インタビュー: MINMIとT-SPICEが楽曲「imacoco」やアーティストとしての今を語る

先日、ニューレーベルmasterbeauから新曲「imacoco」をリリースしたMINMIT-SPICEにインタビューすることができました。拠点をロサンゼルスにしている彼らの楽曲制作のストーリーや現在感じていること、そしてDJへ楽曲を提供する理由を語ってくれました。インタビュー内でも語っているリリックに注目して楽曲を聞くのもまた違った味わいがあるかもしれません。

今回の楽曲「imacoco」の制作はどの様に行われたのですか?

MINMI: 2019年の終わりにこのトラックをT-Spiceから聴かせてもらって制作を始めたのですが、本当にインスピレーションの部分からセッションをしながらスタートさせました。T-SPICEがインスピレーションで作ったトラックに、アドリブで浮かんだメロディと自然に浮かんできた言葉でリリックを書き留めました。「imacoco」というタイトルが今になって、より自分の中ですごく重要なキーワードだなと感じています。元々、このタイトルというか言葉を入れたいなという風にも思っていたわけではなく、未来とか過去よりも目の前で起こっている現在に集中するっていう意味で最終的にタイトルに付けました。歌詞の中にもあるように「街が世界中に星座のように繋がっている」という部分は、オンライン(線状にある出来事)っていう意味でもあります。それにソウルとソウルというか、気持ちの部分では時間と距離を経ても繋がっているところ等の意味もあります。これからの未来スピードアップして世界中繋がっていくなという感覚が絵として、実際のビジョンとして浮かんで、歌詞に表しました。リリースしてみて、インスピレーションで出てきた言葉なんですけど、自分の今だったりコレからだったりの生き方の道標にもなっているなと思ったりもしています。リスナーやファン等に対しても今のメッセージ、自分の感じているフィーリングを今に集中させることで同じ波動や想いを持っている人が時間や距離を超えてどんどん繋がっていくと思います。今は時代的に先が読みにくい時代だけれど、今のフィーリングに従っていくことがすごくあるべき姿、会うべき人に会っていける気がします。そういうメッセージを前面に出したわけじゃないけど、裏に込められることが出来たのではないかと思っています。

曲の組みたて方としてはビートから作り始めたのですか?

MINMI: 既に割と大枠としてビートは完成していました。ボーカルを入れた後に少しアレンジは入れたんですけど、大きな枠で見るとT-SPICEが用意してくれたトラックに歌を載せたという感じです。

アレンジしたパートはどんなところですか?

MINMI: アレンジをした部分で思い出深いのは、声にハーモニーをつけたところです。最初の英語の歌詞の部分「I will let you know ~」を一緒にキーボードを弾いてハーモニーをつけたんですけど、そこの作り込みが楽しい作業で印象的でした。あとは展開の構成は一緒に意見を出し合いながら作らせてもらいました。
T-SPICE: リリックを作った時、僕も一緒にいたんですけど、結構印象的だったのは曲を作る前からビジョン的な話をしていて、それがリリックを書く時間よりも長かったかもしれない。そこでいろんな話の中から、今って大事だよねっていう、結局大人なので、結果的には今でしょ!みたいな流れが曲を作る前から実はあって…っえ!違う(笑)?
MINMI: すごくそう(笑)!歌詞の部分でも、2人の会話だからできた延長線上の言葉だなと思う。2人とも仕事モードでやった感じではなくて、会話とか今の近況を話しながら生まれてきた言葉だよね。
T-SPICE: だから、いざリリック自体を書いていた時間はかなり短かった。
MINMI: 短かったよね、そう思います。

新しいレーベル、”masterbeau”ではどういった音楽性や活動で展開していくというビジョンはありますか?

MINMI: 私はもともとあんまりコンセプチュアルににクリエイティブなことをするよりも、その時のフィーリングを表現してくので、今の時点ではこういうものをっていう事はあまり決め込んでないです。ただ、日本で16、7年メジャーレーベルからリリースさせてもらって、その時にJ-Popというものをすごく意識して作ってたんですよね。自分のもちろん好きな音楽をやっていたけれど、日本の方が聴く大衆の音楽として楽しんで欲しいっていうところがあって。でも、それをある意味第一段階で卒業したという形でメジャーレーベルからインディーズレーベルになった感じです。プラスして、LAという場所に移住したという事もあって、日本に向けてだけっていう意識ではなく世界に向けて音楽を作っていきたいっていうのがこのmasterbeauレーベルで実験というか、挑戦できるなと思っています。今回の曲も本当にJ-Popという視点で見るとシングルでリリースする様な楽曲ではない感じだと思うので、一つ新しい事を作れたなと思っています。

新しい若手のプロデューサー・リミキサー達とコラボレーションをしていくことも増えそうですか?

MINMI: 逆にそこはものすごく私ハングリーなので、今でもストリートでいろんな子にセッションしようって声をかけています。もしDJcityさんやその周りでMINMIと何かやってみたいという人がいたら是非お会いしたいし、全然そこはやりたいです。

ありがとうございます。デジタルの世の中になった中、自身の作品がEditやRemixされ作り変えれれてコンテンツとして一人歩きしていくことに対してはどう思っていますか?

MINMI: 私はもともとサンプリングの文化で育ってきていますし、音楽はみんなで自由に実験したり、新しく生まれ変わっていったり、サンプリングしていかれたりという事に対してはすごくポジティブに捉えています。リミックスもそうですし、やっぱりアンダーグラウンドのところってそういう面白さや発見があるから、どんどん自分の音楽も自由に旅していろんな方にアレンジされたりリミックスされたりサンプリングされたものを聴きたいなと思います。

このインタビューを読んでいるDJ/プロデューサー達にとっては嬉しいことだと思います。実際にそういったアーティストがMINMIさんに自身の作品を届けるにはどういうアプローチが可能ですか?

MINMI: ソーシャルメディアで送ってくる方いるので全然聞きます。

莫大な量の作品が送られて来ることにならないですか(笑)?

MINMI: 意外とそうでもないですよ、応募受付をした事ないですけど、たまにトラック聞いてくださいと言ってURLを添えて送ってくる方もいるので、それを聞いたり、その方のプロフィールに飛んでポストされているトラックなどがあれば聴いたりもします。

それでチャンスがあればって形ですね。

MINMI: そうです! 今までトラックメイカーとそういった感じで形になったことはないけど、SNSを通じてクリエティブな方に出会う事はあるので、そういう時代だなと思ったりします。それこそ海外のトラックメイカーにDMであなたのトラックで歌わせてもやった事はあるので。
T-SPICE: 今回の「imacoco」のリリースに対してプロモーションというかキャンペーンもやってて、クリエイターにSNSで声をかけたりとかMINMIさん自身がしていて、そこからインスタグラムのフィルターを作っている人と出会って、 その彼が「イマココ」っていうフィルターを作ったんですね。それをMINMIさんを中心にインフルエンサーの方とかが使って。1週間でそのフィルターが100万回再生されたんですよ。
MINMI: そのフィルターを作った方も18歳なんですよね。誰かイマココって言葉でフィルター作れない?っていうのに対して、「僕やります!」て返事が来て、そこから3日でフィルターができて、リリースしたら1週間で100万人が使ってくれる。そういう時代がもうきたなって思って、キャリアとか年齢や距離を超えて、やりたいって言ったら繋がれる時代かな?って思っていて、そこを私も楽しんでクリエイティブしていきたいです。

最後に、楽曲をリリースの度にJcityに提供してくださるのはどういった考えの元なのでしょうか?DJcityとしてはすごく嬉しいです。

MINMI: 私はストリートっていうカルチャーと音楽が好きでそこから自分も出てきたので、やっぱり街やクラブで、DJが自分の曲をかけてるていう事と共存して生きているアーティストだと自分は思っています。今でもレゲエでもそうですけど、自分が歌った曲をダブプレートでセレクターがかけて広めてくれて、という感じで相互の関係が成り立っていると思っています。自分が曲を作って、たくさんの人に楽しんで欲しい音楽をたくさんの人に届けてくれるDJ、楽しませ方も自分がライブで歌うのとは違うそれぞれのDJの人のかけかたがあって、そこに私はリスペクトがあるので、むしろ喜んでって感じです。

関連: MINMIとT-SPICEによる「imacoco」

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