インタビュー: DJ HazimeとDJ Wataraiが共同プロデュース楽曲“Do It”について語る


MONSTER 02/08/2020 Photo by @cheesy_tats (Source: Instagram)

レジェンドDJ/プロデューサーでありClub Harlemで長年にわたりレジデントDJをつとめるDJ HazimeDJ Watarai。その2人が共同プロデュースで¥ellow BucksとZeebraをフューチャーした楽曲“Do It”をHarlem Recordingsからリリースしました。

楽曲はAcapとInstバージョンを含めてDJcityでダウンロードすることが出来ます。

今回はDJcityのインタビューで制作過程や共同で制作を行うことについて語ってくれました。

今回のプロジェクトはどの様な経緯から誕生したのですか?

HAZIME: Club Harlemが20周年の時にスタッフの方からもHarlem Recordingsを動かして「何かやりたいよね。」みたいな話が出たんだけど、ずっとそのままで具体的に何か動くわけでもなく、曲をリリースというよりはHarlem Recordingsを再始動するっていう話だけが出ていた感じだね。

そこからどうして楽曲プロデュースになったのですか?

WATARAI: 最初はHarlemでレギュラーDJをしている僕だったりHazimeだったりAlamakiだったりに、それぞれのDJ名義で楽曲を出していこうっていう感じだったんだけど。途中でHazimeからの提案で2人でやろうってなったんだよね。2人でどんどん進めていこうって。

楽曲制作に着手したのはいつぐらいからですか?

HAZIME: 去年の10月くらいだっけ?
WATARAI: うん結構前だよね。
HAZIME: 実は1月くらいには完成していたんだけど、タイミング的にずれ込んだんだよね。本当は4月1日くらいに出す予定もあったんだけど、新型コロナウィルスの影響でライブとかも出来ないし、少し様子をみましょうってことで4月22日変えたんだけど、状況も好転しないから最終的にただ様子見ただけになっちゃったんだけど。

楽曲制作の内容的にはどんなところから始めたのですか?

WATARAI: ビートが先でしたね。今回のビートに関してはHazimeのイメージで作りましたしラッパーのキャスティングもHazimeですね。

¥ellow BucksとZeebraというラッパーを起用することになったのはどんなところからなんでしょうか?

HAZIME: 俺もワタさんも20年選手じゃ済まないくらいこのシーンの中にいて、ベテランだけで一緒にやるっていうのは、もう面白くないと思ったんだよね。馴染みのメンバーで固めてやっても、俺達らしくはあるかもしれないけど、今それが面白いか、やるべきことなのかって思ったのと、俺達でしかやることの出来ないことをやるべきなんじゃないかと。一緒に切磋琢磨してやってきたラッパーと、イケている若手を組ませるって、これは俺等しか出来なくないかなっていうのがそもそもあって。俗に言うところの日本語ラップっていう意味では若手の20代前半から中盤の世代の子達が今人気あるけど、そこに俺らが完全に寄せて曲を作るのは、それこそCHARIがもうやっている事だし、俺等がやる必要はないなって思っていたので、シーンを引っ張ってきたZeebraとこれからシーンを引っ張っていくであろう¥ellow Bucksみたいなコンビがいいかなと思ったんだよね。

2人の名義の楽曲ですが、役割分担がオーガナイズされていますね。

HAZIME: リリックとかはラッパーに歌って欲しい内容を伝えたけど、俺がトラック作れるかって言ったら今は全く作れないし。アイデアをワタさんに伝えてさ、実際のトラック作るのもワタさんで、俺はもうそこは口出しだけ(笑)。俺はワタさんが普段やらない部分をやってまとめるっていう感じだよね。プロデュースっていうよりは2人で曲を一曲作りましょうよって感じ。

楽曲のビートの部分ではどう言ったところから作り上げたのですか?

WATARAI: 順番までは覚えていないんですけど、Hazimeからのこういう感じでっていう、割と細かく指示というか内容が伝えられていたんですよ。ギターメインの上ネタは嫌だとか、何個か注文があって。あとはお互いずっと同じ様な音楽を聴いてきて、こういうイメージなんだろうなっていうのが、要望から伝わるし、共通してわかる部分が多いから、どこから作っていったかは覚えてないですが、多分こういう感じなんだろうなって(笑)、想像して作りましたね。
HAZIME: いつもワタさんに曲をお願いする時も、あの曲のドラムでBPMをいくつで、ネタはあの曲でっていう注文の仕方をしている。めっちゃ楽なのが、それ以上言わなくても作ってくれるのよ。例えば3つ言ったら完璧以上にそれが返ってくるの。本当に俺はそれにめっちゃ助かっているのよ。

チームとして感覚がしっかりと共有されているんですね。

HAZIME: 俺はめっちゃそう。
WATARAI: こちらこそ。

曲をリリースした後のプロモーション的な展開はどう考えているのですか?

HAZIME: こういう時期だから、これまでの展開と変わってきちゃうよね。みんなが今携帯みているから、それが良く出るかもしれないし、反応がないかもしれないし。従来のライブでのプロモーションが出来ないしPVも集まって撮るとか不可能だから。これまでのプロモーションのボリュームには足りないし、もしくは形が違うプロモーションになるから、どうなるかだよね。本当は5月2日辺りにHarlemの周年があって。そこでお披露目Liveやる予定だったんだけど。延期だから。で、その映像を編集して後出しPVにしようっていう風に予定してたんだけどね。まあでもね。でも逆に規制かかってるからさ。この中でやろうになって。 諦めてっていうか、割り切ってやるしかないからね。じゃあやらないはないからさ。もうやれることをやろうしかない今は。

SNSでの展開等はどう考えていたりするのですか?

WATARAI: インストを公開してDo Itチャレンジ的なものを考えています。あとはHarlem Recordingsからなので、Harlemに携わっているDJ等にはたくさん協力してもらいたいなと(笑)。

インストが出回ると出来上がってくるRemixのクオリティーがピンキリになると思うのですが、制作者としてこのクオリティーをコントロール出来ない部分は嫌だったりしないのですか?

WATARAI: それをきっかけにオリジナル楽曲を聞いてもらえるならいいと思います。言っていいのかわからないですが、自分たちの作品より良いのは出てこないと思っているので(笑)。わからないですけどね。
HAZIME: ¥ellow BucksとZeebraだから、中々それを上回るものは出てこないよね(笑)。
WATARAI: みんな簡易的にiPhoneでとったやつをSNSとかにアップするだろうから、話題作りとしてはいいのかなと。

もしも物凄い高いクオリティーのモノが出てきたら、オフィシャルとしてリリース的なことってあったりしますか?

HAZIME: もし凄いのがあったら、ひょっとしたら、改めてレコーディングするかもしれない。

プロデューサーという言葉は一昔前まではトラックを作る人がそうでしたが、現在はその言葉の意味がより細分化されて変わってきていると思いますが、どう捉えていますか。

HAZIME: 俺は一切自分でトラックは作らないからさ。見る人が見たら自分で曲も作ってないし、何がHazime名義だって思う人がいるかもしれない。でも、作品のクオリティーを高めるためにワタさんとやったりしているわけ。
WATARAI: 笑。いやいや。昔に比べるとプロデューサーっていう立場の人がやる仕事っていうのが明確になってきたかなと。昔はね曲を作れる人をみんなプロデューサーって呼んでいたから。けど今はHazimeみたいにちゃんとキャスティングもしてトラックメーカーも選んで、曲の内容から何から選んでパッケージをしっかり組める人がプロデューサーっていうんだと思う。僕は所詮トラックメーカーなんですよ。プロデューサーってよりは。もう20年以上こういうことをやってきて自分にはプロデューサーとしての才能はないなと感じていて、そこはもうあんまり追求しないで、自分はトラックメーカーとしてもっとどんどん追求していこうとやってきて今もそれを続けているんですけど。なので、今回みたいにプロデューサーとしてやっているHazimeとやることに意義があるし。

凄いいいチームですね(笑)。お互いもっとこうだったらよりやりやすいのにみたいな部分はありますか?

WATARAI: 全然ないですね(笑)。
HAZIME: 僕達仲良しだから全然そういうのないよ(笑)
WATARAI: 変な話、どんなアーティストと一緒に作品を作りたいですか?と聞かれても僕わかんないんですよね。自分のトラック作ることしか普段考えていないから。この曲に誰のどんな声やリリックが合うかとか想像して普段から作ってないんですよ。あくまで自分の好きな世界で作っているんで。単純にインストとしてかっこいいものを作ろうとしているだけなんで。結構頼まれて作ったりすることあるんですけど、仕事をしていて一番話が早いのがHazimeなんですよね。毎回毎回、何も障害がないっていう感じなんですよね。やっぱり価値観が近いのかな。

価値観のすり合わせじゃないですけど、確認作業みたいなことしたりするんですか?

WATARAI: 全然しないですけど。やっぱこう聴いてきた音楽も同じだし。同じ現場で毎週DJもしてて。 なんとなくお互い多分この辺いいんだろうなみたいな。
HAZIME: ABEMAが結構デカくて。クラブプレイはどうしてもお客さん目の前にしてるから好きなようにいかないけど。ABEMAってリスト内でも、ある程度自分の世界観が作りやすいから。ワタさんのABEMAでのプレイとか聴いていると、あ、最近この辺も聴いてんだみたいなのもすぐわかるの。

最後に今回の楽曲“Do It”について。

WATARAI: この曲に関して言わせてもらうと、あくまで僕らは90年代からDJしてて。 Old SchoolのBoomboxが好きで。ただそれをやりたいとかっていうことよりは、もう昔からずっとDJやってきて、今のメインストリームも知りつつ、自分達が本当にドープだと思うものを今回表現できたかなっていうところがあるので、そこはすごい意識して聴いて欲しいなっていうのはあります。
HAZIME: 俺達のこの活動自体がね、ヒップホップDJ、クラブのDJとして、みんないつが引退の時期なのかとも全然わかってないわけ。 誰もね。 俺らの先輩でも自然とやめちゃったなとか、最近聞かないよねっていう人はもちろん山ほどいたけど。いつが引退の適齢期ですとか定年ですとか無いわけよ。だから、こうやってやり続けてれば、全然できる余裕だぜ。でも逆にここまでやらないと、こうはならないぞっていうのをやっぱ俺ら見せてかなきゃいけないと思うわけね。それをだから逆に、なんだ年寄り2人が揃ってリリースして、全然話題にもならないじゃん、売れないじゃんとかっていうのは、自分自身達にもマイナスだけど、でもちゃんと2人が組んだらすげえいい曲作るよね、これよくねっていうのが俺らのその現役の長さとか強さとかをどんどん変えてくれるわけ。そういうのも俺はちょっと意識して、こういうプロジェクトを進めていってる。

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