JAPANESE DEEがNY最前線クラブヒットをリポート「Reporting From New York (September.2022)」


NYCを拠点に第一線で活躍する日本人DJの一人、JAPANESE DEEが現地の状況やクラブでヒットしている楽曲をタイムリーにご紹介。「Reporting From New York」2022年9月にピックアップされた楽曲はこちら。

Vybz Kartel – White House
9月の最初の月曜日はレイバーデーというアメリカの祝日ですが、NYCに住むウエストインディアン(カリブ海諸島の国の人達の総称)にとっては盛大なパレードの日です。元々トリニダード&トバゴのSocaのパレードのハズなんですが、なんといってもジャマイカの移民が多いNYではレゲエにかなりおされている感があります。という事で、9月の5曲はレゲエ多めで紹介していきます。今ちょうど友達がジャマイカに行ってて、しかも彼女の旦那はセレクターということもあり、かなり最新のリアルな現地情報をお届けできます!『一番流行ってる曲何?』って質問に真っ先に返ってきたのが、1曲目紹介するダンスホールキングのVybzです。全く意外性がなくてごめんなさい。刑務所に服役しながらずっとヒットを出し続けていてすごいですよね。この曲のパンチラインは「Real like Bounty (Killer), Nuh lie like Beenie (Man)」、吹きました(笑)。相変わらずの俺様節が素晴らしいです。

Shan O – Dark Room
ダンスホールヒット2曲目は、この曲。ストレートに良い曲です。ジャマイカではずっと人気だったこの曲ですが、ちょっと前にDJ Khaledがソーシャルメディアでシェアしてアメリカでも人気度が上がり、ジャマイカでも再熱したらしいです。Khaledの電波の張り具合とハイプの作り方、そしてアーティストをフックアップしていく姿は本当にDJとして尊敬します。彼の新しいアルバムGod Didは来月紹介させてもらいたいと思いますが、JadakissのInterludeがめちゃくちゃかっこいい!この間Yonkersで撮影されたビデオも早速リリースされました。

Brysco – Code
この曲はNYでもまずまず反応ありますね。ミュージックビデオで使われたEnsureっていう白い液体の栄養ドリンクを女の子の顔にぶっかけするシーンがバズって、真似する人続出で問題になってます(笑)。フロアウケはバッチリ。このドリンクを飲んでみたいって言ったらアメリカ人の友達に笑われました。どうやら老人ホームとかで食事に出る感じらしいです。曲の初めに“White people blood I put in guard ring”って言ってます。俺のガードリングを白人の血に浸す、って。ガードリングはお守りのようなもの。ジャマイカのギャングスタは、アフリカにルーツを持つ黒魔術的なOBIAのパワーを持ったリングなどのアクセサリーを護身として身につけるらしいですよ。全体的にギャングのライフスタイル(Code)についてラップしてます。スポーツカー乗ってる人はぜひPortmoreと韻を踏んでいるSport modeにギアチェンジして爆音で聴いてみてください。

Central Cee – Doja
ラスト2曲はレゲエ以外で。この曲なんですが、アホみたいに流行ってます。なんなのこの『アメリカで売れたいんです』っていうタイトルと内容(笑)。
なんと言ってもこの曲は歌い始めのパンチラインがばかウケ。How can I be homophobic? My b!+ch Is gay (どうやったら俺が同性愛者を嫌ってると思うわけ?俺の女は同性愛者だぜ?)プロデューサーはLiTek & WhYJay、Dr.DreプロデュースのEve & Gwen Stefaniの”Let Me Blow Ya Mind”をサンプルしてます。この曲はHip Hop以外のオールジャンルのクラブや、EDM中心のクラブでもとにかく盛り上がりますし、tiktokでも流行ってます。

Karol G – Provenza
今年の夏は本当にラテン勢が圧倒しました。先日MTVのVideo Music Award(VMA)ではArtist Of The Yearにラテンアーティストとして初めてBad Bunnyが選ばれました。またここで4月に紹介した曲”Envolver”がヒットしたブラジルのスラム街育ちのAnittaもBest Latinに選ばれ感動的なスピーチをしました。アメリカの音楽シーンではK-Pop、Afrobeatはもちろん、ラテンの勢いが止まりません。コロンビア出身のKarol Gもラテンを代表するアーティスト。過去に曲でコラボしているラッパーのAnuel AAと付き合っていて、ラテン界のパワーカップルです。彼女の過去の曲で、彼女の愛称でもあるBichotaは彼女オリジナルのスラングで、女性が持つセクシーさ、強さ、愛らしさを意味してるらしい。彼女の歌や活動を通して、全ての女性がモチベーションを高めて、自信に溢れた『Boss B!+ch』になってもらいたい、ってインタビューで言ってました。元々はプエルトリカンのBichoteがドラッグディーラーを示すスラングで、それの女性バージョンって感じでしょうか?日本のBichotaの女性も彼女の音楽聴いてポジティブに活躍してもらえたら嬉しいです。開放的で、セクシー、そして明るくエネルギッシュなラテン音楽はコロナの規制が完璧に撤廃されたNYの夏のサウンドトラックでした。これから迎える秋冬は大型ヒットが毎年生まれる時期、どんな曲が台頭して来るか楽しみです。

関連: JAPANESE DEEがNY最前線クラブヒットをリポート「Reporting From New York (August.2022)」

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