SONPUB (Monster Rion)がプロデュースとDJについて語る

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Monster Rion (Photo source: Instagram)

プロデューサーデュオのMonster Rionの1人であり、プロデューサー/トラックメーカー/DJという多彩な活動をするSONPUB。彼は音楽やストリートカルチャーに感化され、高校時代をロンドンで過ごす。その後、ElectroからHip-Hop、Bassミュージックまで様々なジャンルの音楽性を兼ね揃え、日本や海外の大型フェスに出演。2015年より湘南乃風バックセレクターのThe BK Soundと共にMonster Rionを本格始動。2016年にはYellow Clawのオフィシャルリミックスを担当。又今夏にはMonster Rionとして3年をかけたアルバム、”MESSAGE“がavexよりリリース。リリースパーティーは2017年8月25日(金)にWombで行われます。

DJcity YUKI(以降Y) : トラックプロデュースとDJパフォーマンスでは、それぞれ違う部分と似てる部分があると思いますが、両者に関してはどのように捉えてますか?

SONPUB : 曲作りと演奏と捉えてるので全く別物だし、ダンスミュージックアーティストとしての表現や成長にはどちらも必要なプロセスだと思います。

Y : DJ(パフォーマンス)とプロデュースでは、どちらが好きですか?

SONPUB : 根がコツコツ地道に物作りするのが好きな気質なのでトラック作る方が微妙に上かもですが、パフォーマンスもどちらも好きです。僕は18からMPC2000でビートメイキングを始めたんですが、13からギターやドラムを始めていて色々楽器を弾いて曲作りやバンドをしていたので「作ったモノを演奏」がパフォーマンスの基本になっています。いつしかダンスミュージックがブームになった時その二つが両立してないと海外に向けてのアプローチは難しいのかなと思って、そこはマストだと捉えています。

Y : パフォーマンスに関して言えば、いわゆるナイトクラブDJと、フェスティバルで自分の楽曲をプレイしてパフォーマンスするという方法があると思いますが、この違いはどう捉えていますか?両者はリンクしていますか?

SONPUB : 両者がDJとしてのパフォーマンスだった場合ですが、リンクしてる部分はあると思います。幾つか挙げるとすれば、まず「求められる音楽、期待以上の音楽と雰囲気を提供する」、「経験と知識とアイデアが必要」というところかなと思います。ただ実際、双方の現場でプレイされる音は全然違いますよね。今の時代、ジャンルの細分化とリスナーのニーズによって更に細かく分かれるし、またパフォーマンスする側のスタイルや目標にもよると思うので人によっては捉え方は違ってくると思いますが、誤解を恐れず言うならばオリジナリティの差が大きいと思うのでそれが結果として規模感などで現れていると思います。
僕は基本的に「自分の楽曲をパフォーマンスする」方ですが、昔は都内の小箱から始まり近年では主にWOMB/Vision/ageHaなどのクラブを中心に出演させて頂いてたり、またSXSWやUltraなどの大型フェスにも呼んで頂いたりとクラブシーン~フェスシーンとも密接に関わらせてもらってます。「音楽で生きて行く」と覚悟を決めた17歳から今年で丁度20年目、クラブもPOPフィールドもフェスも含め音楽シーンで活動してきて思った事は、どんなにアングラな現場だろうと、フェスだろうと結局クラウドが一つになった時の一体感から生まれる熱量が一番分かりやすくニーズに対応した証拠だと思います。そしてそれがよりオリジナルであればあるほど強いという事になると思っています。因みにそのオリジナリティ表現の定義の1つが「楽曲」だと思います。でもただ雑に盛り上げれば良いわけでもないと思うし、自己満な曲を披露しても意味がない。そこに必要なのはオリジナリティとスキルとセンスが時代に伴った音楽。世界を相手にするという意識が重要ではないかと思います。そうしなければ日本のリスナーもアーティストも今後更に海外との距離もレベルの差も開いていく一方だと思います。特にダンスミュージックやクラブシーンは。勿論トラックを作ってないDJの中には素晴らしい知識と経験とスキルを持った職人はこの国にも沢山いるしリスペクトできる人は何人もいます。そういうDJだからこそFITする現場も沢山ありますし、リスナーにいい音楽を提供する役目を果たしている。どちらも突き詰めれば別物という考え方もありますがまぁ上手に切磋琢磨して共存したいものですね、未来の日本のために。

Y : 世界的なトレンドとして昨今注目されているDJは、楽曲プロデュースが出来て、大きなフェスでパフォーマンスをして、高額のギャラを貰うという1つのパターンがありますが、それに続く形で、日本でもDJによる楽曲プロデューストレンドが大きくなって来ていると思いますが、それに関してはどう思いますか?

SONPUB : 僕も割と長めに楽曲制作をしてますがまだまだ勉強中だと思っているしむしろそういう人が増えて競争が生まれて欲しいと思い、2014年に出したSONPUB10周年アルバムの中に「DJプロデューサーのススメ」というちょっとしたコラムを書いたくらいなんですよ。一時期のDJブームで一気に増えてダサい人もイケてる人もグチャグチャになっている時期があったじゃないですか。そこから段々淘汰されていくのは分かっていたんで、頭一つ抜け出す方法はこれだと思いますってゆう内容です。適当じゃなれないよってゆう。でも今一部の若手はそういう風にだんだんなってきてるのは凄く良いんですけど、まだ圧倒的に足らないと思いますね、そこに対してのみんなの意識というものは。

Y : DJに関して言えば、意識というか、多くの人が「やらなくちゃいけない」っていう感覚は大なり小なり持ってはいると思いますけど。

SONPUB : そうですね、でも現状、やってる人はいると思うんですけど、結果って意味では出てはないじゃないですかあんまり、、成功例がない上に言語も違っておまけに島国。ネガティブに考えれば日本は今世界の音楽シーンの中では完全に田舎寄りの地方都市に見えちゃってるのでこの国じゃこのシーンで成功も高いプロデューススキルを身につける事も難しいんじゃないかと悲観的に考える方もいるかもしれません。因みにstarRoさんてわかります?

Y : はい。もちろん。

SONPUB : 彼のマネージャーさんからstarRoさんが言ってたことを聞いてあぁ..そうなんだと思ったのが、海外に行くとDJ兼プロデューサーっていうのはある程度の楽曲レベルまでいかないとスタートラインにすら立てないらしいんですよ。相手にされないというか、それはアーティストもリスナーもちゃんと判断出来てるって事だと思います。日本という国はそういうのがなくて、なんでもオリジナリティってみなさなきゃという風潮があると。海外の場合はプロデューサーのための学校もあれば、競争率が高い上に情報も共有するサイトも多くあるので才能がある人は努力すればある程度のレベルまでいけるらしいんです。そこがスタートラインっていうレベルが暗黙の了解であってあとはセンスやオリジナリティ、そしてブランディングで勝敗が分かれる。すごくスマートだと思いました。starRoさんもそこに行こうとして頑張ったんだと言ってて。そこが多分この国の人たちにわかってもらえたらなもうちょっと変わるのかなと。

Y : エンジニアリングに関して言えば、チュートリアルのYoutubeのビデオとか、Ableton Liveの使い方とか、基本的に英語で説明じゃないですか。英語も含めその辺は全て理解されているんだと思ってましたが。

Sonpub : いやぁ僕全然そんなでもなくて感覚でやっちゃうというか、まぁできないことはないんだなーって思ってます。言語の話になるんですけど、そこも含めて本格的に分かんないからと言っていられる時代じゃないというか、、ガラパゴス諸島にもほどがあるぐらいの状況になってきてると思うんですよ。変な話、ストリーミングとかに関しても今まではまだちょっとネガテイブな考え方でいたかった派だったんですけどやっぱここ数年で世界のストリーミング市場が急速に根付いてきているみたいで、その理由も含めてやはりそこには肯定派にならないとダメだと思いました。だって逆の選択肢の解決策ってもうインターネットの壊滅とかじゃないですか。それは現実的にはないと思うんで、それならCD出し続けるとかも意味わからないじゃないですか、この国くらいしかないというか、CDがこの国をダメにしてるのかなーと。

Y : なるほど。(笑)

SONPUB : インディーは別として、CDを買ってくれる人に売って売り上げを出す、この国でやる以上まだ必要なことかもしれないけど、CDが未だにメインてのは健康的ではない気がします。リスナーを育てたり、音楽シーンを作っていくって意味ではやっぱりストリーミングと上手に付き合うべきではと思います。結局アーティストもDJも業界人も一般人もみんなリスナーですから。

Y : 僕も今回事前にアルバムを頂いたんですけど、CDプレイヤーを持っていなくて・・・。

SONPUB : ですよね!むしろ僕も昔のmacと車でしかCD聞けなくて、CD買ってくれた友達も同じような状況でっていう、矛盾ですよね。

Y : リリースまで待って、Spotifyに乗ってから全部聴かせて頂きました。CDを音楽の第一メディアと考えるファンがまだいる一方で、より多くの層にリーチすることを考えると、ストリーミングという方法は避けられない時代ですよね。

Sonpub:はい(笑)

Y : CDだと、どうしても流通が国内になってしまいますけど、ストリーミングであれば、海外、アジア、アフリカとか、リーチする層が幅広くなりますよね。

SONPUB : 単純にリスナーからしたらメリットのほうが圧倒的に多い様に思います。まず基本タダだし、いっぱい知らない音楽に出会えるし。物欲は満たされないけど。アーティストやレコード会社側としてみればメイクマネーの方法が変わったのは大きな変化だけど海外ではもう完全にストリーミングメインになっているし成功者の事例も多い。ダンスミュージックとかラッパーとかもう世界を舞台にしているのが基本というか、韓国を中心にアジアのアーティストも少しづつ出てきてるなーとか、結局知名度を作るのが成功になっていくわけじゃないですか、それってストリーミングやSNSのバズで成り立ってて、でもあからさまにバズばかり考えていると、一発屋芸人みたいになってしまうし。やはり世界を巻き込んだバズが一番エキサイティングなのかなと。そこを狙う仕掛けを考えた方がいいのかなと思いますね。できれば一発ではなく継続していくスタンスで。

Y : 音楽のクリエイティブな部分と、ビジネスの部分、バランス良く考えて、仕組みを理解することがアーティストに求められる時代だと思いますけど、偏ることなくブランディングを意識されてますね。

Sonpub : そうですね、ブランディングみたいな事は元々考えていたと思いますが全くお金のことを考えていなかったのが20代のころで、考えてないままメジャーでソロとか出したんですけど、そのときにかなり足元見られるし世間知らずだなーっと痛感させられたので。防衛本能で少しづつ勉強しました。日本でいうとKohhとかそのプロデューサーの人のやり方を見てもそうだし、やり方っていうのがものすごく重要な時代だと思うので。あと時にプロデューサーって立場で人と接する時もあるので、そういう時のために色んな知識がいるんだろうなぁと。例えばDiploとかも影響は受けているんで、Diploは音楽だけじゃなくてそれ以外の側面でいろんなものを持っている人。それこそここ(DJcity)のインタビューでA-TrakやDiploのインタビューを読ませてもらったときにもかなり勉強になりました。

Y : 音楽の部分だけでカリスマ性が生まれた時代を経て、今のネット社会では、DJ/プロデューサーは音楽性以外の側面を持って、それが更にカリスマ性を増大させる感覚があると思いますが、DJ/プロデューサーの目線から見て、理想的な音楽ライフと言うか、理想的な世界とは、どんなものだと考えていますか?

SONPUB : 今後の活動に関しては考えていて、もちろん目先のやるべきことは色々あるんですけど、結局音楽家としてどこに行きたいのかっていうのを考えたらやっぱり世界、、結局今の活動も本当にピュアに充実感を得たいのであれば日本も含め海外での反響をもらうっていうのが僕的には一番だと思っているんで、最近Monster Rionだったり色々な活動を通して勉強させてもらってて、国内マーケットの実態だったりとかも見た上である程度把握できた部分もあるので今後はバランスを変えてみるのもアリかなと。結局音楽はかっこいいアーティストとかっこいい曲が作れて、ワクワクする相手とコラボしたりプロデュースしたり、自分名義じゃなくても、かっこいい曲を世に出してその反響を見てみたいっていうのが大きいです。あとは音楽以外でクリエイティブなこと、もともと絵とか書いてて自分でアートワークやデザインとかもやったりするんで、映像も好きでMVはディレクターと一緒に作ってたりしてて、まだ他にも色々やりたい事はあってそういう別のクリエイティブジャンルで自分の可能性を探ってみたいと思ってます。あと変な話、体力とかも含めて海外で活動するってタフじゃないといけないし、日本人は体自体が外人とは違うじゃないですか、体力も精神的な部分も含め、自分自身のキャパシティを強化したり、今までに手を出したかったけど出せなかったクリエイティブな活動をやってみて、幅を広げたいなと、それって食べるもので自分の思考が変わるのとかと一緒で音楽にも反映するのかなと。

Y : それは確かに物理的な問題としてありますね(笑)。海外のアーティストと一緒に仕事をする、コラボをするという部分で、Yellow Clawと一緒にリミックスをやっていたじゃないですか?リミックスに関してはどう考えていますか?

SONPUB : もちろんプロデューサーにとってリミックスは大きなアプローチ方法だと思います。海外モノのオフィシャルリミックスは過去に自分がやったDuck Sauceも今回のYellow Clawも国内版だったので海外の反響をガッツリは狙えませんでしたがDuck Sauceの場合は本人たちが気に入ってくれてまた別でリミックスの依頼が本人サイドから来たりして嬉しい手応えがあったり、Fatboy Slim x Beatportのリミックスコンテストで3位を獲得した事とかもあってそれなりに国内外からの支持や収穫もありました。でももっとクオリティやオリジナリティ、加えてリンクアップが必要だと思っています。因みに最近PKCZをやっているDARUMAくんとかのインスタとかみてて、トゥモローランドに出た際にYellow Clawのバロンファミリーのアジト潜入しましたとか、BOYS NOIZEとかCassiusとかいろんな人と積極的にリンクしてますみたいな、ああいったメインストリームな現場とのリンクアップみたいなのはもしかしたら、もうちょっと日本にも必要なのかもしれないなと思う部分もありますし、どうなんですかね・・・

Y : 僕結構思うんですけど、日本人全体なのかなと思うんですけど、海外のアーティストが来た時に割と大人しくしちゃう、、感じが、話しかけたりしたらマズイ、とか変な質問したらまずいとか、割と挨拶だけはナイスに交わしてあとは別にそんな話はしないという人が多いかなと

SONPUB : それはアーティストがですか?

Y : アーティスト同士で、そういった中でその部分を自分なりに一歩踏み込んで、相手の印象に残るような会話やアクションができたら今後も繋がっていくのかな?と思います。

SONPUB : それは間違いないと思います。そうですね、人間力問題は日本人全体の社会問題だと思います。外タレ交流に関してはその時の自分の立場によりますが基本積極的に行かなきゃという意識でいます。例えばA-Trakとかはもうリミックスをやるって決まった時点でその日にVisionの日取りを自分で抑えて、そのためにパーティー組んで、 A-Trakを呼んで、たまたまタイミングも合ったんですけど、リミックスもその時に披露みたいな、スピーディーな対応はできて、本人たちとも連絡先も交換したんですけど、そっから更に近づくには多分実際に向こうに足を運んでリンクを深めたりコラボを重ねたり地道な事も必要かなと。やはり人間同士なので。それに結果を出す人がもっと増えないとシーンが盛り上がらないじゃないですか、俺も結構いい年齢なんですけど若手でそういう人たちがもっとでて来てほしいなと思いますね。

SONPUBインタビューPt.2は近日公開予定です。お楽しみに。

関連: DJcity Japan Interview: DJ HAZIME Pt.2