Tokima Tokio
Aviciiリミックスコンテスト優勝者、Tokima Tokioが制作について語る

DJcityとGeffen Recordsの共同企画、Aviciiリミックスコンテストにて見事優勝をされた、東京のプロデューサーTokio Tokimaにインタビューをしました。今回彼はコンテストに向けて制作したリミックスやプロデューサーとして大切な事について語ってくれました。なお、彼のオフィシャルリミックスは10月13日リリース予定とのことです。
まずはリミックスコンテスト優勝おめでとうございます。
Tokima Tokio : ありがとうございます。
早速ですが、DJcityのAviciiリミックスコンテストに参加しようと思ったきっかけを教えて下さい。
Tokima Tokio : 普段の仕事では全く違った音楽もやっているんですが、ダンスミュージックが好きで、結構日課として海外のダンスミュージックのメディアとかをチェックしているんですよ。確か、Your EDMだったかな?そこでリミックスコンテストの記事を見ました。実はDJcity経由の参加ではなくて。コンテストを知った時点で締め切りまで1週間を切っていて。でも、元々応募期間は10日間くらいでしたよね?それで「これや!」と思って、とりあえず参加したというのが経緯ですね。
曲中のトラックに関しては、ゼロから作りあげたのですか?それともストックがあったのですか?
Tokima Tokio : 完全にまっさらな状態からですね。もしかしたら、リミックスコンテストの記事を4年前に見たら、参加していなかったかもしれないですね。
何故4年前なのですか?
Tokima Tokio : 4年位前のEDM全盛期の頃は、僕は流行りの音と言うよりは、Bassミュージックが好きで。BPM100か150くらいのをよく聴いてて、それを使って何かやりたいと言うのがずっとあって。今だったら、自分のやりたい事と、世の中の流れがマッチするのかな?っていうのがありますね。
なるほど。リミックスの設計と言うか、どのような制作工程なのですか?
Tokima Tokio : BPM100くらいのDancehallが好きで、最初にまず、BPM100の曲にしようと考えていて、最終的には96に落ち着いたんですけど。アコギで鼻歌を歌いながら、原曲のメロディー、歌詞を引き立たせられるコード進行を考えました。そこから、ギターで作ったコードをピアノに置き換えて、ピアノとボーカルだけを流して、これだったら原曲よりもエモい感じが出るっていうのを作って、そこにDancehallのビートとベースを乗っけました。基本は、ベースとドラムで如何に気持ち良くさせるか?を考えて作って、そこに上音を入れるという感じですね。ボーカルをチョップしてリフにするのってあるじゃないですか?それも、作る前から考えていて、最近みんなやってるんですけど、流行りの手法を取り入れつつも、如何に他の人達とは違った音にするのか?っていう部分も挑戦したかったポイントですね。流行り+オリジナリティはダンスミュージックの醍醐味だと思います。
使っているDAWは何ですか?
Tokima Tokio : Ableton Liveです。入力には鍵盤のMIDIキーボードを使ってますけど、中学の頃にギターを使って作曲を始めたんで、実はギターの方が得意ですね。
プロフィールを拝見させて頂きましたが、アメリカ在住の経験もあり、それ以外は謎に包まれている印象でしたが、普段はどのような活動をされているんですか?
Tokima Tokio : 普段から音楽を中心に仕事をしています。CM制作会社さんや、映像制作会社さんからの依頼を受けて、バックグラウンドミュージックを制作しています。でも、ずっとダンスミュージックは好きですね。10年くらい前にElectroが凄く流行った時期があって、あの時期にDTM(Desk Top Music)を始めたんですよ。2008年くらいですかね。その当時、初めて作った曲がYelleのリミックスで。他にもDigitalismとか。それと、Major Lazerもコンペをやっていたんですよ。今考えると、あの頃は結構メジャーなアーティストがコンペをやっていたなと思いますね。DTMを始めて1年目やったんで、自分の名前を広めるためにも色んなコンペに参加しましたけど、やっぱり負けましたね。負けたんですけど、色んなところのブログ系のサイトで、いい感じに最初のリミックスから取り上げて貰えて、そこから海外のレーベルでリリースする事になったんです。国内では、Microsoftとかのウェブサイトの音源を作る仕事を受けたり。少し上向きにはなったんですけど、そこから先がなかなか進まなくて。当時はAviciiはProgressive Houseとか作っていたと思うんですけど、僕もElectro後期は結構Progressive Houseとかを作っていて。でも、全体的なシーンはどんどん派手で激しい方向にシフトしていったんですが、僕はそっちにはシフト出来ない感覚があって。自分のやりたい音楽をやっていたら、食べていけなくなるというのは感じながらも、でもなんか、そこで音楽を辞めるのは違うし、自分が思っているものと違う作品を、自分の名前でリリースするのも何か違うって感じていて。だからとにかくプロの音楽家として食べていけるようにしようと覚悟を決めて、バックグラウンドミュージックの仕事とかを受けるようになったんです。でも、僕はダンスミュージックが好きなんで、常にシーンの流行を把握しながら、ずっと機会をうかがっていた感じですね。
プロデュース以外に、DJもやるんですか?
Tokima Tokio : 2011年とかは、月に10数本はDJをやっていました。ageHaのプールサイドとかで地道にに活動していましたね。
その中で、徐々にDJメインからプロデュースの方へシフトされていった感じですかね?
Tokima Tokio : そうですね。プロデュースをメインにしようと思いましたね。今後クラブでDJをする機会があったとしても、自分の曲をかけないでプレイするのは、あんまり自分の中では考えられなくて。
なるほど、世界的に見ると、そのスタイルが主流になってきている状況はありますよね。
Tokima Tokio : プロデュースをしないDJが悪いとは全く思って無いです。でも、やっぱり僕にとっては、自分の曲を発表する場であると考えているので、そのスタイルが僕にとってのDJだという考えですね。
リミックスコンテストの話に戻りますが、完成までにどのくらいかかりましたか?
Tokima Tokio : まず、参加を決めた時点で1週間を切っていて、その日に数時間でコード進行だけ考えました。別件の仕事の納期が、リミックスコンテストの締切日と同じ日で、当然、仕事の納期は守る必要があるので、まず先に仕事を終わらせて、そこからリミックスに取り掛かって、それが締切の14時間前でした。そこから寝ずにリミックスコンテストの作品制作に没頭しました。常に時間との戦いですよね。
コンテストに作品を提出してから、他の参加者のリミックス作品も聴きましたか?
Tokima Tokio : ファイナリストになった10名の作品は勿論聴きました。
他のファイナリストと自分の作品を比べて、優勝する感覚はありましたか?
Tokima Tokio : それは半々ですね。勿論、自分の作品なんで、完成した時点で自信はありましたけど。ただ、ファイナリストに選ばれた時点で一番最初に思ったのは「ちゃんと聴いてくれたんだ」ってことですね(笑)。僕みたいに、有名ではない人間の作品が選ばれたことに対して、しっかり1曲1曲聴いてくれたんだって思いました。
いざファイナリストの中から優勝の座を得た現在は、どのように感じていますか?
Tokima Tokio : 自分的にはそんなに変わっていなくても、周りの評価がガラッと変わったかなと思います。でも、周りの評価って大事じゃないですか?これから自分のやりたいことをやっていくためにも。
新規のリミックス制作のオファーなど来たりしていますか?
Tokima Tokio : リミックスオファーではありませんが国内の音楽プロデューサーの方やゲーム会社の社長さんが会いたいと言ってくださったり、新しい出会いはやっぱり増えましたのでこれから結果に繋げていければなと思います。
海外在住の経験があると言う事で、日本語圏以外の情報を得ると言う部分が役に立っている感覚はありますか?
Tokima Tokio : 英語はそこまで喋れないですよ(笑)。日常会話くらいです。でも、日本と海外を分けて見ているというわけではないですが、僕は海外のプロデューサー達が好きで、ニュースや動向は常にチェックしていますね。
今後の目標を教えて下さい。
Tokima Tokio : 音楽プロデューサーとして、音楽をやっている人間として、グラミー賞を取りたいとか、プロデューサーとしてLAでスタジオワークやりたいとか、そういう事が出来たらいいなとは思いますけど、そこが目標じゃないですよね。結果としてそういう風になれば面白いとは思いますけど。やっぱり根底にあるのは、一人の音楽ファンとしても音楽プロデューサーとしても良い音楽に出会いたいし、自分の音楽を作り続けたいというのがありますね。自分が「これだ!」って思えるものが出来たらいいと思います。勿論、大きなフェスで大勢の前でプレイしてみたいというのもありますけど、それは結果を出せば付いてくることだと思うんで。フェスに出たいから楽曲を作ると言うよりは、楽曲が良かったからフェスに呼ばれるみたいな、順番的にはそっちなんだと思います。
音的な部分では、どういった音楽をメインにというのはありますか?
Tokima Tokio : そうですね、今は今回のリミックスみたいなのが旬だと思いますし、来年もその流れはあると思います。でも、2018年はEDM全体の流れも大きく変わっていくと思うんです。往年のEDMは、ほぼ無くなっちゃうんだと思います。みんな「次何がくるんか?」というところで探している状態だと思うんですが、僕も多分探しながらやっていくと思います。
リミックスコンテストに参加したいと思っている人がいる中で、実際に作品を提出するにまで至る人は凄く少ないと思います。今後リミックスコンテストに参加したいと思っている人にアドバイスをいただけないでしょうか?
Tokima Tokio : 特に音楽を始めた頃って、どうしても音を足したくなっちゃうんですよね。多分それで、永遠に完成しないパターンになっていくと思うんです。いかに無用なものを省くか?っていう視点も大切だと思います。Less is moreという言葉があるくらいなんで。結果、今回のリミックスも音数が少なく仕上がりました。さっきの話に戻るわけじゃないですが、制作を始める時期って、どうしても音を足したくなっちゃうんですよね。
そうですよね。当たり前のことですけど、まずは完成させて世の中に出すことが第一歩ですもんね。
Tokima Tokio : それと締め切りも大事ですよね。自分の個人的な作品に関しては、自分でも中々偉そうなことは言えないですけど、でもやっぱり仕事の締め切りは、必ず守らないといけないですよね。ここ3年くらいは、自分発信で音楽を作ってなかったので、今回のAviciiのリミックスコンテストが本当に良いきっかけになりましたね。今後はオリジナルの楽曲を発信していきたいですし。でも、それって期限は自分じゃないですか、だからこそ絶対にやりたいなっていう思いが今あります。多分、次の曲が一番自分にとって大事かなって思っています(笑)。
今プロデューサーとして注目が集まっている中ですからね。
Tokima Tokio : 今はどこかに音源を送っても、聴いてもらえる状態じゃないですか。多分業界の中でも「日本のTokima Tokioっていうのはどんなんや?」って思ってくれているんで。
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