ターンテーブリズム

Bedroom Sessions : Tiosan

今回のDJcityTV Bedroom Sessionsはインドネシアからお届け。ジャカルタを拠点に活動するTIOSANの登場です。RedBull 3Style X インドネシアでは3位の実力を持つ26歳のTIOSAN。インドネシアのDJカルチャーが世界基準であることを証明するべくBedroom Sessionsにエントリー。映像ではDJミキサーS9のパッドを巧みに使ったクリエイティブな4分間を披露してくれています。

< ルーティン解説 >
なんとも妖艶なメロディの1曲目は、ニューヨークを拠点に活動している生音を基調にジャンルレスな楽曲をリリースしているToo Many Zoozの”Havana Banana”というナンバー。この曲のベースラインをs9のパッドで弾き直して2017年の世界的ヒットソングCamila Cbello 「Havana」を再現。この曲はサビに入る直前「ナナナナ〜」という分かりやすいドロップがあり、当時この箇所でよくワードプレイミックスをしていた思い出があります。

さて次は「Say Hoo」のフレーズで軽く擦りつつまたしてもToo Many Zoozの曲「Get Busy」をドロップ。本家Sean Paul “Get Busy”のアカペラを軽く乗せたあとにLady Bee 「Bring The Trumpets」のトランペットのフレーズをパッドで叩いております。この時、パッドはユーザーモードでHot CueとKey Shiftを同時に使用していますね。(ユーザーモードについてはこちらの18ページを参照)
続いてHipHopティーチャーKRS-ONEの声ネタ「Pick It Up Back」を挟みつつ、2010年にクラブヒットした「Outta Your Mind」をミックスしていきます。エディットした「I don’t give a fuck」のアカペラフレーズからサビまでの流れを左右2曲流しながらバランス良くメイク。次の繋ぎは世界中の多くのDJがやってきたであろうテッパンの繋ぎ”Outta Your Mind”「I don’t give a fuck」のフレーズからBig Sean “IDFWU”のサビへワードプレイで繋ぎます。(日本の3Style国内地方予選でもよく見た気がします)

ラストパートは2006年のヒットソング Kelis フィーチャリング Too $hort “Bossy”のアカペラから「Bitch」のフレーズをチョイス。Too $hortのベイエリアアンセム”Blow The Whistle”の「What’s my favolite word ?」と掛け合わせたワードプレイをメイクしてフィニッシュ。見た目の雰囲気とは裏腹なワードプレイに驚きました。

トラックリスト:

1. Too Many Zooz – Havana Banana
2. Camila Cabello ft. Young Thug – Havana – Instrumental
3. Flava Flav – Say Ho – Acapella
4. Too Many Zooz – Get Busy
5. Sean Paul – Get Busy – Acapella
6. Lady Bee – Bring The Trumpet
7. Pick It Up Back – Acapella
8. LMFAO ft. Lil Jon – Outta Your Mind
9. Big Sean ft. Lil Jon – IDFWU
10. Kelis ft. Too Short – Bossy – Acapella
11. Too Short – Blow The Whistle

いかがでしたか。ミキサー のパッドやエフェクトのレバー、縦フェーダーなど沢山の箇所をコマメに正確に触っていた4分間でしたね。地味に手数が多いルーティンだったと思います。そして指が細いからでしょうか、ミキサーを触る手の動きがとてもスムーズで、安心して見ていられました。ルーティン本編とは関係ありませんが、ターンテーブル に貼ってあるステッカーを見る限り彼は絶対に日本が好きだと思います。あとコントロールレコードも日の丸バイナルですね!

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“Bedroom Sessions”でルーティンを公開しませんか?”brs@djcity.com“に動画をお送りください。

関連: Bedroom Sessions: DJ Lordwin

スクラッチ専門番組【匠の手】エピソード11: DJ YOCCHI

匠の手シリーズ最新話では沖縄在住のターンテーブリストであり、IDA日本代表のDJ YOCCHIが登場。そんな彼のテクニカルなスキルをTOYODA-STYLEが丁寧に解説してくれています。

〈解説: TOYODA-STYLE

今回はDJ YOCCHIが登場です。ポーランドで毎年行われるDJ Battle 『IDA Dj Championships』のScratch Categoryでは日本を代表して世界のスクラッチャーと戦ってきています。沖縄在住でスクラッチミュージックをこよなく愛するその姿勢はSNSを通して人一倍伝わってきます。彼の細かく繊細でスピーディーなスクラッチをどうぞご覧下さい。

彼が選んだビートのBPMは70後半か80ぐらいでしょうか、スクラッチをやったことがない初心者もこれぐらいのBPMがやりやすいですが上級者になると話は別になります。なぜかと言えば音を倍で詰め込むスキルがあるとBPMもその倍の速さでリズムを取るからです。実質BPMは140後半から160ぐらいとなります。彼が最初にフックを複雑なワード(0:45~)で細かくCutしていますね。使用しているのはForward、2Click、Crabです。ヴァースからはAhhhを使用して(1:04~)パワフルでリズミカルなスクラッチをメイクしてます。TearやOG、3ClickにSnakeと様々な技を彼独特の間でハメていますね。彼のスクラッチの持ち味は速さと正確性で、その詰め込まれたフローはまるでスクラッチの神と呼ばれるQbertのようです。(1:27~)再度ここでフックを持って来て(1:34~)では技有りなハメかたしてますね。そしてそのまま2ヴァース目(1:51~)Ahhhの音を使い更に複雑なスクラッチで構成しています。Drag、両手を使ってのLazerにTazer、Crab、Snake、No Fader 1Click、スクラッチボキャブラリの数が多すぎて解説が追いつきません…すいません。この辺りの一つ一つの技は決して簡単な技ではありません。このBPM(スピード)でスクラッチをするのは少なからずは疲れて休む間があっても良さそうですがそのまま走り切っています。このタフでスピーディーかつ正確なスクラッチが彼の持ち味である事は間違い無いと思います。日本人離れした彼のスクラッチスキルは確実に日本人スクラッチャー3本の指に入るでしょう。今後のバトルでの動向が気になりますが是非世界一になって頂きたいです!

彼はSNSでスクラッチ動画を定期的にアップしています。スクラッチ動画を楽しむのも良いですし、技を盗むのも良し、コメントして彼の人柄を肌で感じてみるのもオススメです。僕も沖縄に行った際は是非彼とセッションしたいですね。

関連: スクラッチ専門番組【匠の手】エピソード10: DJ FUMMY

DJ IKUのCH419からRoom Service Mix #2 が公開

DJ IKUがGENRE BNDRのCH419にて25分ほどにわたるJazzy Hip Hopを中心にしたDJミックスを公開しました。

DJ IKUは「今回はJazzy Hip-Hopを中心にチルな選曲をお届け。たまに見せるスクラッチや2枚使い、ワードプレイなどに”黒さ”とスリルを感じてくれれば嬉しいです。アブストラクトな雰囲気も出したかったので、意識的にボーカルが入っていないインストを使ったりしています。いろんなシチュエーションのBGMとしても聞けると思いますので、音だけでも是非ご活用ください。」とコメントしています。撮影場所は今年の9月にオープンしたばかりのNOHGA HOTEL秋葉原東京の2Fテラス席。音楽、食、アート、をコンセプトにしたホテルで、レストランだけの利用も可能。施設内BGMも日本のJazzy Hip Hopを牽引してきたDJ / プロデューサーのKenichiro Nishiharaさんが監修しているとの事で心地よい音楽が流れていました。上位機種が揃ったDJブースも常設してあります。オススメ!」

トラックリスト:

1. Jazz Lberatorz – Music In My Mind, Pt. 1
2. DJ Vadim – The Next Shit
3. DJ Presto & Mark Farina – Relax Your Mind
4. Shuko – Jazzterfield
5. whereisalex – fun.
6. Mart One – The Music
7. Masego & SiR – Old Age
8. PUNPEE – Renaissance
9. Substantial – Opening (0038)
10.Da Bush Babees – We Run Things
11. BRAILLE – Hip Hop Music
12. EMANON – Detour
13. Moka Only Live From Rio
14. Climber – Cafe Con Piernas
15. J Dilla – Two Can Win
16. Mk.gee – You
17. Pete Rock & CL Smooth – I Get Physical
18. Jeff Lorbert – Rain Dance
19. Crown City Rockers – Sidestep 1
20. Mr. Goldenfold. – Drifting
21. Jennifer Lara – I Am in Love
22. Ramirez – P.O.P.
23. S!RENE – Tupac In Beyonce’s Bedroom
24. Kero One – In All The Wrong Places
25. Ahmad Jamal – Dolphin Dance
26. Common – Resurrection

関連: DJ IKUのCH419からRoom Service Mix #1 が公開

スクラッチ専門番組【匠の手】エピソード10: DJ FUMMY

今週の【匠の手】は第10回目のエピソードとなり、日本のターンテーブリストを代表する1人、DJ Fummyが出演しました。数々のタイトルを持ち、先日にはT-Painのインスタグラムにも登場して話題となった彼のテクニカルなルーティンをTOYODA-STYLEが下記で解説をしてくれています。彼のサプライズ盛り沢山のルーティンをどうぞ御覧下さい。

解説:

匠の手第10段はDJ Fummyの登場です。みなさんは彼を既にご存知かと思います。僕が彼を知ったのは既に2013 DMC Japanのチャンピンになった後でした。第一印象は若く勢いがありジャグリングやパフォーマンスに目が行く印象でしたが、ここ数年でスキルの伸びが凄まじく様々なDJバトルに出場しタイトルを手にしています。彼の自信溢れるプレイと鬼気迫るDJスタイルは皆を魅了しています。

始まりはKanye WestのリリックでBoomerang(0:50~)やChirp、Autobahnを一語づつCutしビートにハメながら所々Chirpを入れています。

リリック全文↓

I know I got a bad reputation
Walking-round-always-mad reputation
Leave-a-pretty-girl-sad reputation
Start a Fight Club, Brad reputation

彼曰く、ギャル殺しの神リリックのようです(笑)

スクラッチネタが変わり(1:13~)Watch Soundの部分をDelayed 3Click Flare(1:16~)を一語づつハメていますね。このビートのBPMにしっかり音を乗せれるのは簡単では有りませんが、余裕でメイクしてますね。彼がこの技を物にしているからでしょう。(1:24~)ではゲップの声ですかね?この長い音を彼の持つスクラッチボキャブラリーの多さとスクラッチ音に対してどの技をハメたらカッコ良くメイクできるか?という考えが見て取れます。センスが光りすぎてますね。使用してる技はTransformer(1:27~)、Babble Tap(1:30~)を両手で(1:33~)では右手首(Scribble)を左手の拳で叩き音に変化を付けています。この技は彼の色々なルーティンに取り入れられていますので彼の必殺技になってますね。名前は分かりませんがハンマードリルみたいですね。この技の元ネタのDJはBattle AveのBattleで見た記憶があります。

ルーティンも後半になりDamn(1:48~)のワードで高速Delayed 3Click Flare、O.G.Flare、Chirp 3Click Flareをメイクしてます。この辺りの音の詰めかたは素晴らしいですね。僕好みです。(1:59~)から強烈なDrumming Scratchをしています。様々な技を使用していますが僕的にグッとくる所はハイハットの部分を一瞬ながらもTransformer(2:04~)でCutしてる所ですね。最後は歯切れ良く締めくくってくれました。

今回の彼のルーティンを見た感想ですがスキルは勿論高いのですが、目を引く所は音をスクラッチする時に選ぶ技が凄くビートにマッチしている所ですね。また展開も飽きさせず様々なワードを組み入れるセンスも彼の持ち味でしょう。

現在DJ YUTOGold Playというクルーを組んで新しい事に挑戦しています。この先更に飛躍するDJの一人でしょう。

関連: スクラッチ専門番組【匠の手】エピソード09: DJ $HIN

DJ FummyがT-Painのインスタグラムに登場

 

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RedBull 3StyleDMCの2大DJバトルで日本王者に輝いたDJ Fummy。彼のインスタグラム投稿が世界的なアーティストであるT-Painのフィードでリポスト投稿されました。T-Painが自身のTwitchチャンネルのイントロ用に作ったジングルを使ってFummyがスクラッチしています。

今でこそ日本のHipHop / R&Bでは当たり前のように使われているオートチューンを2000年中期にいち早く導入し世界的なヒット曲を量産してきたアーティストT-Pain。そんな彼のインスタグラムに日本のDJ/ターンテーブリスのFummyが登場したというニュースが入ってきました。使用している楽曲は3Style世界王者Eskei83が、T-PainのTwitch用のジングルをFestival Trap風にアレンジした”Let’s Go Chat (Eskei83 Flip)”。冒頭に「Champ is here」のフレーズも追加されているのでタイトルホルダーのDJにはピッタリの曲に仕上がっています。
Fummyが投稿したショートルーティンの映像では、楽曲中に散りばめられているドラムの抜けた擦りやすい部分を見つけて順番にスクラッチしており、後半は「Let’ Go Chat」のドロップを倍速のリズムで激しく擦り上げ、バイブス高めのままフィニッシュ。

今回のサプライズ投稿、有名なアーティストと同じプラットフォームで発信できる「SNS」が無料で使える最高のプロモーションツールだという事を再認識させられる一件だと思います。国境や言葉を越えて関わりが持てるSNSの素晴らしさを教えてくれたFummyとT-Painにビッグリスペクト!

関連: Pomegranate DJ Challengeに日本のDJ FUMMYが優勝

DJ NDの「Made From Scratch」エピソード26

先日、DJcityTVのMade From Scratchの新エピソードが公開されました。DJ NDは3つのテクニックを組み合わせたスクラッチのコンビネーションを解説しています。スタブ、フレア、トランスフォームそれぞれのスクラッチを交互に組み合わせた技術であり、DJセットやミックスで活用できます。

DJ NDのスクラッチツールはこちらから。

関連: DJ NDの「Made From Scratch」エピソード25

スクラッチ専門番組【匠の手】エピソード09: DJ $HIN

匠の手は今週でエピソード9に突入しました。今回はTurntable Troopers ENT.のトップであるDJ $HINが登場。以下の解説はTOYODA-STYLEが徹底的に行ってくれています。

今回はDJ $HINが登場です。大阪を拠点に90年代から日本のスクラッチシーンを牽引しあの有名な国産バトルブレイクス【KAMIKAZE BREAKS】を世に送り出したDJ兼プロデューサーとしての顔を持つ言わずと知れた日本を代表するDJです。今回使用されたビートは今年のIDAの課題曲を匠の手エディットとして撮影して頂きました!感謝します!スクラッチを知り尽くした彼の技の数々をどうぞご覧ください。

映像の始まりからスクラッチしたくなる縦ノリのビートにワードをリズム良くCutしフック(0:54~)を作っています。リズムキープは流石ですね。正確でしっかりビートにマッチしてます。次の展開ではチェンビのAhhでレコード側の手が何かを揉む動きにReverse OG.Flare(1:22~)をハメていますね。これは彼独自の技【モミモミ】だと思われます。その後Chirp 2Click Flareを綺麗に入れています。(1:40~)ここではPrism Scratchを2パターンに速さを変えて抑揚をつけています。2Click Flareの折り返しをReverse Sliceに変更してTearを入れる技ですがサラッとやっていますね。(1:47~)辺りではReverse Bubble ScratchからHydroponic Reverse Scratchをテンポよくビートにハメてます。ん〜、上手いですね〜。匠ってます。
(1:52~)からはStabを徐々に入れて後半で三連符で高速にメイクしてScratch Verseはここで終わりHookを最後に持って来てFinish。Scratch Musicのベーシックな形を洗礼させコアなスクラッチファンも唸らすルーティンでした!

最後に彼が運営するTurntable Troopers ENT.ではDJスクールを大阪にて開講しております。彼の教え子にはあのDMCのファイナリストでIDA JAPAN ChampionのDJ Reikoがいます。スクラッチスキルは勿論インストラクターとしても一流の彼に習いたいなら是非チェックしてみましょう。

関連: スクラッチ専門番組【匠の手】エピソード08: DJ JUNYA

日本語ラップでスクラッチ・2枚使い・ワードプレイ | Trick Quick Mix #5

今回のCH419では、DJ IKUが日本語ラップを使ったTrick Quick Mixのルーティンを公開。4分半ほどのルーティンには、テクニカルなスクラッチやワードプレイが聞き心地のよい内容となっています。

DJ IKUコメント:

「今回は2019、2020年にリリースされた日本語ラップをクイックミックスしてみました。Normcore Boyz 「PIT」 から渋谷で一番マイクを持つ男BULLの108は数字のワードプレイで繋ぎ、曲のキーを合わせたうえでSPIN MASTER A-1が2020/9/30にリリースする和物ブレイク集「生粋」から 「Rouzekimono 狼藉者」にミックス。DMC世界王者に輝いたDJ YU-TOがプロデュースしたShurkn Papの「HIGH-CLASS PAP Pt.2」を挟み、後半は北九州を代表するトラックメイカー INGENIOUS(DJ MAKINO)がプロデュースするEGO 「DON’T TURN AROUND」から、ラストは福岡を代表するDJ/プロデューサー DJ Mesmerize 「Blue and Night」へ同曲のアカペラ「お願いDJ、もう1曲だけ」を軽く擦ってから繋いでいます。」

トラックリスト:

1. Flosstradamus – Mosh Pit (TroyBoi Remix)
2. Normcore Boyz – PIT
3. BULL – 108
4. SPIN MASTER A-1 – Rouzekimono 狼藉者
5. Shurkn Pap – HIGH-CLASS PAP PT2
6. EGO – DON’T TURN AROUND
7. Mesmerize – Blue and Night

関連: DJ IKUが新・旧、ジャンルを越えたショートミックスを公開

The X-EcutionersのオリジナルメンバーがRANE SEVENTYを使ったパフォーマンス映像を公開


Seratoオフィシャルからホットな映像が届きました。RANEから今年発売された2チャンネルDJミキサーSEVENTYを使いMista SinistaRob Swiftの2人がチームルーティンを披露。最新の機材をオールドスクールフレイヴァなネタ使いで乗りこなすレジェンド達のテクニックをお楽しみください。

ターンテーブリズム、DJバトルの歴史を語る上で最も重要なクルーの1つ「The X-Ecutiners」は1989年にアメリカのニューヨークで結成(オリジナルメンバーのRoc Raidaは2009年に他界)。DJバトルにおける輝かしい成績もさることながらスクラッチやビートジャグリングといったそれまでナマモノとして見られていたターンテーブリズムをアート(楽曲)に昇華させたパイオニア的存在。彼らの作品を聴きやすいところでご紹介するとM.O.Pをフィーチャーリングした”Let It Bang” やLinkin Parkとフュージョンした” It’s Going Down“、韻シストのBASIが2018年にリリースした”愛のままに feat. 唾奇”とサンプリングソースが同ネタの”B-Boy Punk Rock 2001“などがあります。

今回の動画ではそのオリジナルメンバーであるMista SinistaとRob Swiftが貫禄のプレイを見せてくれているわけですが、そのいぶし銀なルーティンを少しばかり解説。先ずはRob Swiftが引きの音からスクラッチを静かに始め、Run-DMC 「Here We Go」の声ネタをSinistaと交互に擦りイントロダクションのパートをテンション抑え目に展開。ちなみに拳を作り腕をクロスするポーズ(動画のサムネにもなっている)はX-Ecutionersの”X”を意味し、DJ界においては彼らのシグネチャー。

00:35~「We are The X-Ecutioners」のフレーズをキッカケにギアをアップ。オールドスクール、エレクトロヒップホップを代表するプロデューサーKurtis Mantronik(カーティス・マントロニク)のサウンドが前面に出ている「T La Rock / Back To Burn(1987年リリース)」をドロップ。曲中のどこをチョイスしても2枚使いしたらそれなりに聞こえそうなアタックの強い音ばかりですが、前半は「Annihilating」のフレーズとスネアを使って構成。後半は過去この曲の最も2枚使いされてきたポイント(A-TRAKも1997年のDMC世界大会優勝時に使っていたパート)であるビートボックスのブレイクで息の合ったトリックをメイクし、ラストはX-Ecutionersのフレーズでフィニッシュ。

テクノロジーを駆使したルーティンというわけではないけど、レコードタッチやカメラに向けたアクションなど2人の所作が昔と変わらずとにかくシブい。365度のアングルを使ったカメラワークやスローモーションなどの映像効果もカッコイイですね。そしてレジェンドを起用したRANESeratoにもBIG UPな動画です。流行りのDJ/アーティストや曲もチェックしつつ、カルチャーを作ってきた先人達やその歴史もディグってみるとPlayに深みが出てくるかもしれないので、たまに調べてみることをオススメします。

関連: DMC最年少世界王者DJ RENAによるRANE TWELVE MK IIとTRAKTORを使ったパフォーマンス

スクラッチ専門番組【匠の手】エピソード08: DJ JUNYA

今回はDJ JUNYAが登場です。彼は以前匠の手に登場したDJ YUICHIと茨城県をレペゼンするスクラッチクルー【IBRK kutting bros】に所属しています。彼のスクラッチもまたスピードがあり正確でブラックなノリを醸し出すFunky Tecnicianです。息をつく暇もない切れ味鋭い彼のスクラッチをどうぞ御覧下さい。

解説はTOYODA-STYLEが行っています。

使用しているビートのBPMは60前半ぐらいでしょうか、Funky Fresh(01:10~)のワードをChirps, Stabs, Forward, Crab等の技を倍速でビートにハメしています。(01:10~)辺りでは単純な技なのですがこの速さでメイクできる人はなかなかいません。スキルの高さが伺えますね。(01:37~)からはAhhYeahでの怒涛のStab Scratchで入り2Click,Crabを入れながらグルーヴィーに崩していますね。彼はこういったウネリを作るのがとても巧いですね。そしてチェンビに変わり(01:55~)Tear,OG,Crab,Transformer等織り交ぜ(02:09~)からBaby 2Click Comboですかね、すごくバランス良く詰め込まれているので出音のキレが凄じいですね。感服いたします…

最初から最後まで彼のスクラッチは小さいウネリと大きなウネリを作り、見ている人を引き込む力を彼は持っていると感じます。凄くFunkyで魅力的な彼のスクラッチはこちらでも見ることができます。彼とは実際会ったこと有りませんがウワサでは熊も後退りするぐらいの体格だとか…。その体格から繰り出される音は生で聴かないと本当の彼のスクラッチを知ることができないかもしれませんね。

彼のInstagramではスクラッチの動画や7インチでのルーティンが見ることができますのでチェックしてみては如何でしょうか。

関連: スクラッチ専門番組【匠の手】エピソード07: DJ KAITO

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