されていて、有名どころだとDJ ie.merge がI.T.F 2002 World Finalでスクラッチルーティンに使っています。

さて・・・後半に突入!

ターンテーブルを45回転にした状態からスタートし片方のチャンネルだけでフィンガードラム。左手を顎に当てワンハンドでプレイしている事をアピールしています。そして途中からもう片方のチャンネルのパッド(モードはサンプラー)を使って音を増やしていきます。8小節演奏したところで序盤から使ってきた「all y’all ain’t got nothin’ on me」のフレーズも加え、クロスフェーダーも使いながらビートジャグリングの要素を取り入れた展開になっていきます。驚くべき点は、これだけスクラッチやフィンガードラム、ボディトリックを同時にこなしつつリズムキープが完璧なのです。全てのトリックの基本とも言えるリズムキープ。それをこの次元で保てるところに世界最高峰のターンテーブリストの所以を感じます。

ラストパートはベース音にミキサー内蔵エフェクトのPhaserをかけて、その上にフィンガードラムを被せていきます。(ドラム音にもたまにReverbをかけていますね!)最後は今回のルーティンのキーフレーズ「all y’all ain’t got nothin’ on me」をドロップして終了!

いかがでしたでしょうか。ミキサーの凄さよりCRAZEの凄さに感服する動画でした。というのも今回発売されたRane SEVENTYは既存のRane SEVENTY-TWOの後継機という位置づけ。液晶モニターが縮小しボタンの数もスッキリした模様。強みとしてはSEVENTY-TWOに引き続き左右のチャンネルのパッドモードを別々にコントロールできる点でしょうか。あとはやはり値段が気になります。このところ20万円超えのDJミキサーが当たり前になってきている中、SEVENTYだけはお手軽な値段で販売してくれる事に期待しましょう!

関連: R.O.A.D Podcast: Spyda T.E.Kが出演、Crazeとの新しいユニット、Mete Manoについて語る

Bedroom Sessions : DJ D.o.G


今回のDJcityTV Bedroom Sessionsは2019年11月にDJcity podcast mixをドロップしたばかりのDJ D.o.Gが登場。ヨーロッパはアイルランド出身の彼がオリジナリティ溢れる選曲と音楽性の高いトリックを盛り込んだ6分間を披露してくれています。Karma DJ Competition、Travel 2 Ultra DJ Competitionでの優勝経験もあり自身のYoutubeチャンネルでも「Transition Tuesday」というシリーズを公開しています。

<ルーティン解説>

ルーティンはLil Dicky ft. Snoop Dogg “Professional Rapper”の一節から始まります。「You Can Call Me Dogg」の「Dogg」→「D.o.G」なので名前の紹介ですね。既存の楽曲から自らの名前を引っ張ってくるあたりに”DJらしさ”を感じます。ここでいきなり余談。98年DMC US FinalにてDJ Dummyが既存のレコード(楽曲)を使って他の出場者全員を名指しでディスった伝説があります。やはりDJたるものDigってナンボと感心した思い出。さてルーティン解説に戻ります。イントロの続き「Let me just elaborate」→「詳しく説明させてくれ」的なニュアンスでしょうか。「elaborate」をループさせながらフェードアウトさせると同時にPlanet Reach “You”をド頭から挿入します。”You”のボーカルが入ってきた所でLogic “Everybody Dies”と掛け合わせているのですが・・・私はここでリズムが取れなくなり一瞬迷子になってしまいました(トーンプレイなのかな多分・・・)。”Everybody Dies”のコーラス部分が始まり、フレーズ「Runnin」をQUEボタンでタイミングよく連打しながらターンテーブルの電源をOFFにしてスローダウンさせます。次にRun The Jewelsの”Close Your Eyes”をフレーズ「F#ck the slow mo」からカットインで挿入。この後の「Run them, Run them」というコーラスに繋がるワードプレイになります。ここのポイントとしてはseratoのキーロック機能をOFFにしておくことでターンテーブルの回転が遅くなるにつれ音程も低くなります。よってフレーズ「Runnin」のスローダウンがより効果的に表現出来ます。(動画01:11〜)

続きまして、“Close Your Eyes”のフレーズ「How You Like My Stylin Bruh?」にさしかかった所でWhat So Notの“Be Ok Again”を挿入しつつスクラッチを開始。メロディのタイミングに合わせてスクラッチしているのでグルーヴ感があっていいですね!このパートの最後はフレーズ「Up Like」の音程をPitch PlayモードであげていきWhat So Notのメロディにスイッチしています。ポイントはメロディにスイッチした時にドラムが抜けている事です。スクラッチは基本的に音数を増やす行為なので、そのスクラッチを止めた時にいっきに音数が減ると展開に抑揚が生まれ見ている側を飽きさせません。

“Be Ok Again”のコーラスまで聞き終えたらミキサー内蔵エフェクトのEchoをかけつつ、レコードを勢い良く逆回転させるバックスピンで次の展開へ。ここでLinkin Parkの“Cure For The Itch”をぶっ込み「Alright now, wasn’t that fun ?」「Let’s try something else」と次の展開を期待させる美味しいフレーズが流れます。(←俺も使おう!) 次に2枚使いをするのですが、ここはリズムキープを崩さないように自分の技術の出来る範囲内に留めています。

2枚使い終了後はThundercatの“Fridenzone”を綺麗にMIXしていき「You can come or you can go」のフレーズとDaryl Hall & John Oatesの80’sを代表する名曲、“I Can’t Go For That”のフレーズ「I Can’t Go For That」を掛け合わせてワードプレイミックス。ポイントとしてはThundercat側に軽くミキサー内蔵エフェクトのReverbをかけ低音(Low)のトリムも少し下げて2曲の音の質感を合わせています。こういった細かい気遣いの連続がいいグルーヴを生むと思うのです。最後は昨年惜しくも亡くなったMac Millerの“Dang!”を挿入しつつ“I Can’t Go For That”のコーラス後の「Ahhh〜」をHot Queでループさせながらクロスフェーダーでリズム良く切り、Filterで音を絞っていきクリーンに繋いでフィニッシュ!

トラックリスト:

1. Lil Dicky ft. Snoop Dogg – Professional Rapper
2. Planet Reach – You (Could Be)
3. Busta Rhymes – Bounce To The Beat People Hands Up – Acapella
4. Logic – Everybody Dies
5. Run The Jewels – Close Your Eyes – D.o.G Cutdown Beat-A-Pella
6. What So Not ft. Daniel Johns – Be Ok Again
7. Linkin Park – Cure For The Itch
8. Linkin Park – KYUR4 TH ICH//Chairman Hahn
9. Thundercat – Friend Zone
10. Daryl Hall & John Oates – I Can’t Go For That (No Can Do) – Pomo Remix
11. Mac Miller ft. Anderson .Paak – Dang!

いかがでしたでしょうか。ちょいちょい見せるカメラ目線と彼の部屋の綺麗さを納得させる丁寧なトリックミックス。そして渋い選曲のうえに保たれるグルーヴ感。普段の彼のDJ Playや他のMIXも聞いてみたいなぁと思わせてくれるセットでした。もしかすると部屋を綺麗にすればモチベーションが高まるのかもしれませんね。皆さんも年末の大掃除は是非DJブースまわりをしっかり掃除してみましょう。

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“Bedroom Sessions”でルーティンを公開しませんか?”brs@djcity.com“に動画をお送りください。

関連: Bedroom Sessions: DJ LeNERD

DEFRAが新旧ヒップホップを使ったトリックミックスルーティンをDJcityTVにて公開


ドイツはミュンヘン出身のDJ兼プロデューサー DEFRAが新旧織り交ぜたHIPHOPルーティンをDJcityTVにて公開しました。インスタグラムでハッシュタグ #ToneplayTuesday を検索するとしばしば登場する彼。ドイツのR&Bシンガー Mark Leano とコラボレートした曲 “Lit “も好評です。

<ルーティン解説>

イントロは1曲目のタイトルでもある”DIP Raar”の「DIP」と自らの名前「DEFRA」のフレーズを簡単なスクラッチで聞かせます。言い方を変えると、フレーズを正確に聞かせたいから簡単なスクラッチにしています(←ここがポイント)。8小節スクラッチし終えると曲がメロディーのみになります。予め設定しておいたHOT QUEとDJミキサー Pioneer DJM-S9の[PARAMETER]ボタンにアサインしておいたキーシフティング機能ボタンを同時に押してメロディーの最初の1音のキーを下げていきます。(動画0:24秒〜)

続いてDJ Mustardの楽曲ではお馴染みのドロップ「Mustard on the beat, ho!」をきっかけに2019年のヒット曲 ” Go Loko “のメロディーをトーンプレイで再現します。ここは欲を言えばリズムキープした状態でドロップを入れてほしかった。トーンプレイも予め使う音をEDITでセパレートしてあるので難易度は低め。8小節トーンプレイすると曲のサビに突入します。そこからカットインで同曲の「Hey mamachita, hey mamachita, hey」に飛ばして4カウントのループを仕掛けつつ、Public Announcement”Mamachita”をMIXしていき”Mamachita”の歌いだしで曲を完全にスイッチ。ここのワードプレイはとても分かりやすいですね。

次の展開は「ワードプレイ × ネタ繋ぎ」的なトリックMIXになります。まずPublic Announcememt “Mamachita”の歌詞の歌いだしを見てみましょう→「Mamachita, Where You At ? Been Trying To Reach Ya〜」となっています。これに対しTyga “Mamachita”の歌詞の歌いだしは→「Mamachita, Where You At ? I’v been Tryna Reach Ya〜」となっています。つまりサビの部分は歌詞をほぼそのまま引用しているのです。このパターンって実は結構あるので気になった歌詞があれば Whosampled とかで検索してみて下さい。なので動画1:31秒のところからは2曲の歌いだしをタイミングよく合わせて、あとは縦フェーダーで片方を出したり隠したりしていますね。ラストパートはサンタナのギターパートの上にギター単音をスクラッチ×ピッチプレイ機能を駆使して被せていきます。DJミキサー内蔵エフェクトのエコーもかかっているのでメロディアスに聞こえてかっこよいですね!しかし最後はやはりサンタナにギターを任せてフィニッシュ。

トラックリスト:

1. Diplo ft. Bizzey & Ramiks – Dip Raar – Instrumental
2. Freak Nasty – Da’ Dip – Acapella
3. YG ft. Tyga & Jon Z – Go Loko
4. Public Announcement – Mamacita
5. Tyga, YG, & Santana – MAMACITA With E-Guitar Tool

いかがでしたでしょうか。全体的に見やすくて聞きやすかったのですが・・・1点だけ残念だったのは彼がEDITしているであろう音源が割れてしまっていた事。PC画面に映るSeratoの波形を見ても分かりますが、書き出した音源の音量がかなり大きそうです。ルーティン撮影時の録音設定でミスっている可能性もありますがDJなら特に注意したい部分ですね。音が小さいぶんには後の編集で大きくできるけど割れた音はどんなに小さくしても割れたままなので、まだ前者の方が助かります。皆さんも録音時には音が割れていないか確認することをオススメします。

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関連: DJ Tipsy HanがトリッキーなショートルーティンをDJcityTVにて公開

Beast ModeがDJcity本社にてバトルルーティンをサプライズ披露


DMCGoldei Awards3styleなど数々のDJバトルでワールドファイナリストになっているオーストラリアの怪物Beast Mode。先日出場したGoldie Awardsの帰りにロサンゼルスにあるDJcityの本部をサプライズ訪問した際の映像が届きました。Keys N Krates “Dum Dee Dum”を45回転で使ったバトルルーティンを披露しています。

<ルーティン解説>

ルーティンはオフィスの扉を明けるところから始まっております。というのも登場してからビートジャグリングに入るまでがとてもスムーズで、ターンテーブルも回りっぱなしのHOT QUEも押していない状態でいきなりガシガシ2枚使いをしていますね。きっと扉をあけるタイミングや歩くスピードも計算したのでしょう。そんな冒頭シーンから前半はDMC仕込みの複雑なビートジャグリングをしています。彼はDJ SAMRAI名義でDMC World FInal 2001 にも出場しておりターンテーブリストとしてのスキルはバッチリ備えております。0:36秒のところでロール機能 を使ってジャグリングを一段落させているのですが、PioneerDJのDJM-S9に搭載されているPARAMETERボタンにロール機能をアサインしているものと思われます。

そこからはフィンガードラムに突入。0:45秒のところは複数のパッドの上で指を滑らせ連打音を出していますね!ラストパートはパッドを叩きながらビートジャグリングをした後HOT CUEでコーラス部分にジャンプしてフィニッシュ。このパッド+ジャグリングの組み合わせは今のDJバトルシーンにおいては定番となりつつある新しいスタイルです。その昔DMC SummitにてDJ CRAZEPioneer DJM-909を使ったパフォーマンスで世界を驚愕させたのが2006年。昨今ではデジタルミキサーなど当たり前だしDJもテクノロジーとともに対応と進化をしていますが、センスよくデジタルミキサーの機能を使いこなしているDJは果たしてどれだけいるのでしょうか。皆さんも自分の持っている機材やソフトウェアと改めて向き合う時間を作ってみると新たな発見があるかも!?

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関連: Red Bull 3Styleワールドファイナリスト: Beast Mode

Bedroom Sessions: DJ LeNERD

DJcityTVのBedroom Sessions、今回はDJcityシンガポールのメンバーDJ LeNERDが登場です。彼は、DJ MagのTOP10ナイトクラブに毎年ランクインしているシンガポールのZoukにてレジデントを務めておりWukiParty Favorのオープニングアクトも務めた実績の持ち主。

<ルーティン解説>

先ず気になったのはイントロ、Ed Sheeranのアルバム「No.6 Collaborations Project」からBruno MarsChris Stapletonを迎えた人気曲“BLOW”のドラムブレイク部分で擦っているスクラッチネタが“Gag Ball Breaks”だという点。“Gag Ball Breaks”といえばスクラッチ界の巨匠D-Styles監修のもと90年代後半にリリースされたバトルブレイクス(ターンテーブリスト、バトルDJ向けのビートやスクラッチネタが多数収録されたレコード)で、当時は世界中のDJバトルで重宝された名盤なのです。そんな懐かしいネタから始まり”BLOW”のドラムブレイク+HOT CUEで軽く遊んだ後、これまた定番の繋ぎになりそうな“BLOW”のフレーズ「Pull My Trigger Let Me Blow Your Mind」から2001年HipHop名曲 Eve “Let Me Blow Ya Mind”にワードプレイMIX。

次にEveの歌いだし「Shake Your Asses」をループさせSean Paul & J Balvinの“Contra La Pared”をイントロドラム部分から乗せていきます。4小節聞いたらフーレズ「Shake Your Asses」を1単語ずつHOT QUEでレゲトンビートに合わせて叩くこと4小節”Contra La Pared”のサビに突入します。ここは“Contra La Pared”がオリジナルヴァージョンではなくHook Firstヴァージョンなのでスムーズな展開が可能に。“Contra La Pared”の笛の音色で1993年チャカ・デマスのヒット曲”Murder She Wrote”のメロディーをTone Playで再現してMIXしつつ、1990年の名曲“Tom’s Dinner”のイントロアカペラ部分をブレンド。

今度は“Tom’s Dinner”のアカペラ部分で2018年のメガヒット曲“Taki Taki”をTone Playで再現します。“Taki Taki”に2拍のループをしかけながら“Wild Thoughts”を使いドラムスクラッチ。前半の“Let Me Blow Ya Mind” 〜 “Contra La Pared”の流れはHOT QUEボタンを使ってヒップホップからレゲトンビートに移行しましたが、今度はドラムスクラッチを使ってレゲトンからヒップホップビートに戻していますね。この手作業はトランジションやEDITを作ったり使えばリスクも無く音も綺麗なのでアリかナシかの意見が別れそうな部分です。ラストは“Wild Thoughts”を2枚使いと見せかけて、ピッチプレイ機能 を盛り込んだ高度なトーンプレイ!何とか“Coco Jumbo”のコーラス部分を再現しているのですが・・・正確性と伝わり易さを考えると個人的には「ナシ」です。この部分こそ上手くEDITでメイクして欲しかった。でもアイデアは面白いですね。

トラックリスト:

1. Ed Sheeran, Chris Stapleton & Bruno Mars – BLOW
2. Eve ft. Gwen Stefani – Let Me Blow Ya Mind
3. Sean Paul & J Balvin – Contra La Pared
4. Chaka Demus & Pliers – Murder She Wrote
5. DNA ft. Suzanne Vega – Tom’s Diner
6. DJ Snake ft. Selena Gomez, Cardi B, & Ozuna – Taki Taki
7. DJ Khaled ft. Rihanna & Bryson Tiller – Wild Thoughts
8. Mr. President – Coco Jambo

いかがでしたでしょうか。
先にも述べた通りスクラッチや二枚使い、HOT CUEを押すなどの「手作業」とそれを簡略化する「EDIT」のバランスについて考えさせられるルーティンだったと思います。どの手法が一番リスク無くかっこ良く見せられるのか、逆にリスクをともなってもチャレンジしてメイクする事が一番かっこいいのか、皆さんも一度考えてみるといいかもしれません。

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“Bedroom Sessions”でルーティンを公開しませんか?”brs@djcity.com“に動画をお送りください。

関連: Bedroom Sessions: DJ SPYK

Reed StreetsがオープンフォーマットのマッシュアップルーティンをDJcityTVにて公開


フィラデルフィアを拠点に活動するDJ Reed Streetsがアカペラを多用したメガミックスルーティン動画をDJcityTVにて公開しました。彼はアイスホッケーチームPhiladelphia FlyersのオフィシャルDJ/ミュージックディレクターを務めており、オルタナティブ・ロックのラジオ局、Radio 104.5のミキサーも担当しています。2015年にはRed Bull 3StyleのUSファイナリストとなっています。

〈ルーティン解説〉
Slushii “Dreaming of You”のメロディーラインからスタート。そこにYoung MoneyがLloydを迎えた2009年のクラブアンセム“Bedrock”のフックアカペラをブレンドしつつDJミキサー S9のパッド(モードはSampler)にアサインしてあるスネアをフィンガードラミング。(※フィンガードラミングについては最近すっかりファンになっているJblackHow To Videoをどうぞ!) 

“Dreaming of You”のエナジーポイントにさしかかったタイミングでLloydのフレーズ「Ooh Baby」を軽めにスクラッチ。立続けにフィラデルフィアのハードコアラッパーGrillie Da Kidの“Ged Down on da Ground”のアカペラをS9のパッドとスクラッチを駆使しながら差込みます。トラックが“Party Favor”に切り替わったタイミングで2001年のヒット曲 Jimmy Eat World “The Middle”のアカペラを乗せていきます。ここは流石ロックのラジオ局で務めているだけありますね。ちなみにこの曲はTaylor Swiftが中学生の頃にヘビロテしていたらしく、自らのライブでもJimmy Eat Worldをゲストに招き一緒に熱唱するほどお気に入りの1曲らしい。

さて、解説に戻ります。

Jay-Z「Turn my music high」「I will not lose」Trillville「Neva Eva」などHipHopの有名フレーズをアカペラで乗せていき「Turn me up!!」のドロップでBPMが上がります。この辺りは全てEDITされているのでピッチコントローラーは一切触っていませんね。Travis Scott、“STARGAZING”のコーラスを流しつつBig Freedia、“Rent”のアタック音を4小節ブレンド。次に左右両方のHOT QUEを同時に押して2017年ヒット曲N.E.R.D “Lemon”のフレーズ「Bouncin’ around」と2018年リリースのCity Girls “Act Up“のインストをブレンドした後、サンプラーで本人、Reed Streetsのシャウトをドロップ。ラストパートはフィラデルフィアを代表するラッパー Freewayのヒット曲”Flip Side“からフレーズ「Clap for me mami, OH!」をスクラッチを交えながら乗せていき、定番スクラッチフレーズ「Ahhh」で擦りたおしてフィニッシュ。アウトロは自身がオシャレにリミックスした”Summer Madness”。

トラックリスト:

1. Young Money ft. Lloyd vs. Slushii – Bedrock – Reed Streets Bootleg
2. Gillie Da Kid – Get Down On The Ground – Acapella
3. Jimmy Eat World vs. Party Favor – The Middle – Reed Streets bootleg
4. Trillville ft. Lil Scrappy and Lil Jon – Neva Eva – Acapella
5. Travis Scott vs. Big Freedia – Stargazing – Reed Streets Bootleg
6. N.E.R.D & Rihanna – Lemon – Acapella
7. Kool & The Gang – Summer Madness – Reed Streets Remix

いかがでしたでしょうか。過去に解説してきた動画と比べると技術的に特筆することは無いのですが、1つ言えるのは構成力が凄いです。約3分のセットで一体何曲のアカペラとインストを使ったんだろう・・・そして随所に感じるフィリー愛。地元フィラデルフィアのアーティストを大切にしていることが伝わるルーティンでしたね。皆さんも地元をレペゼンしたり自己紹介的なルーティンがあると便利かもしれません。俺も地元である埼玉のアーティスト縛りでセット考えてみようかな…

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関連: DJ Tipsy HanがトリッキーなショートルーティンをDJcityTVにて公開

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