Routine

DSTRUKTの”This One Is For Dilla”ルーティン

DJ/プロデューサーのDSTRUKTSeratoスタジオにてショートミックスを撮影し公開しました。今回のミックスは生前までサンプリングを中心とした作品で活躍したプロデューサーのJ.Dillaを追悼した内容となっています。

タイトルにも使われているドーナッツの絵文字はJ. Dillaが最後にリリースしたアルバム、Donutsから来ています。Pichforkはこのアルバムを「Hip-Hopの作品で初めてポストモダンなアートである。」とコメントしてます。

ミックスのダウンロードはこちらから。

関連: ビデオ: DSTRUKTがSeratoの新しいハロウィン用のコントロールバイナルを使用したルーティンを披露

DEFRAがキャッチーなトーンプレイ動画をDJcityTVにて披露


ドイツはミュンヘン出身のDJ兼プロデューサー DEFRAが新旧のキャッチーな選曲で構成されたトーンプレイ動画をDJcityTVにて公開しました。インスタグラムでハッシュタグ #ToneplayTuesday を検索するとしばしば登場する彼。ドイツのR&Bシンガー Mark Leano とコラボレートした曲 “Lit “も好評です。

< ルーティン解説 >

イントロはDJであれば押さえておきたいリベラーチェの名台詞「And now for my next number, I’d like to return to the classics…」からスタート。次にMark Ronson ft. Bruno Marsの2014年ワールドヒット曲”Uptown Funk”のフレーズ「Don’t believe me, Just watch」をシンプルに2枚使いしてからホットキューボタンで曲のイントロ部分に飛びます。片側のチャンネルのみでイントロのコーラスを6小節ループさせた後Justin Timberlake「Drums」のドロップをきっかけにもう片方のチャンネルでMicael Jacksonの1983年ワールドヒット曲”Billie Jean”のドラムを挿入し、”Uptown Funk”のコーラス部分で”Billie Jean”のベースラインをトーンプレイで再現。

続いてビバリーヒルズコップのテーマ曲でも知られるHarold Faltermeyerの”Axel F”のメロディー部分で”Billie Jean”のメロディーラインを再現。ここはPioneer DJM-S9の[PARAMETER]ボタンにアサインしておいたSeratoキーシフティング機能を上手く使って正確に弾きなおしていますね。4小節トーンプレイした後は”Alex F”のメロディーをそのまま流し、同時に”Billie Jean”のキックとスネアをキューボタンを使ってフィンガードラミング。ポイントとしてはスクラッチも織り交ぜている点と先程も使用した「Drums」のフレーズを差込んでいるのもグッドです。

さて、仕上げのパートに突入です。再度”Alex F”のメロディーをそのまま流しS9のパッドを徐々にゆっくり叩いて手動トランジション。DJ KOOL「Hit me with the horn」のフレーズをきっかけにドラムスを挿入しつつ、2003年のクラブヒッツDMX “Get It On The Floor”のメロディーラインをトーンプレイで再現。メロディーの数が多いので相当練習したと思われます。ラストは「Let’s Get It On」のドロップからフックを挿入してドヤ顔でフィニッシュ。

トラックリスト:

1. Mark Ronson ft. Bruno Mars – Uptown Funk
2. Michael Jackson – Billie Jean
3. Harold Faltermeyer – Axel F
4. DMX ft. Swizz Beatz – Get It On The Floor

いかがでしたでしょうか。「これくらいだったら自分にも出来そうだ!」と思う方も多いかもしれません。確かに技術的にはそんなに高いテクニックを必要としているルーティンではありません。何が凄いかというとアイデアです。あくまで推測ですがDEFRAは日々トーンプレイを思いついてはトライして〜という事を繰り返しているんだと思います。やはり形にするという事は大事なんだと思います。形にしようともがく中で”気づき”もあるし、人に見てもらいたいという願望も生まれます。皆さんも「思い立ったらすぐ行動」という言葉があるように積極的にトライしてみては!?

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関連: DEFRAが新旧ヒップホップを使ったトリックミックスルーティンをDJcityTVにて公開

DJ Fuzeによる今月の“20-Year-View”(February 2000 & February 2020)

ロサンゼルスのラジオ局、REAL 92.3でミキサーを務めるDJ FuzeBeatsourceの企画である20-Year-Viewにて新たなルーティンを公開しました。2000年2月、2020年2月に流行した楽曲を交互に織り交ぜた内容となっています。

トラックリスト:

Drake & Future – Life Is Good
blink-182 – All The Small Things – Acapella
Missy Elliot – Hot Boyz
Arizona Zervas – ROXANNE
Blaque ft. *NSYNC – Bring It All To Me – Acapella
2Pac – Baby Don’t Cry

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関連: DJ Fuzeによる今月の“20-Year-View”(January 2000 & January 2020)

ビデオ: DJ Deltaが‘20 Minutes With DJ Delta’にてHouse Mixを公開

イタリアを拠点に活動するターンテーブリストのDJ Delta20 Minutes With DJ Deltaの新エピソードを公開しました。今回はHouseを中心に構成されたミックスを公開しています。

今回のエピソードではスクラッチ、トーンプレイ、ジャグリングやリミックスなどを行なっています。また、セットの時間が普段よりも倍となっており、その理由は「Houseは長い時間をかけてミックスを行うことでグルーブ感がより増していくため。」と本人がコメントしています。

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関連: ミックスショーシリーズ, ‘20 Minutes With DJ Delta’新エピソード

DJ OUTLOWがCDJを駆使したパフォーマンス動画をDJcityTVにて公開


今回のDJcityTVは、イタリアを拠点に活動するDJ OUTLOWの登場です。CDJの様々な機能を駆使してダブステップの曲を巧みに操っています。

<ルーティン解説>

先ずはエレクトロサウンドのアーティストLiquid Strangerの”Hotbox(PEEKABOO remix)”から始まります。よく見るとミキサーPioneer DJM-750 Mk2中央部サウンドカラーFXのツマミ(銀色のやつ)を10時くらいに設定、CDJ-2000nxsのスリップモードはオンにした状態でスタートしていますね。さて、いきなり曲のエナジーポイント(一番盛り上がる所)からPlay。CDJのスタート/ストップボタンをタイミングよく押して音に変化をつけています。

CDJのスリップモードがオンになっているのでリズムは崩れません。同時にミキサー内蔵エフェクトDUB ECHOとFILTERのボタンもタイミングよく押して抑揚をつけています。動画0:15〜のところではCDJのNEEDLE SEARCH(タッチスライドバー)でRollをかけつつピッチスライダーも使って高低音を同時に出しています。続いて「It’s Party Time」のドロップ後に曲をストップさせます。この時既にCDJの上部VINYL SPEED ADJUSTのTOUCH/BREAKの設定は一番緩くしてあるので曲が徐々に停止していきます。曲が完全に停止する直前にもう片方のCDJでYojas “YBN”を再生します。ドラム音単体をCDJのHOT CUEで鳴らしていきます。素早くもう片方のCDJにも同曲をロードし、左右でドラム音をループさせ段々とテンポを手動であげていきます。同時にミキサー内蔵エフェクトのREVERBも徐々に強くかけていきます。動画01:00〜からはHOT CUEボタンとバックスピンを組み合わせてジャグリング。途中から楽曲オリジナルの早さに戻しCDJのリバーススイッチも使いながら4小節ジャグリング、ラストはリバースさせながらストップボタンを押して終了。

トラックリスト:

1. Liquid Stranger – Hotbox – PEEKABOO Remix
2. Yojas – YBN

いかがでしたでしょうか。CDJやミキサーの機能を複数同時に使うスキルは目を見張るものがありますね。私の感覚値ですが、CDJってスクラッチはターンテーブルとほぼ同じくらいの感覚で出来るけど、ビートジャグリングになると途端に簡単な事しかできない印象です。ですが今回のOUTLOWさんのルーティン動画を見るとCDJだからこそ可能なビートジャグリングがあることに気づかされます。因にMIX等の録音物はCDJで作業しています。なぜなら録音された波形が綺麗なので編集もし易いし音が安定(ノイズが少ない)しています。それぞれの機材の良さを見出だして使い分けていけたら良いですね。

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関連: 最年少DMC世界王者DJ RENAがスキルフルなルーティン動画をDJcityTVにて公開

Bedroom Sessions : DJ Sparkbox


今回のDJcityTV Bedroom Sessionsはアメリカ・サウスカロライナ州のDJ/プロデューサーDJ Sparkboxの登場です。オリジナリティ溢れる選曲で独特な世界観のルーティンを披露してくれています。

<ルーティン解説>

イントロはドラムンベースの代表的なアーティストであるNetskyAloe Blaccをフューチャリングに迎えた2019年リリースの”snitch(Instrumental)”からスタート。そこに2007年リリースのBirdman (ft. Lil Wayne) “Pop Bottles”のアカペラフレーズを「Poppin Champaign」→「 So I Scratch」の順に乗せていき定番フレーズ「Ahhh」で擦ります。次にフレーズ「Poppin Champaign」と2019年リリースのToryBoi”Papi Chulo”冒頭のフレーズ「Pa, Pa, Pa, Pa,」 を2枚使いで交互に聞かせます。

動画01:03〜「Papi Chulo」のフレーズ後はミキサーPioneerDJ M-S9のキューボタンを使って”Pop Bottles”のフレーズ「Pop」を小刻みに2小節乗せていき、次はスクラッチで同様の音を出し2小節。(おそらくワードプレイ的な事なのでしょう)その後は再び”Pop Bottles”のコーラスを乗せつつ”Papi Chulo”の冒頭「Pa, Pa, Pa, Pa」をループさせます。その上にSoulelyの”Act Right”を挿入。近年のガールズ・ラップの中心的存在City Girlsの2018年リリース”Act Up”のアカペラをスクラッチを織り交ぜながら短めにブレンドした後、”Act Right”のコーラス部分にさしかかった所でオーストラリア・シドニーのDJ・プロデューサーXNYWOLFの”XANDHI PT.Ⅱ”をMIXしていきます。”Act Right”のフレーズ「DJ」で簡単に擦り完全に曲をスイッチ。

次にBeatnutsの2004年リリース曲”Hot”のコーラス「This shit is so damn hot, hot」のアカペラを乗せます。途中で”XANDHI PT.Ⅱ”をミキサー内蔵エフェクトのReverbをかけてカットアウトしアカペラだけにします。ラストはYoung Thugの2019年ヒットチューン”Hot”を挿入し「Hot」のワードプレイでフィニッシュ。

Tracklist:

1. Netsky & Aloe Blacc – Snitch – Instrumental
2. Birdman ft. Lil Wayne – Pop Bottles – Acapella
3. Troyboi – Papi Chulo
4. Soulely – Act Right
5. XNYWOLF – XANDI PT. II
6. Nelly vs. DJ Katch & BrainDead – Hot In Herre – Deville Moombah Bootleg
7. Young Thug ft. Gunna & Travis Scott – Hot Remix

いかがでしたでしょうか。紫色の室内も相俟って独特な雰囲気からスタートしたのが良かったですね。こういったライティングや空間の雰囲気は動画撮影するうえでの参考にしたいところです。

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関連: Bedroom Sessions : DJ D.o.G

Jon1stとShieldがターンテーブリズムとプロダクションを組み合わせたライブパフォーマンスをADE 2019で行う

イギリスを拠点に活動するターンテーブリストのJon1stShieldAmsterdam Dance Event(通称:ADE) 2019にてライブパフォーマンスを行いました。この映像はPioneerDJDJsoundsシリーズで公開されています。

2人のショーケースはオリジナル楽曲を使ったショーケースを行い、ライブでビートを演奏しながらターンタブリズムの要素も取り入れています。ターンテーブル、ドラムマシン、サンプラー、シーケンサーなどのさまざまな機器を使用している様子を見ることができます。

関連: Jon1stがドキュメンタリー”Inside Turntablists”に出演

ビデオ: ミックスショーシリーズ, ‘20 Minutes With DJ Delta’新エピソード

イタリアを拠点に活動しているターンテーブリストのDJ Deltaが自身のミックスショーシリーズである、20 Minutes With DJ Deltaの新しいエピソードを公開しました。2016年のRed Bull Music 3Styleでイタリア王者の彼は20分の間にスクラッチ、トーンプレイ、ジャグリングなど様々なテクニックを披露しています。

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ビデオ: ミックスショーシリーズ, ‘20 Minutes With DJ Delta’

DJ SEBYが様々な機材でスクラッチをする”Multiscratch”動画をDJcityTVにて公開


今回のDJcityTVは、イタリアのシチリア島で活躍するターンテーブリストDJ SEBYの登場です。
様々な機材のセットアップで卓越したスクラッチを披露してくれています。

< ルーティン解説 >

「ルーティン解説」と言いつつも機材の紹介になりそうな今回の動画。

最初に登場するのはNumark DJX × Rane TTM56の組み合わせ。2004年に発売されたNumark DJXはCDとMP3等の音楽ファイルを12inchのターンテーブルで操作が可能。その年はTechnicsもターテンテーブル仕様のCDJ”SL-DZ1200“を発売した年で、それまでターンテーブル一辺倒だったHipHop DJがCDJを意識しだした時期です。見た目も昨今話題になっているアーム不要のターンテーブル式コントローラー(PhaseRane Twelve)を予見していたかのようなデザインですね。DJミキサーはRane TTM56というデジタルミキサーでSERATOでお馴染みのRane社が2004年に発売したデジタルミキサーです。特徴としては内蔵エフェクターが装備されているのと、縦フェーダーの距離が短いのでバトルDJ向けのミキサーと言えるでしょう。フーレズ「What’s that cool」を使ったスクラッチの切れ味を見てもそれが伺えます。

次に登場するのはReloop Spin × Vestax PMC-07Pro ISP Modelです。Reloop Spinは2018年に発売されたポータブルターンテーブルで携帯端末やPC機器とのBluetooth接続が可能となっており、ビートとスクラッチ音を同時に内蔵スピーカーから鳴らせるようになりました。また、USBメモリースティックを直挿ししてLINE録音も可能になったので周囲の音を気にする事無く綺麗に録音が出来ます。DJミキサーは2014年に倒産したVestax社が製造したバトルDJ用のミキサーで、SEBYが使っている機種はスクラッチの神様といわれるDJ Q-BERT率いるターンテーブリスト集団Invisible Skratch Piklz(ISP)のシグネチャーモデルです。パネル左中央部に見えるヘッドシェルを模した虫のようなマークがISPのロゴです。とっくに廃番している機種なのでマニアの間では欲しい一品かもしれません。定番フレーズ「Ahhh」を使ったフェーダーの切れ味も抜群です。クロスフェーダー付近の塗装が剥げているのも練習量の証なので当時はヤスリで擦ったりして塗装を剥がしていました(笑)。

3番目のセットアップは、Vestax PDX-2000mk2 Pro × DENON DN-1500S。ターンテーブルは20004年発売のVestax PDX-2000mk2 Proはトーンアームがストレートになっているのが特徴。これは針飛びのしにくい構造(A.S.T.S)として施されておりハードなスクラッチや2枚使いに対応した設計。また通常のピッチコントローラー(可変幅±10)に加えウルトラピッチフェーダーというものがついており、その可変幅は驚愕の±50。おそらく楽曲制作時のソウルなどの早回しサンプリング(Kanye WestのThroug The Fireとか)等で役立ったはずです。 DJミキサーの方は2006年発売のDENON DN-1500Sで調べた所によるとかなりの優れもの。内蔵エフェクターにサンプリング機能、USB出力などなど当時のデジタルミキサーで考えると機能が盛り沢山です。スクラッチの切れ味をみても全く問題無さそうです。

4番目に登場するのはNative Instruments TRAKTOR Kontrol S4。見ての通りオールインワンタイプのDJコントローラーで、DVSソフトのTRAKTOR専用機種になります。発売された2010年といえばSERATOやTRAKTOR等のDVSソフトを使うDJが増え始めた年ですね。同時にこの手のコントローラーも各メーカーから色々リリースされていました。持ち運びが可能なので家と同じセットでDJできるというメリットがあり、DJ人口増加の後押しになったのではないかと思います。スクラッチに関して言えばジョグホイールのタッチ面積が狭いぶん難しそうですね。クロスフェーダーはキレキレなので問題無さそうです。

5番目はTechnics SL-1200 mk3 × Vestax PMC-07Pro ISP Model。いよいよターンテーブルの本命が登場。日本が生んだ名器ともいえるSL-1200は、1979年に現在もクラブ等で使われているSL-1200シリーズの原型とされるモデルSL-1200 Mk2が発売されて以降、世界中のDJに愛され続けカルチャーの発展を共に歩んできました。個人的には未だにTechnics SL-1200を超える安心感と操作性を持つターンテーブルは存在しない気がします。私も15年以上使っていますが1度も壊れた事が無く今日も元気に回転しています。その歴史を紹介したドキュメンタリー映像 「世界を変えた日本の音楽テクノロジー」が昨年RedBull Musicから公開されているので是非チェックしてみて下さい。

ラストはPioneer CDJ-2000 × DENON DN-1500S。Technicsがターンテーブルの本命なら、CDJの本命はPioneerDJといえるでしょう。そもそも「CDJ」という言葉はPioneerDJの製品名ですが、一般ではDJ用CDプレーヤー全般をCDJと呼んでいますよね。それぐらい世界中で使われている機種なのです。多才な機能と高い操作性を備えているのでDJ YAMATO並みに使いこなせばそれだけでオリジナリティのあるDJ Playが可能だと思います。

いかがでしたでしょうか。ポータブルタンテ、CDJ、コントローラー、それぞれの機材に合ったスクラッチの技があると思うので、それを見極めて安定したスキルを見せてくれたDJ SEBYに拍手です。また、これを機にメーカーや機材の歴史に触れてみると面白いかもしれません。日本の機材メーカーが世界の音楽シーンの発展に大きく貢献した事実を知る事になると思います。

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関連: Beast ModeがDJcity本社にてバトルルーティンをサプライズ披露

DJ CRAZEがRaneの新しいミキサーSEVENTYを使ったルーティン動画を公開


DMC World Championshipsにて前人未到の世界王者3連覇を成し遂げ、現在地球上で最もカリスマ性と技術を兼ね備えたターンテーブリストDJ CRAZEがRaneの新しいミキサー”Rane SEVENTY“を使ったルーティン動画を公開しました。ナイトクラブではありがちなリクエスタを皮肉った内容からスタートしています。

<ルーティン解説>

ルーティン本編は動画01:00〜から。先ずはTygaとDrakeの“Still Got It”のフレーズ、「You want that feeling back?」 から始まります。そこにサンプラーボタンで自らの名前を差込み「You want CRAZE back」にしてスタート。続いてYBN Cordae 2019年のアルバム「The Lost Boy」からAnderson. Paakを迎えた曲”RNP“を、「all y’all ain’t got nothin’ on me」のフレーズからカットインし、ドラム部分だけで4小節のビートジャグリングをします。ポイントとしては動画01:32秒のところで一瞬45回転にした音を1音だけ足しているところがオシャレ。再び「all y’all ain’t got nothin’ on me」のフレーズに戻るんだけど、その時にもフェーダーを使わない高度なテアースクラッチを使って次の展開へ。

(※テアースクラッチについてはコチラの動画で解説!)

次はミキサーのパッド(モードはHOT QUE)にアサインしてあるベース音 + ドラムス + フレーズ を叩いて手動ライブリミックス。ここのポイントはそれぞれの音にフィルター、スクラッチ、縦フェーダー等を使って変化をつけている点と、このパートの最後に入るボディトリックもさりげなくてクールです。8小節終わると”Strapped Ready For War“をドロップしてブレイクタイム。ちなみに同サンプルはバトルブレイクス(DJバトル用に作られた音源集レコード)にも使用されていて、有名どころだとDJ ie.merge がI.T.F 2002 World Finalでスクラッチルーティンに使っています。

さて・・・後半に突入!

ターンテーブルを45回転にした状態からスタートし片方のチャンネルだけでフィンガードラム。左手を顎に当てワンハンドでプレイしている事をアピールしています。そして途中からもう片方のチャンネルのパッド(モードはサンプラー)を使って音を増やしていきます。8小節演奏したところで序盤から使ってきた「all y’all ain’t got nothin’ on me」のフレーズも加え、クロスフェーダーも使いながらビートジャグリングの要素を取り入れた展開になっていきます。驚くべき点は、これだけスクラッチやフィンガードラム、ボディトリックを同時にこなしつつリズムキープが完璧なのです。全てのトリックの基本とも言えるリズムキープ。それをこの次元で保てるところに世界最高峰のターンテーブリストの所以を感じます。

ラストパートはベース音にミキサー内蔵エフェクトのPhaserをかけて、その上にフィンガードラムを被せていきます。(ドラム音にもたまにReverbをかけていますね!)最後は今回のルーティンのキーフレーズ「all y’all ain’t got nothin’ on me」をドロップして終了!

いかがでしたでしょうか。ミキサーの凄さよりCRAZEの凄さに感服する動画でした。というのも今回発売されたRane SEVENTYは既存のRane SEVENTY-TWOの後継機という位置づけ。液晶モニターが縮小しボタンの数もスッキリした模様。強みとしてはSEVENTY-TWOに引き続き左右のチャンネルのパッドモードを別々にコントロールできる点でしょうか。あとはやはり値段が気になります。このところ20万円超えのDJミキサーが当たり前になってきている中、SEVENTYだけはお手軽な値段で販売してくれる事に期待しましょう!

関連: R.O.A.D Podcast: Spyda T.E.Kが出演、Crazeとの新しいユニット、Mete Manoについて語る

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