インタビュー

YBが自身の経験談とCDJへの挑戦について語る

熊本を中心に、九州全国と活躍を見せているYB。去年、Goldie AwardsやRed Bull Music 3Style Japanのファイナルに残るなどの実績も残しています。そんなYBがターンテーブルからCDJへ切り替えたきっかけやカナダに留学し得たものなどについてをDJcity Japanのインタビューで語ってくれました。

昨年はRed Bull Music 3Style及びGoldie Awardsでファイナリストになる活躍でしたが、振り返ってみてどうですか?

YB : Red Bull Music 3Styleに関しては何度かファイナリストまで残った事はありますけど、Goldie Awardsは自分にとって初めての大会だったし、初めてのNYで、初めてCDJで世界的な大会へ参戦するっていう、本当に初めて尽くしで、自分にとって刺激的で印象に残っているのは断然Goldie Awardsですね。NYで大勢の観客を前に、審査員も超豪華で、競合相手も名だたるターンテーブリスト達っていう、これ以上ないCDJデビュー戦だったなと。あの場所で戦えた事が今の自信に繋がってますね。

今までターンテーブルでやってきた中で、ある日を境にCDJにシフトするというのはどういう感覚でしたか?

YB : 単純に難しいですよね。パソコンとターンテーブルでやれる事を100としたら、CDJでやれる事って50~60くらいなんですよ。勿論、CDJでしか出来ない事もあるので、良い部分もあるんですけど。CDJで大会に出場した経験が全く無いので、自分の中では本当に挑戦っていう感覚で、学びの多い経験になってます。

挑戦してみて、手応えの部分ではどのように感じましたか?

YB : Goldie Awardsに関しては物凄い手応えを感じましたね。CDJでDJバトルに出場するっていうこと自体が珍しいというのもあって、Goldie Awardsの最終8人に選ばれた部分はあると思います。ずっと憧れだった前年チャンピオンのMiles Medinaから、初対面でしたけど「Hey CDJs GUY!」って声をかけられて、CDJで戦いに来てるって部分にかなり興味を持ってくれてましたね。逆に、ターンテーブルで参戦していたら、ファイナリストには選ばれていなかったのかもなとも思いますし。

YBが使用機材をCDJへ切り替えたキッカケとは何だったんですか?

YB : それは、カナダに行ってる時ですね。なので、2016年ですかね。1年のワーキングホリデイでカナダに行ったんですけど、向こうに着いた最初の週末にナイトクラブに行ったんですよ。結構Hip HopとかLatinがかかっているクラブだったんですけど。カナダのクラブって、1晩を1人のDJが回すっていうスタイルが多いので、全然DJとじっくり話す時間は無いんですけど、日本だったら絶対にやらないですけど、携帯の画面をパッとDJに見せて「俺もDJしてるんだよね!」ってテキストを打ったのを見せたら「今はDJでちょっと話せないけど俺のインスタこれだから連絡して。」ってテキストを打ち返してくれたんですよ。そこから「今日はありがとう」ってDMを送ったら、彼から連絡が来て、自分のインスタにはRedbull Music 3Styleの事とか書いてあるんで、そういうのを見て多少気に入ってくれたみたいで「一緒に金曜日DJやる?」って声をかけてくれたんですよ。現場に行くと、タンテとCDJが置いてあるんですけど、タンテがピッチを2くらいズラすと20くらいズレる、物凄い壊れ具合で(笑)。これで今までよくDJやってたな状態で(笑)。とりあえずその日はパソコンだけで出来るインターナルモードで乗り切りましたけど。彼には「今日は一緒にやるけど、ダメだと感じたらスグに切るからね」と初めに言われましたけど、特にそんな流れになることもなくて。逆に、声をかけてくれた彼が、クラブから2時間くらいの遠いところに住んでいて、自分のバーバーショップをやりながら、DJもやってる感じの人で「俺最近マジで忙しいから、来週から一人でやってくれない?」って急に言われたんですよ(笑)。急に凄い事になったなと、冷静に店内を見回すと、タンテはぶっ壊れてますけど、CDJは綺麗に使える状態だったので、そこでCDJを使う流れにしましたね。お店で練習するわけにもいかないので、カナダのメルカリみたいなサイトで中古のCDJを購入して、家で練習するようになって。そこからずっとCDJっていう流れですね。

どこの国も同じだとは思いますが、カナダもCDJが主流になっていく過渡期なんですか?

YB : カナダでは他のクラブでもプレイしましたけど、大きいクラブに関してはCDJでしたね。小さい箱にはターンテーブルがあったり、CDJもあったりと、半々くらいの感覚ですかね。クラブのスタイルによっても変わってくると思いますし。スクラッチをする人はターンテーブルで、普通のクラブプレイだけならCDJっていう感じでしょうね。そういう中で、CDJでスクラッチをする存在って珍しいと受け止められる環境があったし、人と違う事をしたいっていう気持ちは常にあったんで、自分がCDJへ切り替えるキッカケにはなりましたね。

振り返ってみると、カナダで得たモノはとても大きいですね?

YB : それは確実にそう思いますね。トロントに滞在していたんですけど、本当に現地のDJがみんな上手くて。カナダに行く以前は、他のDJの良い部分を真似をするっていう習慣が結構あったんですけど、そういうのって良し悪しがあるなって気づいたんですよ。カナダのDJって本当にみんなオリジナリティーがあって、同じようなDJがいないんですよ。みんなが個性を大事にしてるのを目の当たりにして、自分も何か見つけないとダメだって素直に受け入れられました。これも、CDJへシフトする決意に繋がってくる一因ですね。向こうに住んで体で感じた事ですけど、人と違う事をやっても、内容が良ければリアクションしてくれるんですよ。人と違う事をすることに対しての抵抗が一切無くなりましたね。当たり前の事ですけど、良ければ評価して貰える、悪ければ評価されない。自分のプレイが良いのか悪いのか、日本よりもわかりやすいですね。

現地のDJ達からも良い影響を受けましたか?

YB : 最初の2~3週間は、言葉も通じない中で焦る気持ちもありましたけど、3週目くらいで、さっきも話したバーバーショップのDJが、スクラッチDJのワークショップに誘ってくれて、そこにSkratch Bastidなんかもいたんですけど、自分が好きな事で、言葉を越えて触れ合える場所にいられる事が物凄く嬉しくて、そして、現地のDJがみんな上手過ぎて(笑)。もう、更に練習しなきゃっていう熱が入りましたね(笑)。カナダから帰る前に、Goldie Awardsの最初の年だったんですけど、CDJで応募してたんですよ。結局ダメだったんですけど。大会に応募して、ビデオ審査の時点で落とされるっていうのが初めての経験で、でもそれは仕方のない事で、日本に帰ったらリベンジしてやるっていう思いが強くなりましたし、カナダで色んな事を学んで、自分を成長させようっていうモチベーションになりましたね。本当にカナダでの経験が活かされて、その後のGoldie Awardsでのファイナリストに繋がったと思います。

活動の場を日本に戻して、今感じていることはありますか?

YB : 細かい話になっちゃうんですけど、今自分はCDJ-2000NXS2を使っていて、レジデントの現場では同じものを揃えたりしてますけど、なかなか他の場所でも同じものを揃えてもらえるかというと、難しいので。自分のルーティンの中にはCDJ-2000NXS2じゃないと出来ないものがあって、そういう部分のパフォーマンスは自分の中の課題だと感じてますね。

この先、YBはどんなDJになっていきますか?

YB : 前例が無い事、誰もまだやったことがない事をやっていきたいです。それとトロントから地元の熊本に戻って、BACON EGGというクラブで、サウンドプロデューサー的な立場で音楽面を全て任せてもらってます。今までの熊本にはなかった規模のクラブで、これも自分にとっては新たな挑戦です。これまで大会に出て、レジデントもやってきて、自分の前には先輩達がいて、そして自分がいるっていう感覚だったんですけど、今は自分も人を引っ張っていく立場になって、視点は変わってきますけど、面白く、楽しみながらやらせてもらっています。色んな意味でレベルアップして、またカナダに行ってみたいなという気持ちもありますね。

関連: DJ IKUが全国各地でブッキングされている理由について語る

DJcity Exclusive: NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDが”LIVE19″を公開

1999年から日本のHip-Hopシーンを築き上げてきたリビングレジェンド、NITRO MICROPHONE UNDERGROUND。GORE-TEX、DELI、BIGZAM、XBS、SUIKEN、DABO、MACKA-CHIN、そしてS-WORDの総勢8名のRapperから成るグループは、メンバーそれぞれがソロとしても多方面でも活躍している。そのレジェンダリーMC集団が2012年ぶりに活動を始動。デビュー20周年という節目に再び集まった様々な個性を持つ彼らが90年代のクラシックHip-Hopビートでマイクリレーをする楽曲”LIVE19″をDJcityエクスクルーシブで提供してくれました。プロデュースにはDJ HAZIMEとDJ WATARAIが参加と、豪華なメンバーが更なる華を添えています。

嬉しいことに、楽曲と同タイトルのワンマンライブLIVE19を6月20日に渋谷TSUTAYA O-EASTでの開催が決定されています。再始動した今後の彼らの活動から目がはなせないですね。

NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのInstagramTwitterYouTubeApple Music、そしてSpotifyをフォロー。

“LIVE19″のダウンロードはこちらから。

更に楽曲の提供だけでなく、メンバーXBS、DABO、MACKA-CHIN、そして今回の企画を実現する為に動いてくれたDJ HAZIMEが特別インタビューに答えてくれました。


Photo by UG

DJcity Japan : ソロでも活躍されているNITRO MICROPHONE UNDERGROUND (以降 NMU)のメンバー8名が全員揃うに当たり大変だったことはありますか?

DABO : 満場一致でスムーズには行ってないです(笑)。

XBS : そもそも2年くらい前からRed Bullのスタジオでメンバーがたまたま会うっていうところからがきっかけだったと思います。そういう感じだったから逆に計画的に集合するというのがなくて。皆さんそれぞれのライフスタイルの中で単純にスケジュールが合いにくいっていうのが、まずありましたよね。

MACKA-CHIN : 本当に本腰入れてみんなで始動したのがここ何ヶ月かなんです。そもそもスタジオに入ることを俺らはリハビリって呼んでたんですよ。みんなで音楽をやってなさすぎて(笑)。本当は俺達のリハビリの使い方はリハーサルなんですけど。なんか本当のリハビリがレコーディングになって。とりあえず、そろそろ活動を再開しようよって人と、まだ全然音楽はいいやっていう人がいたんです。だからやりたい人だけやろうってやっている中で、幼馴染が何かやっていれば必然的にジェラシーが沸くじゃないですか。誰かが格好いい曲を作り始めたら、テンション低い人もとりえず俺もやるみたいになって。

DABO : 最初あまり乗り気でなかった人も、いいな、俺もやるみたいな感じでどんどん参加してくる感じで増えていった感じ。


Photo by UG

DJcity Japan : 最初から全員でスタートさせようという感じではなく徐々に自然と集まってきた感じだったんですね。

MACKA-CHIN : そうそう。本当に時間に余裕のある人達だけでとりあえずやっていた感じはあった。だからそれを考えるとRed Bullでのスタジオでの偶然がありきだったんだと思う。そのきっかけから2年くらい経っちゃったけど、最終的にはHAZIMEからWATARAIまで来てくれたっていうのはあるね。この人達(DJ HAIZME と DJ WATARAI)呼ぶの大変なんだよ(笑)。だらだらしているの人として嫌いなタイプじゃないですか。きちっとしている人達なんで。

DABO : DJもパパ活も忙しいんで。

MACKA-CHIN : ある程度形ができないと、彼らを呼んで制作ができないんで。

DABO : 逆を言うとこの2人を呼べるってことは形になってたということですよね。


Photo by UG

DJcity Japan : LIVE19はどういったコンセプトで決めたんですか?バースの順番やビートはどの様に選んだんですか?

XBS : デビュー当時にLIVE99というタイトルの音源をリリースして、それから10年後の2009年にLIVE09という音源があって。今回の楽曲も、同じタイプの流れを汲んでいてLIVE19という感じで出そうというところがまずあったんです。

DJ HAIZME : LIVE99は80年代の楽曲のビートをコラージュしたもので、LIVE09は生バンドでオリジナルの曲を作って。そしてLIVE19どうしようかとなって。90年代の曲のコラージュにしようってXBSからの提案が出たんだ。そのアイデア面白くていいねという感じで骨組みが決まったんだ。初心に返って一番好きだった年代の90年代のクラシックでやろうってなって。そこからは、みんなが好きだった曲とかを気にしながらワタさん(DJ WATARAI)と選んだんだよね。LIVE99のバース順と同じ順番でみんなに歌ってもらうことに決めて、バースを歌うメンバーのスタイルからビートは選んだよ。

DABO : 俺達が10代だった一番多感な時期に聞いていたビートだね。

DJcity Japan : 日本のHip-Hopシーンは個人的には90年代後半から00年代初頭が最もエネルギッシュだったと思いますが、当時と今を比べると何が違いますかね?

DABO : リスナーの数じゃないかな。確実に増えたよね。そして仕事の数も増えて良くなったよね。悪くなったと言うかどうかはわからないけど、シーンとしては薄くなったよね。共通意識みたいなものは。


Photo by UG

DJcity Japan : NMUとしてキャリアを築き上げた皆さんとして今後Rapperとして地位を確立したいと思っている若い世代にアドバイスをいただけないでしょうか?

DJ HAZIME : 真面目にコツコツ。

DABO : それは一理あるよね。

MACKA-CHIN : やっぱり長くやれることじゃないかな。アルバム8枚目で売れる人もいるかもしれないし。長く付き合うことになるじゃん好きなことって。だからいかに長く、どうやってご機嫌取るかじゃないけど、やっていくか?じゃないかな。

DJ HAZIME : 例えば一番はじめの曲でポンと売れたとして、キャリアを続けていく上で2枚目、3枚目とキャリアを続けていく上で作品を作っていかなければいけないから、どんだけどっかで跳ねようが、低空飛行を続けてようが真面目にコツコツやらないとキャリアなんて続かないじゃん。

MACKA-CHIN : 少なくとも20年は続けてきたからね。そうだろうね。

DABO : でも20年やりたいかどうかは分かんないよね。

MACKA-CHIN : あ、それはあるかも。

DABO : ファッション的な感覚で、ちょっとやってみたい人もいるかもしれないし、それはそれで悪いことじゃないと思うし。俺だって20年やると思ってなかったもん。全然。当時40歳超えてRapなんてやっていると思ってなかったし。だからどこの観点から見るかですよね。音楽使って何をしたいか。3年間で、音楽で1億円稼いでバイバイして違う仕事をするのもアリだし。でも山あり谷ありで音楽をずっとやっていきたいと言う人もアリだし。どこに重きを置くかですよね。一発当てようと思う人もいれば、音楽に携わって細々とやっていきたい人もいるしで。だからこれだって言うアドバイスは一概に言えないですね。しかも一発当てるって言うのにもアドバイスできないです。たまたま当たっちゃっただけなんで。


Photo by UG

DJcity Japan : 今後のNMUでの活動はどの様なプランがありますか?

DABO : NMUでの今後の活動をどうするかは、今回の楽曲次第みたいなところもあって、今丁度動き出したばかりのところなんで。あとはメンバーや裏方の人も含めて10人程度、それぞれ言うことは違うと思うんですけど、俺は続けていきたいですね。

DJ HAZIME : 俺は8人がやることが決まったらそこに寄り添う形で考えているから。

MACKA-CHIN : そうだね。もはや野鳥の会みたいな感じかな。

一同 : どう言うこと(笑)?

MACKA-CHIN : なんかNMUのメンバー皆んなはそれで飯を食っていると言ったらそれは違うじゃん。HAZIMEはDJで食べてるし、他のメンバーはソロで活動してたりするし。デビューした当時はこれでやっていくぞという意気込みだった。時代に合わせて体も気持ちも変化するし、その中でメンバーそれぞれもソロでやりたいことをやっているし。NMUで食っていくために曲作っていくみたいなことは皆んなの中でないんじゃないかな。

DABO : うん。そう言う意味じゃないよね。

MACKA-CHIN : 年1くらいで自分たちでイベント打ってリスナーやファンのみんなと盛り上がれればいいんじゃないかなって思っている。だから曲を出してアルバムを出してみたいに…何曲もストックはあるし

DJcity Japan: 楽曲は他にもリリースされると期待していいいんですね?

DABO : そこは期待してくれていい。

関連: DJcity Exclusive: Bleecker Chromeが”14″を公開

“Beyond the Music Retreat”のドキュメンタリー

Beyond the Music Retreat

3月にDJcityがDJ/プロデューサーのViceと組み、Beyond The Music Retreatを開催しました。

今回のイベントは2日間行われ、様々なトピックについてパネルディスカッションが行われました。今回の参加したパネラー達はA-TrakChuckie、Z-Trip、Justin Credible、Miles Medinaなどが参加しています。

多くの参加者に影響を与えた今回のカンファレンスですが、A-Trakもその1人でありツイッターでも今回のイベントについて述べています。

下記でドキュメンタリー映像を視聴できます。イベントの写真等は、beyondthemusicretreat.comから見ることができます。

関連: ビデオ: DJ Viceが”MikiDz Show”で行ったセット

インタビュー: 現在最も需要のあるHip-HopプロデューサーのD.A. Doman

D.A. Doman
D.A. Doman (Source: D.A. Doman)

2018年に最もブレイクアウトしたとも言えるシカゴ出身のプロデューサー、D.A. Doman。BPM100辺りの楽曲を中心に多くのヒットソングを生み出してきました。曲の冒頭部分で聞こえる”D.A Got That Dope!”というフレーズはHip-HopのDJであればお馴染みなのでは無いでしょうか?

昨年Tygaが再ブレイクしたきっかけを作ったのもD.A. Domanです。BillboardのHot 100にランクインした曲を2つプロデュース、(“Taste“と”Dip“)、またDJcityで最もダウンロードされた曲のランキングにも入った”SWISH“も携わっています。

またBillboard Hot 100でピーク時に2位にランクインしたKodak Blackの”ZEZE“やKid Inkの”YUSO“などもプロデュースしています。

今年に入ってからもBhad Bhabieの”Bestie“やTygaの”Floss in the Bank“などのヒットソング、Rich The Kidの新しいアルバムから2曲、(“Save That“、The World is Yours 2 – Intro”)をプロデュースしており、現在最も勢いがあるプロデューサーと言えるでしょう。

そんな彼にDJcityがインタビューを行いました。

元々はTrap調のHip-Hopを多く作っていたのが、2018年からBPM100の楽曲を制作し始めましたが、その理由はなぜですか?

Chris Brownのシングル”Privacy“を2017年にプロデュースした時にできたアップテンポの曲がうまくいき、そこで他とは違うHip-Hopの楽曲を作りたいと思ったんだ。みんなその時は遅いテンポの楽曲を作っていたから”自分はアップテンポの曲を制作しよう”って心がけたよ。また個性のあるユニークな音楽を作りたかった。今になって多くの人がアップテンポの曲を作り出しているから影響を与えれたと思っているよ。”Taste”と”ZEZE”は大きなインパクトを与えたと思うよ。そこから何人かビッグなHip-Hopのプロデューサーから、”音楽シーンに影響を与えてくれたことに感謝する”といったダイレクトメッセージが届いたんだ。

確かにBPM100の楽曲は再び流行りましたね。その流行はいつまで続くと思いますか?

今トレンドに入ったということは、後にすぐフェードアウトしていくよ、でもHip-Hopは今すごく万能な音楽になっていると思うよ。一度で様々なエナジーを感じ取ることができるからね。例えばTrap調の楽曲は今でもすごく人気だけど自分が持ってきたアップテンポの楽曲の流れも同じくらい人気だからね。


DJcityでダウンロード

昨年大きな成功をしており、今後もその波に乗ると思いますが、プレッシャーを感じますか?

正直にいうと、音楽を愛しているから仕事を仕事と思わないんだ。今の勢いを続けるには音楽をずっと作ることだけかた。だからプレッシャーは全く感じないよ。

今までプロデュースしてきた曲で見落としたものはありますか?

自分は何事も見落とさない方がいいと思っているよ。”Taste”は勘違いされやすいけど違うんだ、そこには必ず理由があるんだ(笑)


DJcityでダウンロード

Tygaの曲をたくさんプロデュースしていますが、彼とはどのような関係性を持っているのですか?

彼とは良い関係を築いていると思うよ。自分の耳を信頼してくれているね。

今、Hip-HopとR&Bの楽曲を中心にプロデュースしていますが、他ジャンルの音楽を作る予定はありますか?

他のジャンルで今後リリース予定のものはあるよ。でもRapとR&Bが1番愛しているね、嫁と子供の次にだけどね(笑)


DJcityでダウンロード

今後リリース予定の楽曲があれば教えてください。

今後たくさんの作品が公開されていくよ。例えば、Ty Dolla $ignとの曲もあるし(こちらで確認できます)、彼はシンガーとしてもだけどソングライターとしても最高だよ。後は公式に発表されてないから言えないプロジェクトもたくさんあるんだ。Rich The Kidのアルバムから”Save That”と”The World is Yours 2 – Intro”が公開されたよ。”Save That”はアップテンポの曲でナイトクラブに合う楽曲だと思うよ。

インタビューの機会をくれてありがとう、そして全てのDJたちに感謝!

D.A. DomanのFacebookInstagramTwitterをフォロー。また彼の楽曲はApple MusicSpotifyTidalで視聴できます

関連: MV: Kid Inkの”YUSO”

DJ IKUが全国各地でブッキングされている理由について語る

ターンテーブリスト/DJとしてもはや説明不要の、DJ IKU。彼は東京を拠点に活動していますが、日本全国各地そして海外と様々な場所で活躍しています。今回はDJcity Japanのインタビューにて、彼がどのようにして様々な地域からオファーを得てDJをすることができているか、そんなシークレットな部分を教えてくれました。

毎週、日本全国のどこかに行ってますよね?日本中から支持を受ける理由ってどういう部分だと考えてますか?

DJ IKU : そうですね、もうここ5~6年くらい、毎週日本のどこかにゲストDJとして呼んで貰っているサイクルっていうか、そういう生活をしていて、逆に東京ではレギュラーパーティーが1個も無いっていう(笑)。自分で言うのも変ですけど、珍しいタイプのDJで(笑)。内心は、みんなに呼んで貰っているばかりで、自分もみんなを東京に呼んでみたいっていう気持ちはあるんですけど、まぁ実際、レギュラーパーティーがない以上、それは出来ないワケで、じゃあ、お返しにじゃないですけど、いつも呼んでくれる人達に、俺から何を提供出来るのか?って考えたら、1つは言わずもがな、DJプレイですよね。そこは勿論なんですけど、それ以外の部分で俺が出来る事と言ったら、各地で会うローカルのDJ達と本当に仲良くなるっていう部分ですかね。だから、色々な土地に行く時に気をつけていますけど、変なゲスト感は絶対に出さないように心掛けてますね。でもまぁ、どんな土地でも一番最初の時って、先方が空港や駅で待ってくれている中でゲートから出て行くと、変にゲストっぽい登場になっちゃうな~とは思ってますけど(笑)。

確かに(笑)、スーツケース持ってさ~っと出て来たら「東京のDJ来たぞ」みたいな雰囲気になるかもしれないですね。

DJ IKU : 最初はなっちゃうんですけど、そこからの車での移動時間だったり、違和感無くみんなの懐に入って行く感覚っていうか、別に特別な努力とかを要する事じゃないのかもしれないですけど、この5~6年を経て思うのは、そういう「人との自然な付き合い」が出来ているのかなって思ってますけどね。まぁ、本当に他愛もない事を話したり、時にはお喋りクソ野郎な時もあるんでしょうけどね(笑)。今はSNSもあるんで、自分に興味を持ってくれた人達はどんな人達なんだろう?っていうのを、特に初対面の場合は気になるじゃないですか?実は既に過去のどこかで会った事があるのか、どこかで俺のプレイを聴いてくれたのか?それとも本当に全くの初めましてなのか。DJなのか、DJじゃないのか?とか、SNSを見れば俺を呼んでくれた人、それと共演者のDJも見つけられますし、みんなの近況を確認するって言うか、自分の気持ちをみんなに向けるっていう事が、自然とお互いの会話のきっかけになったりしますよね。

呼ばれる時って言うのは、新規のケースが多いですか?それともおかわりの方が多くなってきましたか?

DJ IKU : そうですね、全体で見るとおかわりのケースが多くなってきてますかね。新規だとしても、過去に行った事があるクラブが打っているイベントですね。

そうなると、やっぱり求められる部分は、パーティーDJと言うよりは擦れるエンターテイナーっていう部分ですよね?

DJ IKU : そうですね。確実にそっちの部分ですけど、それは俺がSNS上で発信しているもの自体が、ターンテーブリストとか、スクラッチとか、2枚使いみたいな表現にフォーカスしているんで、自然とそれらを求められますよね。それと、俺を呼んでくれる人達の中に、自分の周りの若手DJだったり後輩に、ターンテーブリストや、このカルチャーを見せたいっていう強い想いがあるのかな?っていう部分は最近感じてますね。特に地元の先輩が後輩達に見せておきたいっていうケースが多いのかなと思います。この前は北海道のClub Brooklynに行ったんですけど、オーナーのB.I.G.JOEさんがMCで入ってくれて、俺を紹介する時に「旭川のDJ達の活力となっているDJ IKUが登場!」みたいな事を言ってくれて、ワーオみたいな(笑)。やっぱり呼んでくれた事に対して、何を残せるのか?良い刺激をもたらすって言うか、俺が求められている役割っていうのはありますよね。

何度も同じイベントに呼んでもらえる理由って何だと思いますか?

DJ IKU : そうですね、プレイで見せるっていうのは当たり前ですけど、それ以外に、その地域とコミュニティー全体を好きになる事も大切だなって思ってます。地域と言っても、単純にその土地の飯が美味いっていうケースもありますし。呼んでもらった時には時間を作ってでも現地の風土だったり、そういうものに触れたいと思ってます。俺の場合はポータブルターンテーブルっていうオモチャがあるんで、現地に行って撮影して、SNSで発信すると反響も良いですし、各地との繋がりにもなって、みんな喜んでくれますし、次に会った時に話しても、また楽しいですしね。

東京と地方で比較すると、やっぱり地方の方がポータブルターンテーブルだったり、擦る系の風土は強いんですかね?

DJ IKU : 実際に多いかどうかの実数値はわからないですけど、毎回地方に行って感じるのは、そういうコミュニティーの結束力が強いっていうのを凄く感じますね。「DJ IKUが来たからには、一緒にセッションしておきたい」っていう熱意は、絶対に地方の方が強いですよね。結構前なんですけど、九州のイベントで、当日のパーティーに来た知り合いの人数よりも、翌日の昼に「一緒にセッションしましょう」って言って集まって来たDJの人数の方が多かったですからね(笑)。お前ら「昨日来いや!」っていう(笑)。

一同(爆笑)

DJ IKU : わからないですけど、俺が来るに際して、そこに照準を合わせたんでしょうね(笑)。「昨日のパーティーよりめっちゃ集まったなぁ」みたいな、そういうこともありましたね(笑)。やっぱり一緒に何かセッションをしたいっていう気持ちは強いんでしょうし、逆にみんなが来てくれる事で、少しの効果かもですけど、俺のSNSを介して各地のDJ達の露出にも多少貢献出来るのかな?とは思ってます。

とは言え昨今ターンテーブルからCDJへのシフトは顕著で、先日の新宿WARPで行われたDJcity TakeoverではCDJでプレイされてましたが、ターンテーブルを置いてるクラブは確実に減ってきてますよね?

DJ IKU : そうですね、大阪や福岡はもうCDJの方が多いですよね。ターンテーブルを常設してる箱って、だんだん中箱/小箱クラスに限られてくるのかな?っていうところですね。でも、俺の場合はゲストで呼ばれる際に「機材の確認」っていうのがあって、「ターンテーブル必要ですか?」っていうやりとりが必ず事前にあって、その質問に対しては「ターンテーブルがあれば嬉しいですけど、CDJでも大丈夫です!」っていう風に返してるんですけど、現場に入ると、皆さんしっかりターンテーブルを用意してくれるんですよ(笑)。

手厚いですね(笑)。

DJ IKU : やっぱり現場でCDJが増えてきたあたりで、その流れに対応するためにも、かれこれ1年以上は俺も自宅でCDJを触ってはいるんですけど、ただこれが、みんなの手厚い対応のお陰もあって、なかなかCDJデビュー出来ないって言う(笑)。行く先々でターンテーブルを用意して頂くんで、それならそっちを使うし、俺もその方が絶対にやり易いし。そういうのがあって、CDJを持っているのに、現場で使えないっていう状態が本当に1年以上も続いてて、で、この前の新宿WARPであったDJcity Takeoverの時に、俺の確認ミスもあって勝手に「タンテあるだろう」って思い込んでいたんですよ。で、現場に向かうタクシーの中で「あ、CDJしかないよー」って言われて(笑)。同じタクシーの中にHAZIMEさんもいて「イク。頑張れ(笑)!」ってエール貰って(笑)。

一同(爆笑)、その状況であのプレイ内容って素晴らしいですね?

DJ IKU : もう「やるしかない」って言う感じと「あぁ、遂に今日がCDJデビューの日なんだぁ」って思ってましたね(笑)。なので、多少の緊張感はありましたけど、家で1年以上も触っていたんで、技術的にテンパったりとかは無かったですね。CDJで出来る事っていう部分では、ターンテーブルでプレイしている時と比べると、俺の中では制限されてしまう部分ってまだまだあって、やっぱり複雑な2枚使いとかはCDJだと難しいのは事実ですよね。単純なスクラッチとかは全然いけるんですけど。でも別な視点で考えると、CDJで出来る範囲内のプレイでも、充分に俺らしい見せ場は作れるんだっていうのは実感出来ましたね、この前のDJcity Takeover(2019年1月)で。

平成が終わり新しい時代が来ますが、DJ IKUが新たに挑戦しようとしている事はありますか?

DJ IKU : チャンネルを増やしたいなと思ってて。そのチャンネルって言うのは、今DJスクールをスタジオで、生徒さんに直接来てもらって教えてますけど。例えば、オンラインだったりとか、YouTuberを目指すわけじゃないですけど、YouTubeを使ったチャンネルだったりとか、今以上に発信できるチャンネルを増やしたいなっていうのはありますね。地方と繋がる中で「オンラインスクールとかやらないんですか?」っていうリクエストがちょいちょい来るんですよね。現状、東京まで来てもらうしか術がないんで。もしくは、呼んでもらった時にワークショップをするみたいな形か。時代の流れに的にも、オンラインスクールっていう方法はあるのかなと考えてます。

関連: DJ IKUが語るDJと自身について

DopeOnigiriがDJ Jazzy Jeffのワークショップに参加して思ったこと Pt.3

先日台湾の台北市で行われたRed Bull Music 3Style、大会期間中に行われていたワークショップにて、ホストを務めているDJcityのStyles Davis、また会場やLive配信の視聴者を中心に、DJ Jazzy JeffにQ&A形式のトークショーが行われました。

前回のインタビューではテクノロジーの進化とDJについて語り、向き合い方によってプラスになるかマイナスになるか、またJazzy Jeffなりのテクノロジーの進化に恐れない考え方について自分なりの感想を書かせていただきました。今回はパリスヒルトンがインタビューで答えた”私は半年でDJとしてのノウハウを全て覚えた”についてJazzy Jeffが意見を述べています。そこでDJcity JapanDopeOnigiriがどのように思ったのかを述べさせていただきます。

ここ最近よく見かけるパリスヒルトンのインタビューですが、彼女のDJキャリアについて問われている質問で彼女は”私は半年でDJとしてのノウハウを全て覚えた”と答えています。半年でDJについて全て学べると思いますか?

そんなわけないよ(笑)あり得ないね。彼女が様々なお客さんの前でDJをして、どのようなプレイをするか見てみたいね。良いDJになるという考え方は、良いパフォーマンスをするというわけではないんだ。その場のお客さんやの雰囲気をどう感じて選曲するかが大事なんだ。Skratch Basitdと話していたんだけど昨夜のNu-Markのセットは最高だったんだ。Nu-Markがやっていたことは昔から自分の持ってきたレコードを選んでプレイしていたDJだと分かるんだよ。キューポイントや今の技術を活かしたと言う話ではない。彼のセットはDJの基本を改めて実感する内容だったよ。いい曲を選び、どの長さでかけて、どの曲をどのタイミングでかけて・・・プレイする曲1つ1つに感情がこもっていたよ。それを見てると、俺はパリスヒルトンを昨日のお客さんの前に連れてたくさんの楽曲を渡し、この状況を打破してみる姿を見てみたいと。たとえばこう言う状況の場合2つ程のクレートを用意して来るとしよう。もし前のDJが自分がわざわざ今日プレイするためだけに楽曲を選んでまとめたクレートの中に入っている曲を8割プレイしたとしよう。その場合どうするんだ?と聞きたいね。どうやって今の状況を変えるんだ?俺らは何万曲もパソコンに入れて現場に行ってたわけではない。200枚のレコードを持っていた時に前のDJが自分が持ってきたレコードの中で同じのを150近くのプレイした場合どうする?しかもその時代は特に同じ曲を何回もプレイするのは厳しく禁止されてた時代。選曲の部分を今より気にしたし、メインのDJは今1番のヒットをプレイするから自分はプレイしないでおこうと考えるときもある。これがDJとしての本質だと思うよ。いい日にするのではなく、悪い日を避けるためにどう動くかと言う感覚が近いと思うよ。
不幸にも彼女を見に来るお客さんは彼女の選曲やDJプレイ目的にしているわけではなく、彼女のセレブリティな部分だと思うんだ。なので彼女がDJに対してそのようなコメントを残すことは簡単だと思う。彼女はDJとして正しい環境にいたことがなかったと思う。プレイボタンを押すだけでは学べないよ。

確かに著名人やモデル活動をしながらDJをしている人はSNSでよく見かけますが、実際その人たちのプレイをたくさん見た経験はそこまでありません。自分もJazzy Jeffと同じ意見でDJは選曲が大事だと思います。遊びに来てくれた人がどれだけ楽しめたらいいのかと言う部分が第一でDJをするように心がけていますが、セレブリティな人がナイトクラブ以外の場所でDJのみを行う場合は選曲でお客さんを楽しませたりフロアをコントロールする技術を身につけることは難しいと思います。なぜなら有名人を見に来るお客さんと、音楽を楽しむために来るお客さんだと双方の遊びに来る時の感覚が違うからです。当たり前のことだと思いますが(笑)。Jazzy Jeffが言うからこそ、説得力があるなーと思います。

パリスヒルトンのような著名人がDJをするとなると必ずメインタイムで登場するでしょう。特にDJを会場に入れて何時間もパーティーやイベントを行うとなると、必ずしも音楽的な流れの良さやグルーブ感が必要となって来ると考えています。著名人だとメインタイムしか担当する機会がないと思いますし、そのような1日の流れを考えたりする場面がないのかとも思います。また彼女に関してはDJブッキングがされたとしても彼女の音楽に対してイベンターはお金を払うというよりかは、彼女の芸能活動としての部分にお金を払っているのではと考えるのでそもそも、同じDJとしてカテゴライズすること自体が間違っているのかもしれないですね。

関連: DopeOnigiriがDJ Jazzy Jeffのワークショップに参加して思ったこと Pt.2

DopeOnigiriがDJ Jazzy Jeffのワークショップに参加して思ったこと Pt.2

Styles Davis and DJ Jazzy Jeff
Styles Davis and DJ Jazzy Jeff at Red Bull Music 3Style IX World Finals (Credit: Julian Melanson)

先日台湾の台北市で行われたRed Bull Music 3Style、大会期間中に行われていたワークショップにて、ホストを務めているDJcityのStyles Davis、また会場やLive配信の視聴者を中心に、DJ Jazzy JeffにQ&A形式のトークショーが行われました。

前回はJazzy Jeffの若い年齢での成功、そしてその経験から学んだ教訓について自分なりの感想を書かせていただきました。今回Jazzy Jeffは音楽を伝えるDJが音楽業界のテクノロジーの変化とどう向き合うべきかについて語っています。またそこで私、DJcity JapanDopeOnigiriがどう思ったのかを述べさせて頂きます。

今、DJ業界におけるテクノロジーの発展と同様で、音楽業界のテクノロジーも発展しています。SpotifyやApple Musicなどの利用が当たり前になった中、我々のような音楽を伝える側であるクラブDJの需要はなくなると思いますか?

Jazzy Jeff: DJの必要性がなくなることは本当に自分たち次第だと思う。俺はテクノロジーの進化に恐れないようにしているんだ。テクノロジーが進化し、会場の雰囲気を完璧に掴み、お客さんの求めているものが分かるとなるまではね。言い方を変えると、テクノロジーなんかに頼ってしまい、DJとしての自覚や取り組む意識を低くするのは良くないと思うんだ。自分がDJしている場所に対しての意識や音楽の移り変わりに対しての意識も低くしたらダメだ。もしそれをしてしまうと、自分の仕事は不必要なものになってしまうんだ。
昔、良いDJである友人が俺をゲストDJとして呼んでくれた時の話だ。少し早めに会場についたら現場ではDJミックスが垂れ流し、そしてその日オープンアップを担当しているはずの友人は外でタバコを吸ってたんだ。それを見て彼を叩いたね、お客さんはミックスを聴いてるだけで彼は仕事をしていなかったんだ。ただ怠けていたんだ、オープンアップのセットをしたくないからサボっていたんだよ。そこで俺は”お前は自分のしている行動がこのカルチャー、とその未来を滅茶苦茶にしていることを理解しているのか?もし、クラブのオーナーがDJブースを見えなくすると思いつきブースをガラス張りにし、適当な奴に安いギャラでDJミックスを掛けさせたらいいと言い出したらどうする。”と言ったよ。自分の仕事を大切にすることはすごい大事なことだ。自分の仕事を続けたいのであれば、自分を雇っている人たちに自分がどれだけ必要な存在であるかをアピールするべきなんだ。世の中にきちんとDJをするマシーンが存在しないし、DJが人々に与えるエモーショナルな気持ちを表現できるマシーンなんて存在しない。今ではアルゴリズムの技術でアルバムを1枚聴くと関連性のあるアルバムが10個表示されたりとかがある。でもそれがDJをする際にかけるべき曲やその順番を教えてくれるわけではない。新しい音楽を見つけるための新しいクールな技術だと思うし、そして自分たちとテクノロジーの戦いの終着点だと思うよ。

確かに、ここ数年で圧倒的にSpotifyやApple Musicなどのツールを利用したストリーミングサービスがメジャーになっていると思います。自分もSpotifyユーザーであり、多くのプレイリストを視聴して移動中などに音楽を聴く機会が増えました。尊敬するDJの人が”ここ最近SpotifyのプレイリストをなぞるようにDJで曲をかける人が増えたよね。”と言われた時に気付いた所でもありますが、自分はナイトクラブDJとしてSpotifyのプレイリストの曲を中心にDJする事を避けるように心がけてDJしています。しかし、傾向的に有名なプレイリストに入っている曲を立て続けにプレイするとフロアが盛り上がる場面もよく見られるのではないでしょうか。そのような場面では自分もそのようなプレイリストに頼っていると言わざるをえないと思います。

現在世界中どこにいても新しい情報を手に入れることができます。しかしDJは”人vs人”を基盤に存在する仕事だと考えます。テクノロジーや技術のみに頼ってしまっては、DJが音楽を使って人をエモーショナルな気持ちにさせることはできないです。しかし、テクノロジーや技術のおかげでプレイヤーとしての可能性は広がります。簡単に見えてすごく難しいことだと思いますが、自分のオリジナリティーを捨ててまでDJをする必要があるのか?と考えて見ると自分はないと考えますし、本気でDJをしている人に対しても失礼になりかねない行動なのではないでしょうか?

関連: DopeOnigiriがDJ Jazzy Jeffのワークショップに参加して思ったこと Pt.1

DopeOnigiriがDJ Jazzy Jeffのワークショップに参加して思ったこと Pt.1

先日台湾の台北市で行われたRed Bull Music 3Style、大会期間中に行われていたワークショップにて、ホストを務めているDJcityのStyles Davis、また会場やLive配信の視聴者を中心に、DJ Jazzy JeffにQ&A形式のトークショーが行われました。

そこで私、DJcity JapanDopeOnigiriがJazzy Jeffの話で特に興味を持った内容を翻訳、そして自身のDJとしての観点でどう思ったのかを考察して意見を述べさせていただきます。

Styles Davis: DJとしてのキャリアをスタートさせて、かなり若い時から成功していると思いますが、若い段階で成功したからこその失敗やネガティブな経験はありますか?またそこから学んだ教訓があれば教えてください。

Jazzy Jeff: 当時は何もかも分からなかったんだ。Hip-Hopの音楽グループが20組程しかおらず、自分もその1人だったよ。皆すごく若かった。大学に通わず、成功例や明確な目標が分からない中、全員本気で音楽活動に取り組んでいたやつばかりだったね。だから大人にも自分達のやっていることを話しても理解してもらえなかったよ。でもその状況を楽しんでいたと思う。相方のWill Smithも奨学金を貰いながら大学に通っていたけど行かなくなった。ラッパーとしてのキャリアを本気で始めるために彼はお母さんと話をしたけど、お母さんはかなり怒っていたよ。
当時、初めて作ったレコードを公開した時はいつか自分に子供ができたら、”お父さんは昔、曲を作ったことがあったんだよ”と伝えることができたらイイなという感覚だった、でも6週間後にはロンドンでBBCの音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」の収録にいたんだぜ。当時、フロリダにも行った事のない俺がまさかロンドンにいるなんて思わなかったよ。当時はパフォーマンス用の曲がなかったから番組に出て手を降っただけだったけどね。でも本当に全てが新しく、物事が進むスピードもすごく速かった。大きいレーベルに所属してミュージックビデオも撮ってアルバムを収録して、1年半後には「アメリカン・ミュージック・アワード」のステージに立ってたんだ。ステージからMichael Jacksonが座る席が見えた時は本当にテンションが上がったよ。
当時は本当に全てにおいて(物事の進むスピードが)速かったけど、その分ミスは多かったよ。自分達は早い段階で売れたからこそ、ミスは多かったけど、ミスを起こすのは当たり前のことさ、それをどのように良く修正していくのか、というのが大事だと思う。残念ながら自分たちと同じくらいの年齢でキャリアをスタートして、注目されてもそこからミスが起きるとリカバーができないがために消えて行った人もたくさんいるよ。でも自分たちはミスをたくさん起こす度にそれ以上のリカバーをしていた。俺は相方のWillの為に、Willは俺のために動いていたと思うよ。これはエゴとかじゃなくて単純に1人より2人で動いた方がよかったからね。我を失わず、道を外れないでおこうと思っていたよ。なぜなら揉めて喧嘩をする人も見てきてるし、そしてお金も絡んでくる可能性もあるからね。お金なんか一生あるものと思ってしまう時期もあったよ。4000ドルのスーツを買った時にお金がなくなってしまった経験があるんだ笑、4000ドルのスーツにさらに税金を払う必要があって・・・でも誰が払うかって当時思ったよ。若くして売れたら本当に何も考えずに行動する時はあるんだよ。

この話を聴いて、自分は「レジェンドな彼もやっぱり人間なんだね」と思いました(笑)。自分自身も学生時代にDJを本気で取り組んでいたのですが、最初は親に理解してもらうことが難しく、悩んだ経験があるので彼の話は少し共感できる部分があったと思います。しかし、彼が若い頃と比べて今はたくさんの成功例があるので、より良い時代になったのではないか?と少し思いました。個人的にはナイトクラブDJは目に見える評価や数字としての結果を表し難い仕事だと思います、また特に日本では一般的にDJがどのような仕事なのか理解している人も多くはありません。自分も学生時代その部分で(今でも)悩んでいる時がありました、そこで自分は学生時代にDJコンペティションに出場し、優勝してから両親もDJに対する考え方や印象が変わり自分を応援してくれるようになりました。身近な人からサポートを受けるには明確な結果を出した方が良いのかな?と思いました。

若い頃から成功して、お金をたくさん持つ経験は実際に経験者しかわからない事だと思います。ただお金を持つ持たない関係なく、失敗しても修正を繰り返す行動は大事だなと思いました。それはDJにおいても、もちろんそうですが他の分野でも言えるのではないでしょうか?

DJ BRAIZEとDJ 4RESTがそれぞれのDJ感について語る


DJ Braize & DJ 4Rest at DJcity Japan Takeover at Giraffe, on November 10, 2018.

六本木/西麻布にあるa-lifeにてレジデントDJそしてミュージックプロデュースを担うDJ Braizeと大阪はBeePM Managementに所属するDJ/プロデューサーのDJ 4RESTが、それぞれのDJ感についてDJcityのインタービューに答えてくれました。

お二人ともレジデントDJですが、新譜が毎日リリースされる中で、お客さんが聴きたい曲と、DJとしてプレイすべき曲にギャップって生まれてくると思いますが、そこの調整ってどうしているんですか?

DJ 4REST : 難しいですね。僕は結構自分でリミックスとかブートレグ作りますけど、まずは、どう上手く差し込めるのか?っていう視点がありますね。新譜に対して、原曲だと自分の現場ではかけずらいな、もうちょっとパワー欲しいなって感じたら、リミックス作ったり、みんなの知ってるようなアカペラ挟みながら、徐々に浸透させるみたいな感じでアプローチして、最終的にオリジナルに持っていくような流れですかね。

DJ Braize : かける時のタイミングとか、僕も結構気にしますね。リリースされていきなりBillboardチャートの1位に君臨する曲とかあるじゃないですか?そういうのは困らないんですけどね。例えば、日本で全くかからないけど、外国でめちゃめちゃかかってる曲みたいなのって多いじゃないですか?ちょっと濃いめのHip Hopとか。アメリカだとどこのクラブでもかかってるみたいな。そういう新譜の入れ方は結構気にしてますね。お客さんに「この曲は知ってないといけないんだな」って思わせるようなプレイで差し込むように努力しますね。わかりやすい曲とわかりやすい曲の間に綺麗に挟んでいくとか。そうすると「あれ?なんで今の曲知らないんだろう?流行ってるの?」って感じる可能性は高くなるじゃないですか?極論ですけど、誰もが知っている10曲の中に1曲だけ知らない曲があると「なんだろう?」っていう感覚は生まれやすいですよね。もしくは、ブートレグとか強めの音で流行らせて、オリジナルに差し替えていくとかもありますし。新しい曲がReggaeなのかHip HopなのかEDMなのかによって、多少はやり方は変わってきますけどね。

DJ 4REST : 流行ってる曲を1曲かけた後で、今はこういう曲だからこう聴いて欲しいっていうのを、温度感を持って伝えたいですよね。敢えて5秒くらい無音にしてからバンってかけて、その曲で一斉に全員が盛り上がるみたいな、そういう瞬間をみんなに共有して貰えるような差し込み方ですね。

具体例として最近そういう曲ありましたか?

DJ Braize : 曲によりますけど、静かなコードから入っちゃう曲とか、流石に頭からかけるのは難しいなって思うんですけど。でもDrakeのGod’s Planは最初のところから入れましたね。ボーカル始まるところで綺麗に繋いじゃうと、流れで聴いちゃってると思うんで。幸い、a-lifeの場合はMCがいるんで、MCに「この曲頭からかけるから頼むわ」みたいな感じでやったりしますね。1回お客さんを煽って、テンションをDJブースに向けるみたいな。DJってそういうの大事じゃないですか。ずっと綺麗に30分繋いだ後にいきなりスクラッチが入ると、やっぱり1回お客さんの注目を引き寄せますよね。「あれDJ変わったのかな?」みたいな感じで。そうやって新譜を入れたりしますね。


DJ 4Rest at DJcity Japan Takeover at Giraffe, on November 10, 2018.

クラウドコントロールするために上げたり、下げたり、波を作ると思いますけど、中には上げっぱなしのDJもいますけど、そういう上げ下げの部分って気にしてますか?

DJ Braize : そうですね、上げっぱなしにしちゃうと、今度はお客さんが上げっぱなしの状態に慣れてきちゃうんですよね。ずっと上がってる状態なんで、次どこで上がっていいのか、わからなくなっちゃう。上がってる状態の更に上ってないですし、次は落ちるしかないんで。だから、落ちてもいい時に落として、上がりたい時に上げられれば、波って作れるんですけどね。

DJ 4REST : フェスだと3,2,1でみんなジャンプして盛り上げるとか、お立ち台に女の子がいて盛り上がるとか、飛び跳ねるのも、手を上げてるのも盛り上がってる状態だと思いますし、逆に一旦足を止めてお客さんを一斉に歌わせるような、一体感のある瞬間も盛り上がってると言えるし、色々な要素を入れながら波を作る感じですよね。

DJ Braize : なんでフェスのあれが成り立つかって言うと、やっぱりEDMって1曲の中でブレイクダウンがあって、ビルドアップしてドロップ行くっていう流れが1曲の中で成り立つじゃないですか。クラブの1晩もあれでいいと思うんですよ。盛り上がる所があって、落ち着かせるところがあって、ちょっとなんかお酒を買いに行く間を与えるじゃないですけど、そういう雰囲気を作ったり、エロい感じにしてみたり、色んなシチュエーションで曲を変えて1晩を作るみたいな。やっぱりそれってクラブに必要ですよね。

お互いをどういうDJだって思ってますか?昨夜のプレイを見て(DJcity Takeover Osaka)、どんな感想を持ったのか教えて下さい。

DJ Braize : 僕は大阪に来て、DJがみんなフロアを見てるなって印象を受けましたね。それって凄く大事なことじゃないですか。僕もクイックだったりとか、忙しい作業に入ると、どうしてもパソコン見たり、触りっぱなしになりがちなんですけど、結構そこは気をつけるようにしていて。だから、DJを見る時に、当然ミックスとか、かけてる音楽は聴きますけど、どういう表情でやってるのかっていうのは大事だと思ってます。やっぱり楽しそうにやっていれば笑顔になりますし。自分はそうなんですけど、上手くいかない時って笑いたくても笑えなくなっちゃうんですよ。「あー全然上手くいかないな」って思ってる時は、ニコニコしたいんですけど、焦りが顔に出ちゃって(笑)。4REST君も含め、他のDJもそうでしたけど、凄くみんなフロアを見てるなって思いましたね。パソコンを見たり、CDJを見ている時間が少ないなって感じたんで、それが出来るってことは、フロアを良く見てるって事なんで、お客さんのコントロールが出来てるんですよね。

DJ 4REST : 僕はもう、Braize君は東京で一番会いたいDJで、DJcityの前回のインタビュー記事を読んで共感して、ずっとこの人に会いたいって思ってました。やっぱりゲストDJとして呼ばれると、自分の爪痕と言うか、自分の色を全開に出す人が多い中で、Braize君は早い時間からクラブを肌で感じて分析して、実際のプレイも本当に良いバランスで自分のスパイスを入れてるんで、やっぱり東京でレジデントDJとして、お客さんの事を考えてDJしてる人だなと。自分が思った通りの人だなっていうイメージですね。


DJ Braize at DJcity Japan Takeover at Giraffe, on November 10, 2018.

昨日は本当にいいDJでしたね。驚いたのは、お客さんのほとんどが20代前半の中で、彼らが聴いた事もない90sとか80sをかけて盛り上げてましたけど、あれはどんな感覚なんですか?

DJ Braize : 昔の曲のプレイに関しては、その「そもそも知らなきゃいけないのか?」っていうのがありますよね。食事に例えちゃいますけど「和菓子がめちゃくちゃ美味いと。だからお前これだけは絶対に食わなきゃダメだよ。でも嫌いなんだもん、食べたくないもん。いいの私は和菓子じゃなくカップラーメンでも。」っていうのが、間違いなんですか?って話なんですよ。正直、別にどうでもいいですよね?ってなると、古い曲を知っていなくちゃいけないっていう考えが、そもそも違ってるんじゃないかなと。あんまりそういうのをやり過ぎると、DJとお客さんの距離が離れていくと思うんですよ。なので、古い曲をかけます。それでお客さんが何か分からないけど楽しいって感じで踊っていれば、僕はもうクリアだと思ってます。でも「あ~このDJさっきから古い曲ばっかりかけてるよ~。」ってなった時はもう、お客さんの耳にその曲は入ってないと思うんで、無意味なプレイなんですよ。それはクールじゃないって僕は思いますね。音楽を聴く時間を持てないほど忙しいサラリーマン捕まえて「Spotify開いてもっとカッコいいインディーズあるんだから聴けよ!」っていうのおかしいですよね?それと同じで、DJがお客さんに対して新しい曲だったり、コアな曲を勧めた結果、お客さんの耳が閉じちゃったら、そこからは本当に無意味な時間が流れるんで。アメリカと日本でクラブカルチャーは違うんで、古い曲に関しては難しい話なのかもしれないですけどね。古い曲を差し込めるDJの良し悪しは、お客さんが「今日は楽しかった」って思えるレベルだと僕は思いますね。

DJ 4REST : 僕は新譜と一緒で、かければ良いと思います。よくありがちなのが「誰々君、何々かけてるやん、やばい、やばい」みたいな。でも実際フロアで棒立ちになってしまうような曲だったら、別にスタートボタン押したら誰でもかけれるじゃないですか。それでお客さんが踊れば正解だと思うんですけど、物知り風な奴が「お前これ知らんやろう」ってドヤ顔でかけて滑ってるんだったら、正解じゃないですし。おっさんが喜ぶような曲でも、20歳くらいの若い子が踊ることもありますし、古い曲も、新しい曲も、みんなが知らないであろう曲も、やり方は一緒というか。よく言われるチャラい曲って、チャラくかけたからチャラいイメージがあるのであって、古い曲が、全て古臭いわけではなく、新しい曲が、全てカッコいいわけでもないので、曲の良い部分をDJがどうコントロールしてお客さんに届けるのか?っていうのが大事だと思いますね。

DJ Braize : エンターテインメントっていう枠で見ると、最終的にはDJだけじゃなくクラブが作り出す雰囲気とか、環境も大きく関わってくると思うんですよね。全く知らない新譜かけた瞬間に、いきなり火がついたシャンパンがバーっと出てきて「超盛り上がってるぜ!」って感じさせたら、その曲はもう「アリ」になっちゃうんで。でも、滅茶苦茶シラけてるところで、新譜かけて誰も知らなくて更にどんよりしたら、もうダメですよね。また料理の話になっちゃいますけど(一同笑)、料理に例えるの好きなんで(笑)。ブロッコリー嫌いな人に、いきなりブロッコリー食べてって言ったら、100%食べるわけないじゃないですか。でも、雰囲気の良い和食料理に連れて行って「このブロッコリーどこどこで採れた希少種だから、今日だけでも食べてみない?」っていう前置きがあったら、全然違ってくると思うんですよね。DJも同じで、綺麗な前置きがしっかり組んであれば、どんな曲であってもすんなり入っていけると思うんですよね。DJも大事なんですけど、クラブの雰囲気とか環境とか、そこで繰り広げられるエンターテインメントっていうものを見据えて、もう少し力を入れるべきですよね。

関連: Red Bull Music 3Style Japan Final 優勝 DJ Fummy

Red Bull Music 3Style Japan Final 優勝 DJ Fummy


FUMMY performs during the Red Bull Music 3Style National Final at evoL by GRANDMIRAGE in Fukuoka, Japan on November 24, 2018. // Suguru Saito / Red Bull Content Pool

Red Bull Music 3Style Japan Finalが先日開催されました。6名のファイナリストが素晴らしいルーティンを披露してくれました。3位にYB、2位にYUTOがランクインという、とてもハイレベルなコンペティションの末、DJ Fummyが優勝に輝きました。DJ Fummyの名前はDMC Japan優勝者のターンテーブリストとしてもその名前が有名ですが、その彼が同じくDJ界の大会としてその地位を確実なものとしているRed Bull Music 3Styleでもタイトルを獲ったことは大きなニュースではないでしょうか。その彼に優勝に至るまでの経緯やDMCとの比較のお話を聞くことができました。


FUMMY poses for a winners portrait during the Red Bull Music 3Style National Final at evoL by GRANDMIRAGE in Fukuoka, Japan on November 24, 2018 // Suguru Saito / Red Bull Content Pool

おめでとうございます。今大会、優勝する自信を持って臨みましたか?。

DJ Fummy : そうですね、正直ありました(笑)。でも、3日くらい前にようやく自信が出てきたというか、それまで全然ルーティンが出来てなくて。2ヶ月くらい前から作り始めたんですけど、全然進まなくて。多分、考え過ぎていたんですよ。DMCの大会の後に作り始めたんで、内容に凝りすぎて進まなかったんだと思います。

Fummyと言えばDMCのタイトルホルダーでもあり、今回で3Styleのタイトルも持つことになりましたが、今何を感じていますか?

DJ Fummy : DMCに関しては本当に自分が好きな事で、自分がほんまにカッコいいと思うことをやるんで、凄くマニアックで、誰にも伝わらないようなDJですよね。同じ側にいるDJ(バトルDJ)にしか伝わらない技とかが好きで、でもそんなのは今日のクラウドには全く伝わるようなものじゃなくて。3Styleに関しては、タイミング、出し方、見せ方を工夫していかないと、全く響かないどころか、むしろマイナスに働くことは理解してたんで。その「え、何してんのこの人?」みたいな(笑)、技の使い方を間違えると結構寒いことになるって言うか。本来Beat Jugglingって素晴らしいものなんですよ、でも出し方が大事で。お笑いとかもそうじゃないですか?めっちゃいいギャグでも、そこじゃないやんとか。僕、マニアックなことは大好きやけど、それがいつも伝わるわけじゃないってこともわかってるんで、言い方が難しいですけど、3Styleで手を抜くとかではないですけど、DMCと比べるとシンプルにしたっていうのが適切なんですかね?とにかく、わかりやすさを重視しました。

わかりやすさを追求する過程で本来自分が持つスキルを削ぎ落とす行為は、不安に感じませんでしたか?

DJ Fummy : 怖いですよ、めちゃくちゃ怖い。「これで大丈夫か?」ってなりますよね。DMCの大会の中でも、僕自身はかなりスキルに特化した部門にエントリーしていて、そこにいるようなDJの中でも、結構マニアックな部類なんで(笑)。にも関わらず、この内容で本当に大丈夫か?っていうところはありましたし、とにかく僕はスクラッチとかBeat Jugglingとかがめちゃくちゃ好きで、やっぱりそこを見て欲しいと感じますよね。もっと色々なDJに見てもらって、みんなにもトライして欲しいって感じる部分はありますんで。


FUMMY poses for a winners portrait during the Red Bull Music 3Style National Final at evoL by GRANDMIRAGE in Fukuoka, Japan on November 24, 2018 // Suguru Saito / Red Bull Content Pool

そもそも今回、Red Bull Music 3Styleに出場しようと思ったきっかけは何だったんですか?

DJ Fummy : そこはノリですね(笑)。本当にノリです。

ノリで出場して優勝って、凄いことですよ?

DJ Fummy : DMC終わって、今日までの期間があったんで、本当にノリで出ようと思って(笑)。それと正直な所、DMCをずっとやってきて、飽きたって言うか、気分転換が必要かなとは思ってました。でも、自分にとってDMCは意地で挑戦し続けるもので、世界一を獲るまでは絶対にやめないって決めてるんで。3Styleに関しては、それこそBさん(DJ B=BALL)が出てるの見ていて、めっちゃ楽しそうだなって思ってたんです。尺も15分で長いですし、削ぎ落とすのが怖いっていうのとは別に、正直この尺の長さだと技を失敗するリスクも減りますし、僕としてはめちゃくちゃ気持ち的に楽ですね。

なるほど。一方で3Styleはナイトクラブ的なバイブスを求められる傾向がありますけど、そこはどう向き合いましたか?

DJ Fummy : 曲を聴くのは好きなんで、パーティー系でこれは苦手っていうジャンルもありますけど、基本的に今日かけた曲はめちゃくちゃ好きなんで。DMCとの比較になっちゃいますけど、実際今日かけたような曲は絶対にDMCでは使えないですよね。だからナイトクラブで聴くような曲を使わないDJだと思われがちですけど、元来音楽が好きなんで、僕としてはいつもと違う曲を使ってルーティンを作れたのは、本当に楽しかったですね。

自分で作ったEditをルーティンに入れるという部分はどう考えてますか?

DJ Fummy : そこは意外と僕はこだわりないです。DMCの裏話みたいなものですけど、流行りの楽曲を編集して使うことってよくありますよ。Ableton Liveみたいなソフトで、原曲に対してキックを足したり、スネアの数を変えたり、普通に聴いたらワケがわからない構成にして、それをルーティンに盛り込んで別な曲にしたりとか、そういうやり方は、邪道と言われればそうかもしれないですけどね。やっぱり昔ながらの、レコードの時代から見てる人達にとっては、Editを使うのは邪道に映ると思います。僕もレコードを使って大会に出てた時代もあるんで「Edit使って何してるんやろ俺?」みたいな、そういう変な感覚に陥ったことはありますけど、僕はこの手法を使い始めるのが割と早かったんで、今は何も違和感はないですね。「こっちのがやり易いやん」みたいな。3Styleっていう大会が出てきて、Editを使ったプレイは結構進化した気がしますね。時代の流れにゴリゴリ慣れていくしかないですし、自分が見せたいものを見せるために抵抗はないんで、場合によっては自分にとって都合良く曲の構成を変えることも必要だと思います。

World Finalに向けてですが、国内大会とはルーティンを変えた方がいいみたいな噂があると思うんですが、どうしますか?

DJ Fummy : そうですよね(笑)。じゃあ、作り直します(笑)。全部違うやつにします。今日から作り直し始めます!全部ですよ、今日やったEditとかも全部変えます。あと、今日は本当にミスが多かった。自分で自分が許せないくらいミスりました。1箇所や2箇所とかいうレベルじゃなくて、全箇所ミスったくらいの感じです。緊張もありましたけど、とにかく準備不足でしたね。15分のルーティンを通しで出来るようになったのが、今日の朝とかなんで、本当に今日ようやく大会に臨めるようになったばっかりだったんですよ(笑)。


FUMMY poses for a winners portrait during the Red Bull Music 3Style National Final at evoL by GRANDMIRAGE in Fukuoka, Japan on November 24, 2018 // Suguru Saito / Red Bull Content Pool

World Finalも大会ウィークの中で予選と決勝があるので、15分のルーティンを2つ用意するのが理想だと言われてますが。

DJ Fummy : やります。いけます。今回、大会の1週間くらい前にBさん(DJ B=BALL)のところに行ったんですよ。その段階で、ほんまにゼロの状態っていうか、色々考えてはいるんですけど、何も形になっていなくて。大会1週間前で実質ゼロの状態って結構ヤバイと思うんですよ。それをDMCとかでも結構やっちゃうタイプなんで、自分で言うのも難ですけど、ちょっと色々やり方とか、準備がおかしいんですよ。でも、そういう危機的な状況で出る「謎のパワー」とかもあるんですけどね(笑)。今回はBさん(DJ B=BALL)の家に行って話をしたら、もうすぐに出来たんですよ。何と言うか、ネタを授けてくれたみたいな。元々こういうのをやりたいっていうのは漠然とありましたけど、僕の中で固まってなくて。ずっと3Styleに出てたBさん(DJ B=BALL)の所に行って、やっぱり得意な人間に意見を聞くっていうのは早いですよね。こんなんもっと早く行けば良かったと思いましたよ。ほんまは2週間くらい前に行く予定だったんですけど、あまりに何も固まっていなくて先延ばしになって。で、行ってみたら2個くらいひらめきを授けてくれて、その後、頭の中にあるものが全部繋がっていくのがわかりましたね。正直なところ、Bさん(DJ B=BALL)の家に行く時点でさえ、何も見せるようなものが無くて(笑)、内心で「やっべぇ・・」って思ってましたけど、あそこに行けば何とかなるっていう根拠の無い自信はありました(笑)。

つまり、World Finalでも今回同様に追い詰められてからルーティンを生み出すということですか・・?

DJ Fummy : いやいや、Finalはちゃんと準備したいと思います(笑)。明日からコツコツ作って、何回も練習して本番に臨みます。それと、これまでの日本のチャンピオンに色々聞いてみようとおもいます。Bさん(DJ B=BALL)もそうですし、DJ YOU-KIさんにも話を聞いて。とにかく先駆者の話を聞かないと始まらないと思います。あと、3Styleであれば、過去のプレイヤーのパクリじゃなくて、あえてのオマージュだったり、ビルドアップした音源を使ったりとか、DMCのカルチャーの中だと絶対に出来ないようなプレイも3Styleの中では評価されるんで、自分も楽しめるルーティンを作りたいですね。今まで僕が歩んだ大会を振り返ると、3秒のちょっとした技のために何ヶ月も繰り返し練習したりとか、正気の沙汰じゃないですし、表現と重圧の間で苦しんでルーティンを作っていましたけど、3Styleに関しては楽しんで作りたいと思います。

最後にWorld Finalへの意気込みをお願いします。

DJ Fummy : 優勝目指して頑張ります。今日のJapan Finalも優勝する自信を持って挑戦しましたけど、その先を全く考えてなかったんで、とにかく頑張ります。今日は自分との戦いと言うか「あそこで間違えるなよ」とか、そんな感覚でしたから、やっぱり準備が大事ですよね。明日からしっかり準備します。それと、台湾は日本から近いんで、応援に来てくれたら嬉しいです。

関連: Red Bull Music 3Styleの大会参加者と同じ経験を

Popular