DJ LeNERD

Bedroom Sessions: DJ LeNERD

DJcityTVのBedroom Sessions、今回はDJcityシンガポールのメンバーDJ LeNERDが登場です。彼は、DJ MagのTOP10ナイトクラブに毎年ランクインしているシンガポールのZoukにてレジデントを務めておりWukiParty Favorのオープニングアクトも務めた実績の持ち主。

<ルーティン解説>

先ず気になったのはイントロ、Ed Sheeranのアルバム「No.6 Collaborations Project」からBruno MarsChris Stapletonを迎えた人気曲“BLOW”のドラムブレイク部分で擦っているスクラッチネタが“Gag Ball Breaks”だという点。“Gag Ball Breaks”といえばスクラッチ界の巨匠D-Styles監修のもと90年代後半にリリースされたバトルブレイクス(ターンテーブリスト、バトルDJ向けのビートやスクラッチネタが多数収録されたレコード)で、当時は世界中のDJバトルで重宝された名盤なのです。そんな懐かしいネタから始まり”BLOW”のドラムブレイク+HOT CUEで軽く遊んだ後、これまた定番の繋ぎになりそうな“BLOW”のフレーズ「Pull My Trigger Let Me Blow Your Mind」から2001年HipHop名曲 Eve “Let Me Blow Ya Mind”にワードプレイMIX。

次にEveの歌いだし「Shake Your Asses」をループさせSean Paul & J Balvinの“Contra La Pared”をイントロドラム部分から乗せていきます。4小節聞いたらフーレズ「Shake Your Asses」を1単語ずつHOT QUEでレゲトンビートに合わせて叩くこと4小節”Contra La Pared”のサビに突入します。ここは“Contra La Pared”がオリジナルヴァージョンではなくHook Firstヴァージョンなのでスムーズな展開が可能に。“Contra La Pared”の笛の音色で1993年チャカ・デマスのヒット曲”Murder She Wrote”のメロディーをTone Playで再現してMIXしつつ、1990年の名曲“Tom’s Dinner”のイントロアカペラ部分をブレンド。

今度は“Tom’s Dinner”のアカペラ部分で2018年のメガヒット曲“Taki Taki”をTone Playで再現します。“Taki Taki”に2拍のループをしかけながら“Wild Thoughts”を使いドラムスクラッチ。前半の“Let Me Blow Ya Mind” 〜 “Contra La Pared”の流れはHOT QUEボタンを使ってヒップホップからレゲトンビートに移行しましたが、今度はドラムスクラッチを使ってレゲトンからヒップホップビートに戻していますね。この手作業はトランジションやEDITを作ったり使えばリスクも無く音も綺麗なのでアリかナシかの意見が別れそうな部分です。ラストは“Wild Thoughts”を2枚使いと見せかけて、ピッチプレイ機能 を盛り込んだ高度なトーンプレイ!何とか“Coco Jumbo”のコーラス部分を再現しているのですが・・・正確性と伝わり易さを考えると個人的には「ナシ」です。この部分こそ上手くEDITでメイクして欲しかった。でもアイデアは面白いですね。

トラックリスト:

1. Ed Sheeran, Chris Stapleton & Bruno Mars – BLOW
2. Eve ft. Gwen Stefani – Let Me Blow Ya Mind
3. Sean Paul & J Balvin – Contra La Pared
4. Chaka Demus & Pliers – Murder She Wrote
5. DNA ft. Suzanne Vega – Tom’s Diner
6. DJ Snake ft. Selena Gomez, Cardi B, & Ozuna – Taki Taki
7. DJ Khaled ft. Rihanna & Bryson Tiller – Wild Thoughts
8. Mr. President – Coco Jambo

いかがでしたでしょうか。
先にも述べた通りスクラッチや二枚使い、HOT CUEを押すなどの「手作業」とそれを簡略化する「EDIT」のバランスについて考えさせられるルーティンだったと思います。どの手法が一番リスク無くかっこ良く見せられるのか、逆にリスクをともなってもチャレンジしてメイクする事が一番かっこいいのか、皆さんも一度考えてみるといいかもしれません。

DJ LeNERDの FacebookInstagramSoundCloud, Twitterをフォロー。

“Bedroom Sessions”でルーティンを公開しませんか?”brs@djcity.com“に動画をお送りください。

関連: Bedroom Sessions: DJ SPYK

Popular

  • Tokyo Young Visionのアーティスト達がDJcityに楽曲を公開

    東京を拠点に活動するHip-Hop クルーのTokyo Young Visionが所属アーティスト達の音源をDJcityで公開してくれました。今年の2月に1st アルバムを公開したNormcore Boyz、Normcore BoyzのDJを務め、クラブDJ/プロデュース双方で活躍中のDJ NORIO、そして...

  • Tips and Tricks: Ortofonの「VNL」カートリッジ

    今回のTips and TricksではMojaxxが先日Ortofonから公開されたDJ用カートリッジ「VNL」をレビューしました。VNLは、DJプレイで行なわれるスクラッチやバックスピンなどの激しい動きへの耐久性を高めているのが特徴です。また、レコード溝への追従性も高く設計されています。最初に限定で販売さ...

  • DopeOnigiriの色々聞いちゃってすいません: DJ CHARI

    DJcity JapanのDopeOnigiriによるインタビューシリーズ、「DopeOnigiriの色々聞いちゃってすいません」第4弾が公開されました。 この企画ではDJとしても活動するDopeOnigiriが同じく国内で活躍しているDJにインタビューを行い、現状について様々な質問を行っていくという企画です...

  • Playssonのニューアルバム「Real Trap 2」をDJcityに掲載

    ブラジル出身のラッパーで日本語とポルトガル語を使いこなすバイリンガルラッパーのPlayssonがニューアルバム、「Real Trap 2」をリリース。自身の過酷な経験やストリートでの実体験を率直に歌詞に込め、強烈な存在感を持つ彼は攻撃的な一面もありながら、男女を問わず愛されるキャラクターのPlayssonが2...

  • DJcityポッドキャスト DJ YanatakeのHip-Hopミックス

    レコードショップCiscoのヒップホップ・チーフバイヤーとして渋谷・宇田川町の一時代を築き、日本におけるヒップホップ・ムーヴメントの一端を担い、現在はblock fmの番組INSIDE OUTにてディレクターを務めるDJ Yanatake。その彼が日本とアメリカのHip-Hopの新しい楽曲をフュチャーした41...

  • Candeeのアルバム「Rockdwon」の楽曲をDJcityに掲載

    今年1月にファーストアルバムをリリースしたばかりのCandeeのセカンドアルバム「Rockdown」が早くも完成。ラップ、ビートともに前作よりさらに磨きをかけた作品には10曲が収録されたていて、今回はゲストフューチャーで7との「Unlucky」、KOWICHIとの「SUPERHOT」、LANAとの「35℃」、...

  • 【THE HITS】国立競技場 F.C.TOKYOのスタジアムでプレイした楽曲は?by DJ RAM

    これまでのTHE HITSはナイトクラブで実際にかかっている楽曲を紹介してきましたが、今回はスタジアムで実際にプレイされている楽曲を紹介します。F.C.TOKYOのスタジアムDJを担うDJ RAMがその選曲を公開してくれました。このリストは4月29日(金)に行われたF.C.TOKYO 対 ガンバ大阪戦のDJタ...

  • 楽曲の一括ダウンロードを可能にしたDJcityのデスクトップアプリ公開

    DJcityはレコードプールクレート内の楽曲を一括でダウンロードする事が出来る、無料のデスクトップアプリケーションを開発しました。これにより、ダウンロードにかけていた手間と時間を大幅に短縮する事が可能となりました。 デスクトップアプリの主な機能: - クレート内の楽曲を一括でダウンロードする事が可能 - DJ...