世界のローカル DJ・クラブ情報(Dallas🇺🇸, Tronto🇨🇦, Bogotá🇨🇴)

国によってはパンデミックから回復をみせているところもありますが、北半球では冬の到来や新たな変異種の出現でまだまだ安心のできる状態ではない昨今です。政治的な規制や世の中のライフスタイルの変化でDJを取り巻く環境も変わってきている中で、日本国外で活動するDJはこの様子をどう捉えているのかをリポートしてもらいました。

今回はDanny West(アメリカ🇺🇸のダラス)、DJ 4Korners(カナダ🇨🇦,のトロント)、そしてThombs(コロンビア🇨🇴)のボゴタ)にそれぞれの状況を共有してもらいました。

DJ Danny West(Dallas🇺🇸)
◆クラブやバーの状況はどうですか?

テキサス州ダラスに住んでるけど、COVIDが最初に広がったとき、当然ながらどのお店も閉鎖されたよ。テキサスが他の州とは変わっていたところは、すぐに営業を再開しようとする積極的な姿勢だった。バーやナイトクラブは、ライセンスの関係上営業を再開することが出来きなかった。でもバーがレストランライセンスを取得して料理を提供する場合は、限定的に営業することが認められたから、ほとんどのバーやナイトクラブはレストランとしてのライセンスを取得し、何らかの料理を提供することで営業を開始し
たんだ。テラスや屋外のオープンスペースは制限されていなかったので、他の州や世界からは、テキサスが完全に狂っているように見られていたので、とても奇妙な感じだったよ。ウイルスの深刻さや人々が亡くなっていることを知っていたので大変だったけど、外に出て仕事をして家族を養うたことが出来たのはラッキーだった。幸運なことに、自分にCOVIDの陽性反応が出たときに重篤な状態にならなかった。それ以来、私はワクチンを接種し、つい先日ブースターショットも受けたよ。ダラスのナイトクラブは2020年7月から本格的に始動しています。テキサスの政治は他の地域とは大きく異なるので、テキサスは例外だと感じています。州外のDJの友人がテキサスにDJをしに来ると、ここがどれだけ活動が再開している地域なのか驚くみたいだね。だからアメリカ中のたくさんのDJが、一時的に、または永久的にここに移り住んできているよ。音楽自体は、あまり変わってないかな。他の地域のDJたちは、チルなオープニングミュージックやファンキーなトラックを好んで聴いていて、自分もDJとしてその選曲を気に入っているのですが、テキサスではそのような音楽はうまく機能しません(笑)。

◆クラブ/バー/ラジオ以外で新しいDJとしての活動はどんなことをしていますか?

テキサスでは今のところ新しい分野というのはないかな。でも、自分の住んでいる地域ではDJのチャンスが急増中。すべてのバーやナイトクラブが再開されたので、それまでDJを置いていなかった多くの場所で、再開に向けて競争力をつけようと、観客を惹きつけるためにDJを雇い始めたんだ。自分にも毎週のように多くのところからDJの依頼がくるよ。今はDJ仲間のための非公式なブッキングエージェントみたいな感じで動いているよ。テキサス州では本当にDJが不足していて、レストランやバーは常にライブをするために奔走していて、自分の友達はみんなブッキングされているからね。ストリーミングの世界にはみんな足を踏み入れていると思う。自分も、ちゃんとしたストリーミングをするために、スタジオにPCと照明を用意したけど、すぐにバーやナイトクラブが再開してしまい、幸運にもたくさんのギグを取れた。だから、ストリーミングを続けるには時間と労力がかかりすぎるかなと個人的には思ってる。

◆コロナが落ち着いたらどこに行きたいですか?(個人的&DJとして)

12月にロンドンで開催されるDJcityのリンクアップのためにイギリスに行く予定ですが、日本にもまた行きたいね。最後に日本に行ったのは2019年11月で、DJCITY JapanのクルーやGENRE BNDRチームと一緒に過ごして、カラオケや東京でのパーティーは、人生の中でも最高の旅のひとつだったよ。これまで、幸運なことに、世界中の様々な場所に行き、その土地の才能ある人々のDJプレイを聴き、彼らがどのように観客をコントロールするかを見てきました。まだ行ったことがなく、ぜひ行ってみたいと思っているのは、南アフリカかオーストラリアです。DJとしても個人的にも行きたいバケットリストに入っています。

DJ 4KORNERS(Tronto🇨🇦)
◆クラブやバーの状況はどうですか?

トロントエリアのクラブは、ほぼ通常の状態に戻っているよ。厳密には、11月の中旬までは、ナイトクラブの運営はキャパシティの25%以下でしか認められないことになっていたんだけど、ほとんどがルールを無視してていたし。これまでコンサートやバスケットボールの試合に限定されたDJをしてきたけど、またクラブでのDJを始めようと思っているんだ。

◆クラブ/バー/ラジオ以外で新しいDJとしての活動はどんなことをしていますか?

バーやナイトクラブ、ラジオに加えて、スポーツチームが公式にDJを雇うことが、カナダで超人気になっているよ。自分が初めて2005年にトロント・ラプターズの公式DJに抜擢されてたんだ。それから、様々なバスケットボールチームをはじめ、ホッケー、野球、サッカー、フットボールなど、多くのチームがオフィシャルDJを雇い出したんだ。それから、多くのショップやレストランでもDJが活躍しているよ。パンデミックの時にはライブストリーミングが大流行だった。徐々にコロナ以前に戻りつつあるけど、まだオンラインが続いている人もいるね。これらのことは、これからもずっと続いていくと思います。どんな形であれドープでキュレートされたDJセットのバイブスは人気だからね!

◆コロナが落ち着いたらどこに行きたいですか?(個人的&DJとして)

旅行出来ることが通常に戻ったら、どこへでも行くよ!。普段はノンストップで旅をしている自分にとって、この2年間カナダを離れていないのは異常なことだよ。直ぐに行きたいの場所は、ロンドン、パリ、ウィーン、ドバイ、マラケシュ、台北、そしてもちろん東京だよ。どの場所にも懐かしい親友がいて、美味しい食べ物や素敵なナイトライフがあるから早く旅に出たいね。

Thombs(Bogotá🇨🇴)
◆クラブやバーの状況はどうですか?

9割近くの人は元の状態に戻っている反面、30%くらいのナイトクラブは残念ながら廃業になってしまったよ。クラブは永遠に閉鎖されました。あとは幾つかのラテンアメリカのナイトクラブでは、フードも販売するようになったよ。コロナでダメージを受けた分を取り返そうとドリンクに加えて食べ物もナイトクラブで提供し出したんだ。どこも同じだと思うけど、一番ひどかった時期は踊ることも出来ないし、ソーシャルディスタンスを保たなければならなかったけど、最近は少しづつ変わってきて、ナイトクラブは国や自治体が定めるコロナ対策を行なっていて、段々と以前の状態に戻ってはきているけど、マスクは必着だね。

◆クラブ/バー/ラジオ以外で新しいDJとしての活動はどんなことをしていますか?

プライベートパーティーでDJを雇うことが非常に増えたと思います。今では多くの人が、自分の家でプライベートパーティーをやりたいと思っているからね。後は、相変わらずラジオDJは残っているね。今人気なのは、DJのライブストリーミングかな。コロナで行動が制限されていた時期は、ソーシャルネットワークやTwitchを使ったブロードキャストがとても人気だったけど、今はクラブ、バー、レンストラン等が再活性化されているので、DJのプレイをブロードキャストを見る必要がなくなり、大きく変わってきていると思います。

◆コロナが落ち着いたらどこに行きたいですか?(個人的&DJとして)

ヨーロッパや、ラテン音楽が流行している国に行ってみたいですね。後は、つい先日ようやくアメリカに行けたんだけど、もっと何回もパーティーが行われていて、エンターテインメント業界が活性化しているアメリカを見てみたいです。

関連: 世界のローカル DJ・クラブ情報(Los Angeles🇺🇸, Bangkok🇹🇭, Dresden🇩🇪)

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