CH419: DJ IKUがミックスする「知ってて損は無い1990年〜2000年前半の名曲」PT.2
CH419の新しいエピソードが公開されました。今回は前回と同様1990年〜2000年前半のHip-Hop名曲達を2枚使いやスクラッチは勿論、ワードプレイなど様々なテクニックを使った30分ほどのミックス映像となっています。下記にてDJ IKUの解説を読みながら映像を楽しむことができます。 今回の動画は前回エピソ...

NYCを拠点に第一線で活躍する日本人DJの一人、JAPANESE DEEが現地の状況やクラブでヒットしている楽曲をタイムリーにご紹介。「Reporting From New York」2022年10月にピックアップされた楽曲はこちら。
Ice Spice – Munch (Feelin’ U)
NYのクラブでかなり反応良いのがこの曲。女の子が合唱するレベル。去年tiktokの”Buss It”チャレンジでバズってから、何かと話題が絶えないアップカマーなBronx出身のラッパーです。これからの活動が楽しみです。
Glorilla, Cardi B – Tomorrow 2
Cardi Bがハマった時のエナジーは本当に鳥肌もんですよね。この曲は皆んな1回聴いたら『あぁ、流行るな』って感じるはず。今年出た曲の中でもこのCardiのバースはトップレベルだと思います。Ice Spiceの”Munch”とセットでかけるDJも多いです。(CardiのヴァースでThat ni**a a munch and he gon’ eat me like a mangoって言ってる箇所があるので)ここで8月に紹介したGlorillaの”FNF”が今でもクラブで一番ウケる1曲ですが、この曲も既にフロア受け抜群です。CMGにサインされる前は、音源もビデオもまだまだ荒かったGlorillaだけど、ここ最近のレベルアップが目まぐるしいです。
Elton John & Britney Spears – Hold Me Closer
1971年リリースのElton John ”Tiny Dancer”のリメイクで、Britney Spearsとのコラボが注目を集めている1曲。Top40やダンスミュージックが中心のパーティーで盛り上がっています。成年後見人だった父親を訴えた裁判で勝利を収め、色々乗り越えてきたBritneyがエンターテイメント界にカムバックしたということで、彼女の新たな出発をサポートするお祝いムードが漂っています。ただ、オートチューンが強く、Britneyのボーカルが映えないのが少し残念です。
Tems – Free Mind
ナイジェリア出身の女性アーティストTemsの2020年リリースの曲ですが、今ピークを迎えています。クラブでもよくリクエストされますし、ラジオでもヘビロテされています。 Burna Boy – Last Lastもじわじわと流行ってきて、今ではパーティーで一番盛り上がる1曲になっています。アメリカ国外の曲は、この様に時間をかけて浸透していくことが多くて面白いですね。Afrobeatでは、リリースされたばかりのFireboy DMLの新しいアルバムも注目です。
Young Devyn & Fivio Foreign – Outside
最後の一曲はサポートの意味も込めて、NYのDrillシーンを引っ張って行って欲しい二人のラッパーのコラボ曲です。9月にNYCでRolling Loudが開催されてBK Drillを代表するFivioや若手注目のYoung Devynも出演し大成功を収めたのは嬉しかったんですが、残念だったのはNYPDからRolling Loudの主催者に一部のDrillラッパーの出演を控えて欲しいと要請が入り、何人か急遽出演出来なくなってしまったんです。最近、ヒップホップのリリックが法廷で証拠として使われたり、今回の様に警察がアーティストの活躍の場を制限したり、Hip Hopコミュニティーにとってかなり懸念される状況が続いています。この件に関して、Hip Hopのファンはアーティストの表現の自由が尊重され、作品と個人は区別されるべき、という意見が多いと思いますが、今回はちょっと踏み入って、Drillの問題点について黒人のBLMの人権活動家の友達と何回か話をしてみました。ギャングスタラップや最近のDrill音楽が問題になっている理由は、バイオレントなリリックの矛先になっているのが、同じ黒人(スラム街、マイノリティも含む)コミュニティであることです。過去にもSex PistolsがUK王室に対して、またはNWAが警察やLA暴動に関してかなり過激な内容の曲をリリースしていますが、それらは共通して富裕層贔屓の政府の政策や差別問題、警察の暴力などに対してであって、同じコミュニティに向けてバイオレンスを煽るようなジャンルや曲は今までなかったのではないでしょうか?そしてもう1つ問題なのは、SNSなどを通してアーティストとファンの距離が未だかつてないほど近いことです。昔はレーベルのフィルターを通して作品を作品として、リスナーは適度な距離を保ちつつ消化して受け入れることができていましたが、今は特に感性の高い若年層がリリックの内容を『ライフスタイル』としてそのまま吸収してしまっているのが問題になっています。子供がいる黒人の友達何人かに『子供にDrill聴かせる?』って聞いてみたら、全員『絶対聴かせたくない』って即答です。アジア人の俺にとってDrillは、特にクラブで爆音でかけた時の迫力とエナジーは唯一無二で大好きですが、自分のプラットフォームをどのように使って、どんなメッセージを伝えていきたいか、っていうことはアーティストとして常に考え意識しなければいけないと思っています。この問題に関してはもっと勉強しながら、Drillの良さを安心して受け取ってくれるオーディエンスに向けて発信していける様に心がけていきたいと思います。
関連: JAPANESE DEEがNY最前線クラブヒットをリポート「Reporting From New York (September.2022)」
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