ALAMAKIが自身のキャリア、そしてパーティーやDJに対しての考えを語る

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DJ ALAMAKI at Club Harlem. (Instagram: @clubharlem)

常に最先端を追いかけるDJとして全国で活躍中のALAMAKIにDJcity JapanのYukiとDJ OKIがインタビューを行いました。彼は毎週金曜日のClub HARLEMで行われているイベント”Born Free”のレジデントDJ、またAbemaTVのHip-Hopチャンネルにて行われているAbema Mixなどにレギュラーで出演中です。

ALAMAKIさんがDJを始めたきっかけを教えて下さい。

ALAMAKI : 最初はDJをやる気は全くなかったんだけど、小さい頃から親の趣味で洋楽のPops、カーペンターズやビートルズ、マドンナなんかのPopsをずっと聴かされてて。中学入ってからは、Rockやバスケをやってたのもあって、Hip-Hopとかもごちゃごちゃで聴いてて、ギターも買うし、Manhattan Recordsに行ってHip-Hopのレコードも買うし、何をやったらいいか分からない状態で、とにかく音楽をずっと聴いてて。

当時から家にレコードプレイヤーはあったんですか?

ALAMAKI : レコードプレイヤーはあったけど、ターンテーブルはなくて、親父のレコードプレイヤーで聴くだけだった。ギターやったらカッコいいかな?って思って、とりあえず買ってみたんだけど、全然上達しなくて、すぐに辞めちゃって。それとダンスをやってみようかな?と思って、ダンスのビデオ見たけど、俺には無理だなと思ったし。ラップとか歌はどうかな?って思ったけど、俺音痴だし、諦めて、それでも音楽が好きだから、レコードだけはずっと買ってたね。高校1年の時に、地元でDJをやってるバイト先の先輩が家に遊びに来て、その先輩より俺の方が3倍近くレコードを持っているのを見て「こんだけレコード持ってるなら、お前DJやってみたら?」って言われて、そこでようやく「その手があったか!」って気づいて、ターンテーブルを買ってから今に至る感じかな。性格的にもDJが一番向いてたのかなって思うし、オタクだし、収集癖あるし、根暗な性格がDJに向いてるかなと思って。

ALAMAKIさんが記憶にある中で、一番最初に聴いた洋楽って何ですか?

ALAMAKI : これは母親にもめっちゃ言われるし、自分でも良く覚えてるんだけど、3歳くらいの時に、オリビア・ニュートンジョンの「そよ風の誘惑」っていう、何かのCMの曲だったんだけど、この曲が好き過ぎて、当時はレコードとカセットテープしか無い時代で、何度も母親に「もう1回かけて」ってお願いしまくったら、母親も面倒になってきて、この曲だけをリピートするカセットテープを作って、ずっと家でかけてたらしい。

人前でDJを始めたのは何歳の頃ですか?

ALAMAKI : ターンテーブルを買った2ヶ月後くらいに、さっき言ったバイト先の先輩が声をかけてくれて、それが15の時だね。六本木のNUTSで初めてやった。お客さんも20人程度しかいない、小さいイベントだったけど。最初のうちはみんな面白がって、地元や学校の友達も来てくれてたんだけど、始めて1年後くらいには、みんな遊びに来なくなって(笑)。

ではキャリアとしては15年以上・・?

DJ ALAMAKI : 今19年目だから、来年で20年だね。まあ最初のうちはほとんど遊びなんだけどね。

現在、HARLEMのBorn FreeでメインタイムでDJをされていますが、HARLEMでメインタイムを担当し始めたのはいつ頃からですか?

ALAMAKI : 単発のイベントでは20、21歳の頃、先輩のイベントでやらしてもらったりとか、帯とかはなかったけど、自分でもイベントも持ってたし。月1のレギュラーでやるようになったのは22歳の頃かな。それは自分主導で企画したイベントだったり、KEN-SKEくんと一緒にやってたパーティーとかでやってたね。

ゲストで呼ばれたりするのもあるけど、結構、自分発信のイベントをやってるよね?

ALAMAKI : そうですね、勿論、人に呼んでもらえるのはありがたいです。ただ、単発としてはいいんですけど、本当に自分がやりたいものとか、こういう音楽を表現したいって時に、誰かのイベントに出て、他のDJは違うことを表現したいと思っている中で、自分がやりたいことを無理矢理やるのであれば、面倒ですけど、自分でゼロから作った方が、表現出来るのかなって。めちゃくちゃ面倒臭い部分もありますけど、そっちの方が気持ちも楽ですし、楽しいですし。やりたい事を完璧に出来なくても、誰かのせいにしなくてもいいじゃないですか。自分の責任でやれるんで、そういう意味では楽ですよね。作業とか、労力の面では、面倒なこともありますけど、DJとして気持ちの上では、クリーンでいられるって言うか。

イベントをやる上で、一番大変な部分は何ですか?

ALAMAKI : 企画して、コンセプトを決めて、同じ志を持つ人達を集めて、その人達の心に火をつける作業が一番大変だと思います。やっぱり、自然と同じ方を向いてくれるっていうのが大事で、無理矢理だと意味がないんで。一緒に楽しく盛り上げていこうって思って貰うのが、1番難しいと思います。

そういう感覚って、どういう風に周りに伝えるんですか?プレイでですか?

ALAMAKI : いや、伝えきれてないと思います。全員の気持ちを同じところに持っていくことは、俺だけでは出来ないですし。でも、その中の何人かが共感してくれて、同じところに向かって一緒にやってくれる人も結構いるんで。DJプレイもそうですけど、フロアにいるお客さんを100%最高な状態に持って行くことは出来ないですけど、自分が思い描くものに共感してくれている人達を、どこまで楽しませられるか?っていうところだと思うんで。Born Freeでも、全員に伝わってるとは思っていないんですよ。結構、HARLEMの中では特殊と言うか、今までに無い事をやってるんで。捨てる部分は捨てて、自分が良いなって思うところは伸ばしていくスタンスで、外国人のお客さんも含め、Born Freeを好きって言ってくれる人で盛り上がってきてますね。

音楽的なミーティングはするんですか?

ALAMAKI : いや、そこまで細かくはしないですね。毎週のBorn Freeを聴いてくれれば、理解できる子は、ある程度把握してくれますし、伝わりきらないとしても、そこまで強制的にやって貰うという考えじゃないんで。あまりにも合わければ、無理してやる必要も全くなくて、強制的にやるっていうのは不健康かなと思いますね。

音源的な部分はシェアしたりするの?

ALAMAKI : それはしますね。同じ感覚を持っていて、それを良いって思ってくれる子達とは、音楽と情報、スキルは常にシェアしながら、皆で伸ばしていこうって感じです。レコードの時代は、持ってないと買う必要がありましたけど、今は良くも悪くもデータなので、全部を与えてしまうのは良くないとは思いますけど、同じ方向性を持っていて、日々努力してる子達にシェアするのは全然いいのかなと。何の努力も無しに「データだけください」って人にはゴメンねって感じですけどね。

そんな図々しい子いる(笑)?

ALAMAKI : たまーにです、本当にたまに。

あげてばかりですか?逆に音源を貰う事もある?

ALAMAKI : ほぼ無いですけど、たまに。割合で言うと9:1くらいですかね。自分から9を伝えて、1返ってくると言うよりは、そこで得られる1で、自分自身、少しでも成長出来るので、惜しまずにでいいと思うんです。特別な何かを持ってる子、自分にない感覚やセンス、良いものを持ってる子に関しては、損得抜きで、周りから影響や得られるものって沢山あって、逆に彼らのお陰でやれている部分もあるので、若い子達には感謝してます。

HARLEMでレジデントというか、自分のイベントを獲得するまでに苦労した経験はありますか?

ALAMAKI : HARLEMの金曜日の帯をやって8年くらい経つんだけど、元々はBXのイベントで、それが始まる前まではメインフロアで帯をやったことが無かったから、帯をやりたいって思いはあったけど、いざ下のメインフロアで自分のイベントが始まってみたら、BXで長くやってた「慣れ」っていうのがどうしてもあって、嬉しい感覚もあったけど、達成感はあんまり無くて、逆にプレッシャーの方が大きかった。特にBorn Freeになる時は、嬉しいという感情よりも、その何十倍ものプレッシャーがあって。当時は金曜日も難しい状態が続いていた中での、Born Freeのスタートだったんで。急に毎週俺一人でやれって言われても、俺だけでダメな状況をひっくり返す程の力は持ってないって、自分自身でわかっていたし、結構なギャンブルだったと思うし、お店的にも結構なギャンブルだったと思う。2年前の8月に始めて、Born Freeが凄く良いPartyになってきた今だから言えるけど、当時始める時に「ダメだったら年内でクビ切って下さい」っていう条件で始めてて。俺は延命したりするのがあんまり好きじゃないから、ダメだったらバッサリと。

それはお客さんの入り的に?

ALAMAKI : そうですね。でも、入りがちょっと悪かったとしても、イベントとして可能性を見てくれるのであれば、やっている俺も、お店も、何か先に光が見えるんであれば、そこに向かって続けましょうっていうのはありましたけど、結構ギャンブルなことをしたので。パーティーのやり方とか、DJプレイも含めて、それまでのHARLEMの歴史の枠から、完全に外れた、新しいHip Hopだったり、今言われているFestival Trapじゃなくて、Hip Hopで言うTrapミュージックだったり。今のHip Hopは、ほんとんどがそういうのですけど、まだ当時は、そこをピークに持っていくパーティーが無かったから。今でこそ当たり前なんだけど、当時はまだギャンブルで。でも、それをやったら、外国人のお客さん達が喜んでくれて、海外からのお客さんがめちゃくちゃ増えて、半年経って「良かったー」とは思えたけど、正直に言うと、そこまではプレッシャーが・・・。

とは言え、手応えは最初からあったでしょう?

ALAMAKI : いやぁ~「悪くはないな」とは思ってましたけど、だけど勢いだけで持っていくしかない部分もあったんで最初は「やってやるぞオラァ!」みたいなね。若い奴らと「Yeah!!」みたいな。俺ももう、頭のネジ1個外してやってる感覚は半年くらいあったんで、8月に始めて、年明けるまでは全速力で、手応えというよりかは、何とかこの状態を上向きに持って行くことだけを考えていたので、冷静に「イケるかな?」って見れたのは、半年経ってからですね。

DJ ALAMAKI at Club Harlem. (Instagram: @clubharlem)

ちなみにHARLEMのメインフロアで帯っていうのは、BXでやり始める時から目標にしていたの?

ALAMAKI : 勿論、メインフロアでお客さんを頂点までブチ上げるっていうプレイも大好きですし、目標にはしてました。でも、真逆の、ラウンジでゆっくり音楽を聴いて欲しいみたいな、座ったままで気持ち良くなって聴き入ってしまうみたいなプレイも大好きですし、どっちも好きなんで。自分が好きなプレイスタイルって沢山あるんで、BXだったらBXらしさ、ちょっと洒落た感じの、メインフロアでは出来ない事をやりたいっていうのはあったんで、BXはBXで好きなんですよ。絶対にメインフロアじゃなきゃ嫌だとか、正直そういう感覚は今でも無くて。上なら上で、他の箱なら他の箱でみたいな。メインフロアでの帯っていう経験が無かったんで、一度やってみたいという気持ちはありましたけど、メインフロアだから凄い!とか、そういう感覚は無くて。ラウンジでめちゃくちゃいいプレイする人なのに、メインだと全然ダメだとか、その逆も然りで、俺はどっちも出来るのが一番理想だなっていう考えなんで。

単に経験として、メインフロアの帯を持ちたいという感じですか?

ALAMAKI : この歳になってみて、野心という意味では、他のDJよりも欲求は薄いのかなとは感じますね。俺そういう野心弱かったな~と。何が何でもみたいな感情は、あんまり無かったんで。求められて、使って貰えるなら、よろしくお願いしますみたいな感じだったんで・・(笑)。

週末のHARLEMのメインフロアのメインタイムを務めているDJの中では、年齢的には完全に若いと思うんですけど。

ALAMAKI : もう35になる歳だから、バリバリ中年なんだけど、先輩達と比べると、一個下の世代にはなるかな。

Born Freeを始めた時のプレッシャーと言うのは、一個下の世代という年齢的な部分のプレッシャーもあったんですか?

ALAMAKI : いや、その前にやっていたイベントが終わる時にも、一緒にやってたDJとして、俺にも当然責任はあって、なのにイベントが終わるというのにも関わらず、今度は俺がメインで新しく始めるってなった時「これをコケたら結構アウトだな・・」っていうプレッシャーかな。金曜日に関しては、Born Freeの前から関わってきてるから、一応自分も看板に載せてもらってたイベントを終わらせるって言うのは、俺自身も戦犯だから。それを、自分だけ立って新しく始めるって、正直ありがたいけど、でも「マジで・・?」っていうのもある。

自分自身に対するプレッシャーですね。

ALAMAKI : そうですね、自分も関わって、みんなでやってきてダメだったものを「次はテメーだけでやってみろ!」って言われても「マジで!?」っていう(笑)。正直、成功出来るっていう確信なんて無かったですし、やれることを本気でやるしかなかった。頭を使ってこんな風にやろうみたいなのも、全く意味がないってわかっていたし、それなら自分が思う事をフルでやってみて、ダメだったら自分がイケてないってことで諦めもつくし、逆にやりたくもないDJをズルズル続けてクビですって言われる方が一番嫌で。今自分が感じてる、これがカッコいいと思うものを全力でやってみて、それで結果が出ないならしょうがない。ある意味では、やるべきことが1個だけになったんで、逆にやりやすかったのかもしれませんね。本当に余計なことを考えないでやったんで。変な意味じゃないですけど、例えが悪いかもしれないですけど、決死の「帰りの燃料積まないで行ったるわ!」っていう気持ちだったんで(笑)。陸地までたどり着かなかったら、引き返す気はありませんっていう気持ちだったんで(笑)。

でもそこまでのプレッシャーと言うか、DJに限らず、色んな仕事に言えるかもしれないですが、大好きなことを全力でやって、ダメだったら、後戻り出来ないみたいな環境ってどうなんですかね?

ALAMAKI : いやいや、DJ辞めるとか、そこまでではないですよ。DJっていうライセンスがあるわけでもないし、試験を受けて免許を取るものでもないんで、他の職業と比べたら、機材を買ってDJ始めた1日目の人も、30年やってる人も「DJです」って言えばDJなんで。なので、イベントで失敗しても、DJを辞める「必要」はないと思ってますし、俺は還暦までDJを続けるつもりですけど、DJだけで飯を食うかって言われると、そこに関しては色んな選択肢があってもいいと思ってます。別に会社員しながら週末だけDJの人も、俺はDJだと思うんで。DJだけで飯を食おうっていうのをゴールにしていると、イベントを失敗したらDJを続けられないっていうマインドになっていきますけど。俺は最初からそういう風には考えてなくて、でも、今はお陰様でDJと、DJに関わるA&R的な仕事で生活が出来ているんで。でも、これから5年後、10年後、どんどん環境は変化していくと思うんで、DJを続けていることが「DJ」なんだと思うんですよね。俺は、あまりそこの恐怖心は持ってないです。でも今のシーンを見ていると、そこに恐怖心を持ちながらDJをしている人は多いのかなとは感じます。別に1つのイベントをクビになったからと言って、DJを辞める必要はないですよね。楽しくて、好きでDJやってるのに、クビになる恐怖を持ちながらDJをするのって、面白くないじゃないですか?それって凄くストレスじゃないですか?そんな精神状態で、本当に自分が良いと思ってる音楽をお客さんに伝えられるとは、俺には思えないですね。

だからALAMAKIはソングセレクションも他のDJとは異なるんだろうね。勿論、お客さんを盛り上げると言う前提はあるんだろうけど、DJという仕事の捉え方の部分で。

ALAMAKI : ビートルズもマドンナも、めっちゃPopsだと思うんですよ。最初の方にも言いましたけど、俺は恥ずかしいくらいのPopミュージックも大好きですし、逆にコアな音楽とかも。俺はRockを聴いた時、Rockというジャンルよりも、Rockn’Rollの精神とか、Punkの精神が、俺の中にあるHip Hopの精神に通ずるものがあって、今の体制に対して反発したり、既存のものに対して、メディアだったり、音楽業界だったり、社会とか、全部含めて、そういうものに対する時の若者のエネルギーが、音楽で表現される部分に俺は凄く惹かれたから。世代的にはHip Hopをやってるけど、あと20年若かったら、Punk、Rockやってたでしょうし、本当に凄くPopsも好きなんですよ。だから、俺は矛盾してて、嫌いなものも勿論ありますけど、良いPopsは好きだし、Punk、Rockでも、嫌いなものはあるし、カッコ良くないものは、カッコ良くないって思いますし、ジャンルではなく、自分が良いと思うものがカッコいいというシンプルなところですよね。

※パート2はこちらから

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関連: DJcity Japan Interview: DJ HAZIME Pt.2