SONPUB (Monster Rion)がインスピレーションや音楽事情について語る

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Monster Rion (Photo source: Instagram)

Monster Rionのアルバム、”MESSAGE“のリリースパーティーを終えたばかりのSONPUBが前回のインタビューに続き、プロデューサーとしてインスパイアされるものや、現在の日本の音楽事情とこれからの未来について語ってくれました。

DJcity YUKI(以降Y) : プロデューシングに関してですが、モチベーションだったり、こういう曲を作ろうとか、主に何からスタートするんですか?

SONPUB : インスパイアを受けるケースは様々ですが、1番は今も昔も変わらず「カッコいいモノに出会った時」です。時代/ジャンル関係なくです。予想以上のカッコいい曲を聴いた時、あとカッコいいクリエーションとかファッションに触れた時。インタビュー冒頭でDJプロデューサーとクラブDJのリンクする点について述べましたが、曲やトレンドを知るだけでなく断片的な作曲アイデアを増やすという意味でもDIGはDJプロデューサーにとっても重要だと思ってます。

Y : 難しくないですか?例えばDIGしていってこの曲いいなーっと思ったら、その曲が自分がこれから作ろうとしている曲と似ちゃわないですか?

SONPUB : まず第一に音楽ファンなので、刺激を受けるという意味です。どうやってるんだろう?はありますがパクろうとは思いません。昔、海外の友人に日本人は平気でパクるけど欧米でそれは恥ずかしいから絶対やらないって言われたのが大きいです(笑)。でも中々その辺の境界線を決めるのは難しいんですが、僕はギターから始まっているのでギターが上手くなるには最初はコピーしかないので。知るという意味で、リリースさえしなければコピってみるのはダメではないと思います。それにやはり音楽を含め文化/思考も世の中は全て先人の産物のシェアで形成されていると思うし、自分もその恩恵で成り立っています。だから100パーセントのオリジナルを生み出すことはそもそも不可能だと思いますが、これまでの文化を理解し自分なりな新しい解釈でアップデートした表現を伝えることができればいいと思います。そこにセンスやユーモアが入ればオリジナリティとして更に人に受け入れられるのかなと。要は、音楽はスポーツではないけど同じく文化なのでいかにして今までの記録を更新するかって事なのかなと思ってます。なので日本にありがちな「欧米にもろ影響されてます」っていうパクりっぽい作品が100%悪いことではないと思います。10年前より確実に日本の全体レベルは上がってはいるしスキルやセンスを養うって意味で。でもそれがゴールって思ったらダメだし、日本だからそれでリリースできちゃってる作品はあると思います。欧米ではそのレベルでは相手にされない可能性がある。でもまだそれが今の日本。さらにアップデートして世界と勝負できるレベルになればいいなと。音楽家もある種のアスリートだと思ってます。

Y : 音源はどのように手に入れてますか?ミュージシャンの演奏をレコーディングするのか。サンプリングするのか、SPLICEのような音源サイトだったり。

SONPUB : 色々使いますね。Spliceもたまに見ますしサウンドソースはレコードと同じく掘れば掘るほどレアなモノが出て来ます。先日ライムスターさんのプロデュースをやらせて頂いた際にエンジニアのDOIさんのスタジオ行った時も同意見になったのが、結局808系のベース音とかを自分で作る人が今増えてきたのは良いんですけど、Metro Boominとかはアリ物の音しか使わないらしくて、何だかんだでアリ物の方が出音が良かったりする場合があるじゃないですか。結局マッチする音を使った方がトラックとしてはいいものになるし、自分で0から音作れるに越したことはないですけど今は様々な手段や選択肢が与えられた時代だと思っていて、それは結局ストリーミング音楽を聴くのと似てて、結局音楽自体のシェア率が高くなったということだと捉えています。

Y : Abletonは使わないですか?

SONPUB : データ交換用にAbletonもLogicも持ってますが今はほとんどCubaseです。割とAbleton使ってるプロデューサーからは自分の音はAbletonでは出ない音だみたいなこと言われたんで、今回のアルバムまではそれを一回やってみようかなと。Abletonは今後DAWとして併用したいです。

Y : 突然な話になってしまいますけど、今後DJcityにRemixを提供して貰えませんか(笑)?

SONPUB : いいですよ、例えばどういう?

Y : 例えば昔のヒットソングなんかを、今風にアップデートするとか。DJ Editとか。

SONPUB : そういうの昔DJ用に沢山作ってたんですけど、リリースはしてなくて、、やりたいですね。そういうパーティーエディットとかクラブエディットって感じで打ち出す事は少なかったので良いですね。2008年にマイケルジャクソンが亡くなった時にすぐ追悼Remixをフリーで出したりみたいな事はしてましたね。

Y : 先ほども仰ってたように、1つのRemixやEditがダイレクトにBuzzを起こすかどうかはわかりませんが、中にはそこから繋がって、世界に広がって行く関係性ってあると思うんで、是非とも今後ともよろしくお願いします。

SONPUB : 因みに最近巷で聞く「DUBSET」というツールも少し気になっています。今まではオフィシャルリミックス以外はSoundcloudなどで法的にはグレーな発表の仕方しかなかったのが、DUBSETではオフィシャルにリミックスやDJ MIXをアップする事が出来、使用楽曲が自動解析されApple MusicやSpotifyなど連携してアーティストやレーベル、パブリッシャーなどにロイヤリティを支払うサービスを始めているようです。まだ僕も使用してないので懸念点も色々考えられますが面白そうだなと思いました。

Y : プロデュースする人は色んなところからインスピレーションを受けてて、風景を見た、とかこの好きな映画のサウンドトラックを作ろう!とミュートにして見たりとか色んな考えの人がいて面白いです

SONPUB : 映画見ながら曲作りは自分もやってましたw またやってみようかな。あと風景も重要ですよね。macのデスクトップの絵は宇宙の時が一番好きでした。

Y : この言い方はすこし語弊があるかもしれませんが、それなりにシーンの上にいる人たちは自分のブランディングを持っていてどうしたらより多くの人に届けられるかというのをしっかり考えた上で活動しています。難しいですよね今の音楽、CDの部分のセールスがないんで、ストリーミング、もしくはフェスティバルの出演料となると昔より簡単にお金が作れなくなるんで、一番どういう形が効果的なプロモーションになるのですかね?

SONPUB : この国は結構特殊じゃないですか、J-Popという巨大で独特なマーケットが存在している。因みにエース橋本ってわかります?(元々BrandUn DeShayという名でOFWGKTAで活動していた米ラッパー)彼が日本に来た時に知人が紹介してくれて、なんで日本に住む事にしたの?ってきいたら俺の1番好きなアーティストはPharrellと中田ヤスタカなんだって言ってて、マジで!?みたいな。

Y : でも確かにユニークですよね、彼の音は、いわゆる日本って感じはしますけど外から見るとすごくユニークな、、

SONPUB : やっぱプロデュースアーティストもユニークですし、オリジナリティーもあるし、あとポップセンスだと思うんですよね僕的にはトラックっていうよりも、自分で歌詞とメロを書くらしいのでそこは本当に凄いなって思ってました。独特なJ-Popシーンで発生し海外まで音を轟かせた日本人の成功例の一つではあるのかなと。

Y : どうなんですかね。いわゆる日本で例えばヨーロッパやアメリカのダンスミュージックをフォローしてそうなりたい、Swedish House MafiaになりたいとかSkrillexになりたいみたいな人っていわゆるJ-Popみたいなのを嫌うじゃないですか、その部分に関してどう思いますか?

SONPUB : Skrillexに関してはデビュー当時はロック上がりのキッズが作る大味なダブステップ風に聞こえて、ヒットはしてたけど個人的にそんなに好きではないなと、僕は黒い方の音が好きだったんで。でも彼は徐々に関わるアーティストのエッセンスを吸収して、センスやスキルが格段にアップする驚異的な成長記録を見た気がしました。なので後半の彼の音や姿勢には凄く共感できますし刺激をもらってます。彼は日本の文化が好きで、トラディショナル系以外に日本のオタクカルチャーみたいな事もレーベルカラーに反映してて、そこも結構影響を受けたんですよ。海外の人から見る日本と僕らが見てる日本って全然見え方が違う事に気付いて、こういう解釈だとイケてるかもっていう大きな発見だった。モンスターライオンのJimmenusagiをフィーチャリングした楽曲のPVとか、、あえて海外の人の視点で日本感を表現してみるっていう感覚で製作してます。ここ1年くらい日本も急激に日本感/アジア感の表現が増えたように思います。要はちゃんとスキルやセンスが伴った音楽ならJ-Popでも母国語の歌やラップでもいけると思うし、むしろオリジナルな分そっちのほうが強いかもしれない。

Y : 多くの日本人アーティストが世界で頻繁に活躍できるようになるのは、あとどれくらいかかりますかね。

SONPUB : わからないですね。きちんとやるなら芸術に対する環境自体を改善する必要があると思うので文化/教育/政治/法律など色々見直す部分も出てくると思います。それに今の日本は昔よりもリスナーのニーズに対応した結果がアーティスト評価の対象になり過ぎていると思うので、結局リスナーを育てて底上げする事が解決に繋がると思います。とりあえずアーティストやメディアがイケてる音楽を押していくことが必要だと思うのでその一つとしてAppleとかSpotifyを皆が使えば色んな音楽に触れるきっかけが増えるので改善にはなっていくのかなと。

Y : Spotify等のストリーミングユーザーでしたら、新しく出てくる好きな曲もすぐに聴けますよね。

SONPUB : 正直本心ではストリーミングが主流になる事で音楽の価値がどう変わるのか不安な気持ちもありますけどね。結果的に世の為になるならそれが先決だと思うし、多くの日本人アーティストが世界で活躍してる状況を見たい。あと結局好きな音楽をみんなと共有したいですからね。意識や感覚の格差が開いていくほうが辛い。ただ、どんどん細分化される事によって分かりにくくなるのも良くないので、シーンを作ってしっかり盛り上げる事が大事だと思います。例えば教育の一環として国レベルでサポートするクオリティの高い媒体やメディア/イベント/スクールなどが出来てアーティストはそこを目指すみたいな。イギリス国営のBBCとかってテレビやラジオでやる音楽の内容もイケてるしライブ番組など面白いですよね。日本はネットラジオ系は頑張ってるのでテレビやラジオも頑張って欲しいですね。

関連: SONPUB (Monster Rion)がプロデュースとDJについて語る

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