DJcity価格改定のお知らせ
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DJ ALAMAKI at Club Harlem. (Instagram: @clubharlem)
常に最先端を追いかけるDJとして全国で活躍中のALAMAKIにDJcity JapanのYukiとDJ OKIがインタビューを行いました。前回のインタビューでは自身のキャリア、そしてパーティーやDJに対しての考えを語ってくれたALAMAKI。今回は影響を受けたDJ A.M.について、また今後のDJシーンについて語りました。
※前回のインタビューはこちらから
ALAMAKIさんの今のDJスタイルに影響を与えた先輩DJって誰なんですか?
ALAMAKI : 日本だと、確実に言えるのは、HARLEMの土曜日をやっていた井上くん。そしてKANGOさんとKOYAさん。海外だとやっぱり、DJ A.M.なんだと思う。それはもう、追っかけみたいな感じだったし。
今でも参考にしていますか?
ALAMAKI : さすがにA.M.のプレイを頻繁に聴くってことは無くなったけど、彼が生きていた頃は、彼がかけていた曲に影響を受けるってのがあった。でも、A.M.が亡くなってからは、彼のマインドとか、考え方とか、DJのやり方、何をやったのか?そういうところを考えるかな。どの曲をかけたとかじゃなくて、A.M.がやったお陰で、Hip HopのDJが四つ打ちをかけるとか、Rockを混ぜるとか、色んなジャンルをクロスオーバーするのが当たり前になった今だけど、Mark RonsonやStretchもいたけど、やっぱり俺はA.M.が全部ひっくり返したと思ってるから。「絶対ナシ」を「アリ」にした人だから。A.M.に憧れるんだったら、俺は、A.M.がかけた曲を全部なぞるんじゃなくて、もし今も彼が生きていたら、彼が今どんな革命を起こしているのかを考えてDJを続けることが、俺がA.M.に影響を受けた意味だと思ってて。だから、むしろ、常に何かに反発をすることを(笑)。
A.M.に影響を受けた人って多いよね。A.M.と同じ様な繋ぎをするDJは今も多いけど、現代バージョンのお手本が無くなったから、A.M.のアップデート版を考えると言うのは、なかなか・・。
ALAMAKI : A.M.がやった事って、お手本となる存在が誰もいない環境で、彼の道を切り開いたわけじゃなですか。A.M.に憧れて、影響を受けたと言うのであれば、彼だけをお手本に5年、10年DJを続けるだけじゃなく、むしろ逆なんだと思います。勿論、彼がやったことを全て勉強するべきではありますけど、それをやった上で、自分だったらこうだよっていうのを生み出すことが、A.M.に影響を受けた人々が進むべき道じゃないかなって思ってます。彼をなぞることを否定する気は全くないですけど、俺が思うA.M.のマインドとは、ちょっと違うのかなと。こうじゃなきゃいけないっていうルールを作る側の存在になってはいけないと思うんで。音楽は自由だっていうところを、表現出来るようにならないと。
A.M.スタイルのミックスをするのではなくて、A.M.イズムのミックスをするということですね。
ALAMAKI : そうです。この前、ネットの記事でWALEが、必要性があることは確かだけど、ヒットチャートだけに捉われて全員が同じような曲をかけるのがDJじゃなくて「自分はこう思う、自分はこういう音楽が好きだ」っていうプレイが出来ないDJを、DJとは思っていないみたいな話をしていて。それをDJじゃなくて、ラッパーに言われちゃったなって感じですけど。でも、WALEが言った事って、正しくその通りだと思うんで。かと言って、ヒットチャートを無視して、エゴだけでやるのも違うと思いますし、バランスは絶対に大事なんですけど、自分が良いと思える音楽がゼロになっちゃったら、それはもうAIがDJをやればいいと思うし、物凄いイケメンの立体映像を映して、AIがDJプレイしてるのが完璧ですよね。それこそA.M.のAIをプログラムしてやらせた方がいいですし。でも、俺はミスも人間の良さに含まれると思いますし、トライアンドエラーを繰り返す過程で、機械やルールで縛られた考えの中からは生まれないことが実現出来ると思うんです。何かを成し遂げる人って、普通の人より多くの失敗した経験から、何かを生み出してると思うんで、俺はそんな大きな事は出来ないかもしれないけど、失敗から学ぶ姿勢っていうのは、若い世代に見せていかなくちゃいけないって思ってます。失敗する時は派手に失敗しようかなと(笑)。こんな偉そうなこと言って、来年いきなりBorn Free終わりました~みたいになってる可能性は全然あると思うんで(笑)。
一同 : (爆笑)
ALAMAKI : でも、そのくらいでいいのかなって。ビビりながらやるっていうのは、俺が好きな音楽のやり方と違うんで。
とは言え、昨今のナイトクラブの体制、箱側の考え方とは相反するものなんじゃない?極端な話、クラブ側としては、失敗は嬉しくないし、ホログラムでイケメンや綺麗なお姉さんがDJをやっている映像を流して、それで盛り上がれば、それでいいみたいな?
ALAMAKI : 少なくとも、俺みたいなDJを使いたいと思ってくれるのは酔狂な人達だと思いますね。でも、今のHARLEMは、そういうのを必要としてくれているとは感じますけど。収益だけを考えてお店をやっているわけじゃないと思うんで、俺を使ってくれているんだと思います。勿論、そこに対して数字を出さないといけないこともわかってますし、皆に生活もあるし、お金は大事ですよ。その上で「お金より大事なものはある」っていうマインドは共有してるんじゃないかと思います。DJもお店側も、全てが完璧ではないので、お互いに改善していくべきところは、1つ1つ進化するべきだと思いますけど、今俺がやらせて貰えている環境では、今言った様な感じで捉えてくれてるのかなと。じゃないと、俺みたいなDJ使わないと思いますし(笑)。
クラブDJとしての最終目標じゃないですけど、今の一番の目標は何ですか?
ALAMAKI : 自分一人で達成出来る目標ではないんだけど、大きな目標として、日本のアーティストとかDJ、それこそDJもラッパーも、プロデューサーもダンサーも、世界でもっと活躍できるような土壌を作ることかな。既にHip-Hop以外のジャンルでは沢山いるし、Hip-Hopでも全然いるんだけど、でも、それをビジネスと言うよりは、もっとアートの側面から、楽曲とかプレイが凄いと言われて日本のDJがブッキングされたり、プロデュースするビートがカッコいいとかで評価されるような、そういうアーティストが生まれやすい土壌を作ることが目標かな。それを考えた時に、クラブって絶対に無くなったらダメで、むしろ必要なものだと思ってる。クラブが存続することでシーンの底辺を支えることが出来るのかなと。クラブミュージックがあるから、歌い手だったり、作り手が成立するわけで、世界中でクラブ禁止ってなったら、クラブミュージックを作る人っていなくなっちゃうわけだから。シーンが発展していけるような土壌を作る事。その一端を担えたらなと思う。個人的に自分自身が成功をっていう考えは、ゼロなわけじゃないけど、それよりも、もっとやらなくちゃいけないことがね。自分のアーティスト活動はするんだけど、もっと才能がある若い世代のDJとかが、どんなことでも表現しやすい環境を作るっていうのが、俺らの世代の役割なのかなと・・。今まで先輩達がシーンを作ってきてくれたから、作ってきて貰ったけど、それと同時に、こうじゃなきゃダメみたいな、システム的な見えないルールが出来上がってしまっていて、それを壊すのが俺らの世代で、次の世代、もっと自由な発想を持った人達が活躍できる土壌を作るのが、俺らの世代の役割なんじゃないかなって。そんなに評価される役回りじゃないけど、でも誰かがやらないと、誰もやらないと思うからね。
これを聞こうと思ってたんだけど、35歳でHARLEMでレジデントを持ってるというのは、若い年齢で素晴らしいことだと思うんだけど。でも、日本のDJのトッププレイヤーが30代というのは、世界的な視点で見ると、全然良く無いと思う。20代でレジデント持って、全国的に人気があるとか、カッコいい事をやってるとか、何故日本からそういうDJが出ないのかな?と思ってて。
ALAMAKI : それはやっぱり、システムだったりルールだったり、制約とか、暗黙の了解とか・・・。今年も世間では「忖度」みたいなのが盛り上がったけど、やっぱり皆顔色見るし、自分が損してでも、批判を受けながらでも、率先して何か新しいことをやろうって人は、海外と比べたら日本は少ないと思うんだよね。やっぱり行列が出来ているパンケーキ屋とか、ラーメン屋にとりあえず行く文化だし「自分はこうだ!」って主張しづらい風潮がどっかに残ってるのかもしれない。でも、今の20代とか、それ以下の子達って、大人が思っている程そんな風に考えてなくて、だいぶ見えないルールは壊れてきていると思うから、その子達がちゃんと正当に評価されるような土壌に戻すっていうのが、30代くらいの奴らの役割なんじゃないかなと。ここで終わらせたら、シーンに対して俺らは役割を果たせなかったんじゃないかって。
だから結構、若い世代のアーティストとやってるんですね?
ALAMAKI : やっぱり、若者が一番大事なんですよ。当たり前の話で、先輩を尊敬してるし、これまで先輩方が成し遂げた功績は本当に称えますし、感謝しています。だからこそ、もっと盛り上げないといけないという意味で、次の世代を盛り上げる作業をしないといけないですし、自分自身のことも忘れずにね。
ALAMAKI, SHINTARO, Full Crate, MARZY,YUKIBEB,JIRO at Club Harlem. (Instagram: @clubharlem)
質問がガラッと変わるんですけど、最近お仕事としてA&Rをされていたり、少し前はALAMAKIさんが他のアーティストさんと組んでリミックスを出すとか、そのような活動をされてると思うんですけど、今後もそのような活動をメインに続けていくんですか?
ALAMAKI : それは続けていこうと思う。プロデューサーになってフェスに出て!っていう考えじゃ無くて、むしろそこはあまり望んでいなくて。だけど、自分がいいなって思う音楽って、もう自分で表現した方がいいのかな?っていう気持ちが大きくなってきて、そうなると自分達で作れるっていうのは、大きな武器になるなと。DJプレイで表現するために楽曲を作るっていうのは、今後も続けていくと思う。バズらせたり、売るってなると、別な話になるんで、そこまでは考えていないけど、自分がDJをやるために必要な曲っていうのは、自分達で作っていくんだろうなと思う。
着たい服がないから自分で作っちゃうみたいな。
ALAMAKI : それに近いと思います。でも0から1をやるつもりはあまりなくて、あくまでもエディットやリミックスとかに関しては、DJの方がそういう感覚に長けてる部分があると思うので、そこに関しては、より多くやっていこうと思っています。それをやっていく中で、制作作業が楽しくなって、もっとプロデュースをやってみたいと思ったら、何年後かに今言ってる事と変わってるかもしれないですけどね。今のところは、自分がプロデューサーになろうという気持ちはないですね。あくまでも、DJという自分があった上での制作活動です。
最近新しい音源を公開していないけど、最近はあまりやっていないの?
ALAMAKI : 今作ってて、A&R的な仕事を始めてからは自分名義のものとかはやらずに、と言うか、自分のをやれなかった部分もありますし。でも、ようやく再開しようかなと思います。ここ3年位は自分名義のものとしては何もやってなかったですけど、でもこれから増やしていこうと思います。
ALAMAKIさんのInstagramで、海外の有名なアーティストと写っている写真を見るんですけど。例えばSkrillexとかTroyboiとか。今後は、そのような海外のアーティストとコラボをする予定はあるんですか?
ALAMAKI : 昔は海外の奴らとやるのは憧れだったし、海外のDJと一緒のパーティーに出ることを目標にしていた時期もあったんだけど「それをやったから何が凄いの?」って感じかな今は。むしろ自分達、日本側のアーティストが、トレードとかの条件じゃなくて、アートの質を評価されて海外に呼ばれる。アーティストとしてクラブイベントでも、フェスでも、しっかりした理由があって呼ばれないと意味がないのかなと思って。勿論、海外の奴らは、俺達が持っていないものを持っているし、色んな刺激をくれるから、一緒に遊ぶのは本当に楽しいんだけど、だからと言って「海外の奴らと同じイベントに出たから凄い」みたいな感覚は全く無くなって。と言うか、むしろ自分の無力さを毎回痛感するだけで。ただ「出てる」だけって感じちゃう時があって、無力さも見えるし、早く俺もそういう力を付けなくちゃいけないって感じるよね。
本当に珍しいタイプのDJだよね(笑)。
ALAMAKI : 井上くん、KOYAさん、KANGOさんに「好きなようにやれ」って言われたのを勘違いしてこんな感じになっちゃったんです(笑)。
でもDJ好きなんだっていうのは、一番伝わるよ。
ALAMAKI : ありがとうございます。そうですね、DJ好きっすね。DJの練習は大嫌いなんですけど(笑)、DJするのは好きっすね!
練習するの??
ALAMAKI : 一切しないですね(笑)。これはインタビューで言う事じゃないし、若者には知って欲しくないですけど、俺の家、タンテもう繋がってないです(笑)。
一同: えぇええええ(爆笑)!
ALAMAKI : ごめんなさい(笑)!でも若い子たちは絶対練習しないといけないと思うし、俺はスクラッチ出来ないけど、スクラッチは絶対できた方がいいと思うから、皆頑張ってください(笑)!
特に若い世代のDJに向けてのアドバイスというか、こうした方がいいというのはありますか?
ALAMAKI : 説教臭くなりたくないんだけどな・・・。もっと楽しんで音楽を好きになった方がいいと思うかな。SNSが誕生してから、今までなかった形で評価が下される社会になって、やっぱり本質的な部分が見えにくくなってると思うんだよね。インターネットの時代だから、フェスもクラブも、DJもミックスも、映像で見れるし、聴ける様になったけど、でも生で現場で体感するのって全然違うものだから。10代20代の時に、色んな場所や海外に行って喰らった衝撃をガソリンにして今も走ってる部分があるんで、若い世代も、今まで見たことがない場所、本当に凄いパーティー、DJ、アーティストを生で体感して何かを感じるっていうのは、プラスになっていくと思う。そういう経験を実際にすることは大事だと思う。それと、さっきも言ったけど、自分達がカッコいいと思うものを、全力でやること。変にルールに縛られるよりは、失敗した方がいい。失敗から学んで精度を上げればいいのかなと。失敗を恐れてやる5年よりも、失敗してもいいから1年間フルで突っ込んで、それで失敗した方が、自分に足りないものは見えてくると思うから。ガンガン怒られて、ガンガンディスられて、恐れずにやったらいいと思う。今の若い世代のDJって、みんな本当にある程度出来る子が9割で、誰が今後頭1つ越えてくるの?って聞かれると、優劣付けられない程なんで。だったら、3回やって2回はドンスベりするんだけど、1回だけ「めっちゃオモロいなコイツ!」っていう感じの個性はあってもいいんじゃないかと。俺はひょっとしたら、そういうタイプのDJだったかもしれない。そんな俺を、器の大きい井上さん、KANGOさん、KOYAさんっていう先輩達のお陰で、何とかここまでやらせて貰ったんだと思う。
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